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精霊王になりまして  作者:
旅の始まり
42/55

一人と二匹でお使いをしよう さんっ


 「ベルグとも合流出来たし…確か店の名前は転転だっけ?」

 『そうよ、転転のハルチルさんに依頼書を見せればいいんじゃないかしら?』

 

 カナリアの言葉にそうかと鞄の中にしまっておいた依頼書をカバン越しに軽く叩くとアルヴィス達はあるきだす。

 

 『早速依頼なので?』

 「うん、依頼って言ってもお使いみたいな感じだって」

 『なるほど、郷に入っては郷に従えと言います、それが一番主に必要な事なのかも知れませんな』

 

 納得したようなベルグの首を撫でるように軽く叩く。魔物故に大きいベルグは街の中を歩くだけで視線を集める。そんなベルグを連れているのが見目麗(みめうるわ)しいアルヴィスなものだから、余計に視線が多くなっている。

 

 『なんだか、スターにでもなった気分だわ… 』

 人目を気にしないベルグとアルヴィスとは異なり元々普通の街娘だったカナリアは視線が痛いのか身じろぐ。そんなカナリアに首を傾げていれば、目の前に転転の看板が出てきた。

 

 「案外ギルドから近いんだね、これなら普通に受ける人がいても良さそうだけど」

 『お店が遠いのと馬が必要ってのが大きいんじゃない? 使族は翼があるから馬に乗らないし、馬がなかったら人数が必要って言ってたでしょ』

 

 なるほどとアルヴィスは頷きながらゆっくりと準備中と書かれた扉をノックする。転転の店は中華料理屋の様で真っ赤な壁が白を基調とした街中でよく目立っている。

 

 引戸を開けて出てきたのはリリーア国の民族衣装を身につけた男性だった。リリーア国の民族衣装を着ているがその背中には翼がある。どうやら使族であるようだった。

 

 「こんにちは、ギルドで依頼を受けてきました」

 「本当かい!?あぁ、助かったよ実は材料が既に切れてしまっていてね、今からまたギルドに催促しに行こうと思っていたところだよ! 依頼書を見せておくれ」

 

 目を輝かせた彼にギルドで渡された依頼書を見せると直ぐにそれに目を通し、店内に置いて再びアルヴィス達の元へ戻ってきた。

 

 「たしかに、間違いないね! 早速で悪いんだけど野菜屋ウィドーで頼んである野菜達と肉屋ママルで注文してある肉達を受け取ってきて欲しいんだ、結構な量だから重いとは思うんだけど、それだけ立派な馬が入れば大丈夫たよね? 」

 

 ベルグを見てニコニコと満足気なハルチル。ベルグは誇らしげにひと鳴きした。

 

 『当然であろう! 主の第一の側近なのだから!』


 いつから側近になったのだろうかという疑問はアルヴィスは口に出来なかった。なんだか機嫌の良いベルグとそれが頭に来ているのか肩に止まっているカナリアがピーピーと文句を垂れていた。

 『なーにが側近よ、馬の癖に!』

 『ふん、負け惜しみか? 醜いぞ』

 『はー?!』

 

 煩い。アルヴィスしか聞こえない声だから周りは分かりえないが正直耳を塞ぎたくなるほどには二人の喧嘩はくだらなく煩かった。

 

 「じゃあ!よろしくね!」

 「はい」

 

 ハルチルに見送られながら三人は転転を後にした。

 

 

 

 

久々の更新になります。感想を送ってくださり、更新を待ってくださっていた方。返信できず申し訳ありません!


自分にとっても思い出深い作品となっているので更新していきたいと思っております。プロットからまた組みなおしているので更新は遅いと思いますが、かけるときはかける所一気に書いて、あげていきたいと思います。

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― 新着の感想 ―
[良い点] とても面白い! 似たような話がいっぱいの中わくわくして読めたのは久しぶりでした。 いいお話をありがとうございます、続き待ってます。 [一言] 本当にありがとう
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