発表日
「ん……んん」
まだ眠たい。けれど、寝ようという気は失せてしまった。時間は……九時過ぎ。
あと一時間か。
とりあえず、起き上がって布団をたたんだ。部屋を見渡してみると……だいぶ散らかっている。
一次試験が終わってから、家じゃあまともな生活してないもんな。
勉強に関することは学校ですると決めているから、家に帰ってからはとにかく無為に時間を過ごしていた。日が経つに連れて部屋が無残になっていてたけど、片付ける気が起きなかった。こういうところに人間性が出るよなぁと思った。ちょっと、整理しよっかな。
というわけで、午前中は部屋の掃除をすることにしてとりあえず一階に下りる。ご飯を食べてから歯磨き、顔を洗って寝癖を直す。それから適当な服に着替えると、自分の部屋に戻って掃除を始めた。
とても1日で終わりそうもないから、教科書とか参考書の片付けはまた今度だ。とりあえず、散らかったプリント類を片付けて、机の上を整理する。それから掃除機をかけて、掃除がおおかた終わる頃には十時前になっていた。合否発表の時間だ。
落ち着けよ、僕。
そう心に語りかけた。
昨日から、受かっていてほしいという気持ちが少しづつ強くなっている。みんなの合格を聞いて浮ついていた気持ちに、澪のあの笑顔が決定打になっていた。蓋を押しのけて「もしかして」という気持ちが溢れ出てきている。合格後期を受ける覚悟はしてきた。けど、自分への期待を裏切ることもできないでいた。
急いでパソコンの前にいって、大学のホームページにアクセスした。さすがに混んでいて、なかなか入ることができず、合格者の受験番号が載っているページに入れたのは十時十分くらいだった。
そこに並んでいる数字を見て、僕は急いで部屋に受験番票を取りに行った。二階に駆け上がって、落ちるように降りて、パソコンの前に走る。受験票の数字と液晶の画面を突き合わせた。
正直、よくわからなかった。
取り合えず、しばらくは手の震えがおさまらなかった……。