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釧路湿原殺人事件

 1-6

釧路湿原は北海道の東部、釧路川に沿って広がる日本最大の湿原、釧路湿原を中心にした地域でこの湿原には他の地域で既に喪失している平野の原自然がそのまま保存されて、原全体を支配するヨシと散在するハンノキ林、蛇行する河川が構成する美しい自然美を見せている。

湿原の場所によって、動植物の特徴的な植物が見られ、特別天然記念物タンチョウを代表に各種の鳥類の他、キタサンショウウオ、エドカオジロトンボ、等貴重な動物が生息している。

東西最大25キロ南北36キロの広大な湿地帯である。

東京の山の手線がすっぽり入ってしまう大きさだから、その広さは広大だ。

ヨシ、スゲ、ミズコケ、の湿原に分布されて、地層の1~4メートルに泥炭層が敷き詰められて、その下に泥、砂、小石、貝の地層が有る。

西が高く東側に河川、湖、沼が多い。

一平と美優は湿原の展望台に来ていた。

美優は機嫌が悪いそれは新婚初夜が上手くいかなかったからだ。

「一平さん、疲れて居るの?」

「よく判らない」

濃厚なキスもスキンシップも出来るのに肝心のSEXが不発だったから、あの日以来SEXは二人には無かったのだ。

昨夜はついに「私が変な人達に陵辱されたから、不潔だと思っているの?」と言ってしまったのだった。

二人のムードは一気に悪く成ってしまったのだった。

「あれ?何?人が倒れている」と望遠鏡を見ていた美優が叫んだ。

「何処に?」

「あそこよ」と指を差した。

でもその方向には何も見えなかった。

「おかしいな?あの方向に見えたのだけれどね、」

「どんな感じ?」

「死体よ、釧路湿原殺人事件」

「何、言っているのだ、女満別に着いた日にも同じ事言って様な」

「あれは小説、今は本物」

「でも、見えないじゃないか?」

「でも?確かに男の人が倒れていた様な?」

「年齢は?」

「判らない」それ以上は判らないので二人はそのまま湿原を探索して、満喫するのだった。

阿寒のホテルに帰った二人に佐山から電話が「熱海の女性が釧路湿原で殺された、悪いが明日釧路の警察に行って話を聞いてくれないか?」

「えー、殺人ですか?そうだ」

電話の最中に美優が「どうしたの?」とお風呂の用意をしていた。

これから貸し切り露天風呂に行く準備をしていた。

「事件だ、君が昼間見たのは本当だった、殺されたのは女性だ」

「男の人だったわよ」

「明日、釧路の警察に行かないと行けなくなった」

「えー、つまんないな」

「取り敢えずお風呂に行こう」

そう言って貸し切り露天風呂に行ったのだった。

お風呂で「何故?駄目になっちゃったの?元気ないから新婚旅行じゃないよ、」

あの事件以来無かったSEXに不満顔。

「そうだ、あの時元気だったのは、私が縛られていたから?それともよく見えたから?」

「判らないよ、」そう言いながら美優の胸を触るのだった。

「判った、貴方もあの叔父さん達と一緒で変態なのよ」

「そんな、事ないよ」と言ってキスをするが、でも元気は無かった。

「駄目ね、貴方が変態かテストしましょう」

お風呂を上がると部屋で美優が、浴衣の帯を持って「これで少し私を縛ってみて」

「そんな事」

「いいの?軽くよ」そう言って浴衣を脱いだ。

「胸だけよ」

「ほんとう?」

浴衣の帯で乳房を軽く縛ると、それを見た一平が元気になったので、久々のSEXが出来たのだった。

美優も一平も燃えて、あの事件の後遺症が一平に有ったのだ。

「良かったね、」と美優も一平も安心した様に眠った。

翌朝はもう普通のSEXが出来たので、美優は精神的ショックから立ち直ったのだ。

これで本当のあの事件が終わったのだ。

そして本当の夫婦に成れたのだとしみじみと感じた。

それは自分に対する哀れみと罪悪感で一平が結婚したのだと思っていたから、嬉し涙が出たのだった。

「どうして?泣いているの?」

「うん、嬉しくて」そう言って一平にキスをするのだった。

その後二人は釧路の警察に向かった。

「静岡県警の野平一平です」

「釧路警察の山本です、この女性は?」

「僕の嫁さんです」

「関係者以外は困るのですが?」

「僕達新婚旅行中だったのですよ、それで昨日嫁さんが望遠鏡で死体を見たと言うので連れてきたのです」

「そうだったのですか?兎に角所持品を見て貰えますか?」

二人が見た物は熱海と湯河原の定期券、小泉欄と書いて有った。

「これ以外、所持品は無、ですか?」

「有りませんね、今司法解剖していますのでもう少し詳しい結果が出るでしょう」

「嫁さんが昨日望遠鏡で見たのは男性だったと言うのですが?」

「男性の死体は有りませんね」

「死因は?」

「水死の様に見えるのですが?」

「じゃあ、釧路観光でもしてからまた夕方寄ります」

「折角のお楽しみ中にすみませんね」

二人は釧路の町に観光に出掛けて行った。


泉田公平は小泉欄の化粧とか髪型、服装の変化に以前にも増して恋心を抱いてしまったのだった。

欄は間島の誘いには必ず応じるから、月に一度は旅行に出掛ける。

公平にはその行動が気になり始めていた。

それは自分とは時間が有る時に、近くの箱根に一緒に遊びに行ってくれる関係に成っていたからだった。

「私ね、もうすぐ、コンパ辞めるかも知れないわ」

「どうして?凄い人気が有ると聞いているのに」

「そうなのだけれど、お母さんが帰っておいでと言うのよ」

「それって、滋賀に帰るの?」

「少しの間帰ってまた戻って来るかも知れないし、よく判らないのよ」

「僕の事は?」

「好きよ、動物好きで優しいから」、

22歳のフリーターでは中々生活出来ないのが現状だから、それ以上の事が言えない公平だった。

それでも映画を見に行ったり、遊園地に行ったり、食事と関係は深くなっていった。

だから「今週の土曜、日曜は旅行なの?」と言われると気に成っていた。

間島とは三度目の旅行だった。

鳥羽の後、東京に行って、その時にまた服を買ってくれた。

次回はその服を着て京都に行こうと云ったのだ。

生まれは滋賀の余呉の田舎だから、京都は近いけれど行く機会はそう多くはなかったから嬉しかった。

今回の洋服も素晴らしいお嬢様ルックだった。

土曜日の朝の熱海駅に、まさか、公平が尾行しているとは、思ってもいなかった。

可愛い服に靴までお揃いの姿に、公平は何処に誰と行くのだろう?とホームに入って地下道を新幹線に向かうが、誰も同伴者がいない?新幹線のホームに(ひかり)が到着した。

あっグリーン、誰か中にきっと乗っているのだ。

しかし欄が座った席の周りに誰も居ない。

車掌が切符を調べに来て、入場券の公平は車掌に名古屋までの切符を買ったのだ。

だが「自由席は後ろか前ですよ」と車掌に言われて戸惑うのだった。

何度かグリーンに見に行ったり停車すると、下車してないか調べに行ったり、大急がしの公平だった。

名古屋を過ぎても降りないし誰も来ない?

一人旅?幸い車掌も来ないが、京都に到着した時に欄は降りた。

慌てて公平も降りたが、でも誰もいない。

そして改札にも誰もいない、差額を払って欄の後を追った。

この日の待ち合わせは一時半に八坂神社の前で、タクシーなら15分程だから、そう言われていた。

少し早く着くけれど良いかな、欄は八坂神社に向かって、公平も後を追った。

間島は、手紙を送っていた。

娘の友達を装って、友和さんに渡してと云われた物が有るのだと、書いていた。

突然の交通事故だったので、今日まで渡そうか思案したのだけれど、もう亡くなって時間が経過したので、私が持って居るのも変なので渡したいと、八坂神社に来て欲しいと書いたのだった。

元々京都の人間だから不思議にも思わず友和は来たのだ。

そこにタクシーから娘欄が、亡くなった時の服装で現れたのだった。






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