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精霊王になりまして  作者:
水精霊王誕生
6/55

◆光精霊王 シュバルツ

◆は三人称ではなく、一人称で書いているページになります、混乱するなどという意見があれば書き直すと思います。

          ◆


 「陛下、このままでは我らの国…ヨルゼ王国も落とされるのも…」


 「そうだな、我々も覚悟をする時が来たのやもしれぬ」


 意見を述べたホルダ侯爵に頷きつつも眉間を思わず押えてしまう。我が国ヨルゼ。先王の時代よりも何代も前から続いてきた血もこれまでか。


 落とされれば俺の首はとられ、ヨルゼは植民地になるだろう。(なげ)かわしい。神よ、いつになればこの動乱の時代は終わるのだ。水精霊王(スイセイレイオウ)様はいつになればお生まれになられる……。


 「陛下…」

 「すまぬな、ホルダ侯爵…」

 「いえ、陛下の御心はこのホルダ…存じ上げております。どうかご自愛(じあい)くだされ」

 「ああ、世話をかける」


 左胸に拳を当て最敬礼をしたホルダは俺の顔を見た後、王座の間を出ていく。それを見送り目を伏せると不思議な感覚に目を見開く。


 「苦労をしているようだな、カルベル」

 「…光精霊王(コウセイレイオウ)様」

 「こんな時ぐらい名で呼んだらどうだ?」


 銀の髪に金の瞳を持つ光精霊王のシュバルツ様は俺の身を案じているのか俺が礼をするのを止めた。


 「シュバルツ様、お会いになって頂けるのは光栄ですが…我が国ヨルゼは恐らく……」

 「その話でお前に教えておこうと思ってな。」


 シュバルツ様はその美しい顔で笑みを浮かべる。そして───何よりも欲しかったお言葉を仰った。


 「水精霊王(スイセイレイオウ)が生まれた、火精霊王(カセイレイオウ)が今育てておる。」


 「それは(まこと)でございますか!?」


 水精霊王様。つまりすべての種族が求め望んだ存在がお生まれになった…今を……。


 「……今を耐えればヨルゼ王国は」

 「時期に、攻められることも無くなるだろう。木精霊王(モクセイレイオウ)土精霊王(ドセイレイオウ)も力を貸すと言っている、すぐに食料、水問題はなくなる」


 「シュバルツ様、そのお言葉を聞かせてくださりありがとうございます…」


 終わらない…今を耐えれば()が国はまだ持つ、それだけで先程まであった頭痛など吹き飛んだ。

 なんという吉報だろうか…!

 すぐに他のものにも知らせればなるまい…。


 「シュバルツ様、水精霊王の名は…」

 「アルヴィスという」

 「良い名ですな、アルヴィス様…シュバルツ様吉報を与えてくださり感謝します」

 「なに、契約者を産んだ国…滅ぼされることを良しと思わぬだけ、ではな」


 シュバルツ様はそう仰って光となる。

 シュバルツ様は光精霊王であるがために光になれる、それはとても神々しい事だと俺は思う。


 にしても…契約者を産んだ国…。


 「エメレラにも感謝しないとな…俺には勿体ない娘だよ…」


 まだ幼いエメレラを思い浮かべ、俺はすぐに国民を広間へ集まる様に指示を出した。


 ───良い報せを伝えられるというだけでこんなに体調が良くなる。本当にシュバルツ様には頭が上がらない。アルヴィス様…本当によくお産まれになって下さいました。


 ざわめく国民たちに喜びの涙を晒さぬ様に大きく息を吸って言い放つ。


 「ヨルゼ王国は今、危機にさらされている。いつ敵国が水と食料を求めて国に入ってくるかも分からぬのが現状よ…だが、我らがヨルゼの国民たちよ、俯くことは無い!光精霊王様からお言葉を頂いた!心して聞け!」


 「新たな水精霊王様がお産まれになった!今を耐えればすぐに水精霊たちは帰ってきてくれる!今こそ神に祈りを捧げ耐えようぞ!」


 俺の言葉を聞くとすぐに民衆や騎士だけではなく貴族からも雄叫びが上がる。

 今は耐える時。消して負けぬ、父上から任されシュバルツ様が契約して下さっている我が娘のいるこの国は、絶対に渡さぬ…!



          ◆




読み方

光精霊王(コウセイレイオウ)

水精霊王(スイセイレイオウ)

土精霊王(ドセイレイオウ)

木精霊王(モクセイレイオウ)

火精霊王(カセイレイオウ)

風精霊王(フウセイレイオウ)

闇精霊王(ヤミセイレイオウ)


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