01 序章。
ハロハロハローウィン!
紅い髪のエルフの夢を見たので、
紅い髪のエルフ主人公で書いてみました!
じわじわと仲良くなって、もふもふしていきたいと思っております!
朝陽で、目を覚ます。
ワンルームほどの小さな部屋。壁際のベッドに横たわっていた私は起き上がる。うんと唸り、背伸びをした。清々しい気分だ。
クローゼットを開けて、ベージュを基調とした質素なドレスに着替える。二段フリルのネクタイを締めて、白のブーティを履いた。紅い髪をブラシで整えて、ピーンと横に伸びた長い耳をツンッとつついた。瞳は変わらずペリドット色。
昔は隠してしまいたくて、フードを被っていたけれど、今はそうしなくてもいい。
何せ私は、純白の城に引きこもっているからだ。
部屋を出て廊下を進んで、ある部屋の扉を押し開けた。
そこは談話室の一つ。
「コーヒーを淹れろ、ルビドット」
「おはようございます。アルヴェ様」
私は笑いかけて挨拶をする。
ソファーを占領しているのは、一人の獅子。人の姿に近い純白の獅子が、藍色の制服に身を纏って座っていた。
言われた通り、コーヒーを淹れに行く。
コーヒーを渡せば、アルヴェ様は一口飲んだ。
うずうずして待つ。早く早く早くと身体を震わせる。
「……よし」
アルヴェ様は、漸く合図をした。もっふりとした人差し指で、私を招く。
私は喜んで、アルヴェ様の膝に乗って、ムギュッと抱き付いて純白の鬣に顔を埋めた。もふもふ。
至福の時だ。もふもふふふ。
「おはようございますー団長。それにルビドット」
「おはよう、ヴェルデ!」
扉を入ってきたのは、一人のオセロット。ネコ科の動物で、チーターに似ているけれど、こっちの方がスマートで猫らしい顔立ちをしている。毛並みは若葉のように緑色。同じく藍色の制服。
身長は私と同じくらい。そんな彼に、私は飛び付いて抱き締めた。もふもふふふ。
「毎日言ってますが、そのもふもふするのやめてください」
「毎日言ってるけど、同い年だから敬語はやめよう」
そう言いながらも、ヴェルデは引き離そうとしない。もふもふされたままだ。
「そんなこと言って、照れてるんでしょ」
後ろには、一人の犬がいた。青と白の毛並みを持っていて、オネエ系。私達より身長が高い。同じく藍色の制服。
「黙ってくださいよー、オカマ野郎さん」
ヴェルデは毒を吐く。そんなことはいつものこと。
「シアン様、おはようございます」
「おはよう、ルビドットちゃーん」
そんな犬に、次は抱き付く。そうすれば、私を抱き上げて、その場でクルリと回った。もふもふふふ。
「あ、ベルン様。おはようございます!」
あとから来たのは、琥珀色の毛並みの狼。大きな人だ。
いつもと同じむっすりとしたような表情。
抱き付こうとしたら、「ガウ!!」と吠えられた。
腕を広げたまま、固まる。これもいつものことだ。
「ベルン様……もふもふさせてください」
「……」
ベルン様は何も言わず、アルヴェ様の隣に腰を下ろした。
「いい加減諦めたらどうですかー」
「もふもふしたい……ベルン様も」
「ひともふさせてあげればいいのに」
ヴェルデに言葉を返せば、シアン様が言ってくれる。でもベルン様はそっぽを向いてしまう。
彼には嫌われているらしい。ベルン様の毛並みも、なかなかだと思う。なのに一切の接触も、許してもらえない。
「おい。ルビ」
「はい」
クイクイッとまた人差し指で招かれた。なので膝の上にまた乗らせてもらう。
私は、このもふもふ騎士団に保護されている。
実はーー……魔王候補だということを隠して。
魔王候補となった発端は、十年前に遡る。
私はちょうど十年前に、自分が生まれ変わったと知った転生者だ。