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美優の奮闘

  1-22

撮影所に真柴をはじめ、公子、南、吉崎、三島が待っていた。

瑠璃の到着を待っていたのだ。

美容師の吉崎を公子が呼んだのだ。

裸にしてリンチも良いが、女の髪は命だから、脅しに使おうとしていたのだ、

中央には散髪屋の椅子が置かれて、横には散髪屋で使う道具が置いて有った。

女子高生を脅すには充分だった。

問題はシェリーちゃんを取り戻すのが第一の目的だから、必死だ。

暫くして車が到着した。

車から引きずり降ろされて、猿轡が外されて「私をどうするのよ」

「まずはお姉さんを呼んで貰おうか」

「何故よ?」と言うと三島が平手打ちをした。

「逆らうと傷がつくよ」

「立ち話も大変だろう、腰掛けさせてやれ」と真柴が言う粘着テープを外して散髪椅子に座らせて縄で身体を縛り付けた。

「綺麗な長い髪をしているね、此処は散髪屋だからな」

「そんな、事止めて下さい」

「お前の考えひとつだ」

カット用クロスを首に巻いて、電気バリカンのスイッチを入れた。

「判ったわ、呼ぶわ」

「そうか、何番だ?」

「バックに携帯が二個入っている、白の方を下さい」

手を動かせる様にした。

「どう言えばいいのですか?」

「お姉さんはこの顔か?」と進二の携帯の写真を見せた。

「そうです」

「何処に居るのだ、姉は」

「。。。。」

吉崎が髪を持って挟みで切った。

「止めて」

「美容師だから綺麗にも出来るが逆らうと坊主にする」

「ホテルみずたです」

「すぐ近くじゃないか」

「電話でホテルの前に直ぐに出てくる様に言え」

「。。。」

すると「奥様、メールです」と南が言った。

シェリーの後ろ姿だった。

「妹は預かったと返信してやれ」

「はい」

その間にまた髪を切った。

「電話します」と瑠璃は怯えるのだった。

美優は何だ?これ妹って?何よ?

(妹?居ないわよ)と送ったのだ。

「奥様、妹いないと帰って来ました」

「もうすぐ、気が動転するよ」と笑った。

「お姉ちゃん、助けに来て」と瑠璃が泣いた。

「何言っているの?」

「お姉ちゃんの忠告聞かなくて進二の親達に捕まって坊主にされそうなの」

「馬鹿じゃないの、何処にいるの?」

「判らない、ホテルの前に向かえに行くって、出て来てよ」携帯を切った。

小泉欄は間島に成り行きを連絡した。

坊主ではすまない、殺されると欄は思った。

自分も行けば危ない、しかし妹を助けに行かなければ、間島は決断した。

名刺の刑事に電話で「佐山さんおねがいします、間島です小泉欄さんと妹さんが殺されそうです、助けて下さい」

「えー、何処です」

「ホテルみずたです」

「判りました、私も京都に至急向かいます、間島さん今は?」

話しながらメモを一平に渡した。

「大阪の会社です、私も京都に行きます」

「一平行くぞ」

「18時11分の(ひかり)です」

静岡から四人の刑事が向かう事に成った。

京都府警がホテルみずたに急行したが、欄は出た後だった。

一平が自宅に「京都に出張だ、今夜は帰れない」

「どうしたの?」

「間島さんから、欄さんと妹さんが殺されると電話が有ったのだ」

「判ったわ、気を付けて」

美優はメールの意味が理解出来たのだった。

(シェリーが死んでもいいの?)

「奥様こんなメールが」

「まだ出て来てないの、ホテルから」

吉崎に切れと指示瑠璃の髪がまた切られた。

「妹が死んでも良いのかと送れ」

「はい」

「シェリーが先に死ぬ、子犬から殺そうかって、来ています」

「それは駄目、駄目」

「判った、妹は殺さないと送れ」

「はい」

また髪を切れと指示した。

そこに富田と垣内が欄を連れてきた。

それを見た公子が、間島が変わって脅迫しているのかと思った。

「欄姉ちゃん助けて」と泣き出した髪は相当切られていた。

「何しているの?妹を離して」

「五月蠅い、縛って黙らせろ」

欄を縄で縛って猿轡をした。

「奥様、姉妹に指一本でも触れたら、子犬から殺す」と「駄目よ、駄目よ、何もしないと伝えて」公子は犬が心配で、心配で仕方が無いから「間島と話しをさせろ」と欄に言った。

欄が首を振ると、吉崎が瑠璃の髪を切った。

「助けてーお姉ちゃん」と瑠璃が泣きわめくので、欄は頷いた。

猿轡が外されて携帯で間島にかけた。

「間島さん、上田の奥様が話し有るそうです」

「判った、代わって」

公子は携帯を受け取ると「貴方ね、奥さんと娘さんが亡くなった事を根に持って私の。」

「奥様、動画が送られて来ました」

それはシェリーが子犬に母乳を飲ませる姿だった。

「泣き落としなの」

「何の話ですか?」

「今、動画を送ったでしょう」

美優が南に『奥様、馬鹿じゃないの?間島さんも欄さんも関係無いわよ』

公子は間違いに漸く気が付いた。

別人だ!でも此処の事を知っている何????

間島の電話を切った。

そして「落ち着きましょう、シェリーが危ないから、この二人には触らない様に」と言って頭を抱えてしまった。

美優は坂田獣医に電話で事情を話して、似た犬の画像を下さいと言った。

具合の悪いとか子犬が死んだ写真とか、何でも良いから下さいと頼んだ。

一平達が到着して彼らを捕まえるまで、二人の命を守らなければと必死だった。

20時には京都に着く、それまで頑張らないと、二人の命は美優に託されているのだった。

そんな事はまるで知らない一平と佐山は

「何処に連れ去られたか、判らないらしい」

「一足違いで小泉欄さんが連れ去られたらしい」

「結局小泉欄さんと妹さんが何故?捕らわれたのですかね?」

「判らん、」

その時、間島が電話をしてきた。

「今、上田の奥さんと話ししたのですが、犬を返せとか意味不明の理由でした」「それで小泉姉妹は?」

「よく判りませんが、無事ですね、別の誰かに話すか?メールでしょうね」

「誰でしょうね?」

「だから、今の処は安全みたいです」で電話は切れた。

「誰でしょうね?」

「そうだな、まるで我々が行く迄時間を稼いでくれている様だな」

「本当ですね、助かりますね」

「意外と美優さん、だったり?」

「うちの嫁さんは、今頃一杯飲んでいますよ、僕が帰らないから」と笑うのだった。

美優は必死だった。

「奥様、20時迄何もしない事よ」と着ています。

「この写真付きで」と見せると「わーあ」と青ざめて

「後少しだから、何もしないでね」子犬の死体の写真だった。

真柴は緊急的に殺し屋五人が必要になるかも知れないと近辺に待機させていた。

今の公子はもう普通の状態では無いから、自分の脱出と暗殺の両方を考えて、密かに呼び寄せた。

泣き止まない瑠璃に苛つく公子が「もっと切ってやれ、五月蠅い」と叫んだ。

吉崎が髪を持ってハサミでばっさりと切った。

「わー、止めて」

「泣き止まないと本当に坊主よ」と吉崎に言われて、我慢する瑠璃だった。


佐山と一平達には長い二時間だ。

「大丈夫でしょうか?」

「判らん、しかし京都に着いても何処を探せば良いか判らんし、な」

「そうですね、今夜中に見付けなければ、多分二人は殺されるな」

「沢山の殺しも総て彼女ですかね?」

「違うだろう、そこまで出来ないだろう、彼女も危ないかも知れない」

「えー、本当ですか?」

「みんな、最後は自分が可愛いものだ」

新幹線は名古屋駅を発車したのだった。

「妹を虐めるのはもう止めて」

欄が公子に懇願した

「お前が身代わりになるのか?」

そう言われて黙ってしまったが、欄を瑠璃と交代させろと命じた。

今度は欄を散髪椅子に座らせて、縛ってカットクロスを巻いて「姉が妹の代わりだ」と笑う公子に「こんな、動画が届きました」と見せた。

シェリーの動き廻る姿だった。

「可愛い、可愛いシェリー」と言いながら見ると直ぐにメールで

(これ以上姉妹を傷つけると、歩けなく成るよ、シェリーちゃんがね)

「わー、怖い、吉崎此処は誰かに見られている駄目、触ったら」と叫ぶのだった。

殺し屋五人が来て、真柴はトイレに行く振りをして消え去って行った。

一人の殺し屋を残して消えたが、誰も気が付かなかった。






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