第1話 悪魔が俺の前に現れた
俺は15歳を迎えて成人して冒険者になった。
その後3年間はすべてパーティのために捧げてきた。
元々、魔法剣士というひとり二役ができるジョブだから当然の様にリーダーに選ばれた。
パーティのメンバーはずっと同じメンバーだ。
3年前G級で始まった俺たちのパーティはA級まで駆け足で昇格した。
当然、俺もメンバーもそのための努力は惜しまなかった。
その間に俺には最愛の恋人ができた。
回復魔法師のパーティメンバーの女性だ。
たしかに、剣士としての鍛錬、魔法使いとしてのトレーニングを欠かせない俺には彼女と過ごす時間は少なかった。
しかし、短い時間でも濃密な時間を共有できていた・・・そう思っていたのは、俺だけだったらしい。
「あなたの言葉はもう信じられなくなったの」
彼女のその一言が俺の人生の崩壊の始まりだった。
「俺たちはリーダーと一緒に活動するのは無理だと結論が出た」
サブリーダーを任せていた獣人剣士がそう言い切り、俺だけ追放して新しいパーティを作るという。
彼女すらも、そのパーティに移ると言う。
「なんでだよ。あと、もう少しでS級になれるというのに」
全く理由が分からなかった。
A級として高密度の活動を半年繰り返したからS級昇格まであと8ポイント。
1か月でクリアできるラインまだ来たのに・・・。
俺のヒロインもパーティもすべて失った俺には、もうひとつ災難が待っていた。
別れの盃でしびれ薬を仕込まれた俺は気が付いたときには、荒野をみぐるみはがされた状態でころがされていた。
すべてを失った俺にはひとつたけ、救いの手が差し伸べられていた。
「あなたの魂と交換で何でも望みを叶えてあげましょう」
俺は、何のためらいもなく、その申し出に乗ることにした。
最近の人気キーワードを元にイメージしたストーリーです。
人間の中に潜むダークサイドを書いていきます。
毎日4話の短期集中アップ予定なので、ブクマしてくださいな。