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治療
「えっと、これとこれと...」
今日森から採ってきた薬草を煎じる。
ゴリゴリとすり鉢の中で数種類の薬草が潰れて混ざりあっていく。
子犬の傷は致命傷ではないがそこそこ深い。
傷が化膿する前に早く治療しなくては。
「よし!」
調合が終わった薬品を小鉢へと移し、クッションに寝かせている子犬の傍へ向かう。
「沁みるけど我慢してね。」
そう呟きながらフィオは布に薬品を染み込ませて、子犬の傷口へと宛がう。
やはり痛むのか、子犬の手足がバタバタと動く。
それをやんわりと抑えながら治療を続ける。
治療を終えた傷口の上に清潔な布を被せ、包帯で巻いていく。
傷が塞がるまで一週間から10日はかかるだろう。
「でも、とりあえずはこれで大丈夫。」
問題は衰弱していることだ。
恐らくこの子犬は2、3日食事を取っていない。
このまま眠ったままでは栄養失調で死んでしまうかもしれない。
「なるべく早く眼が醒めるといいんだけど...」
フィオはそう呟きながら子犬に毛布を被せると、そっと部屋を出た。
閲覧ありがとうございます。
次回、子犬目覚める!?
2017.12.19