表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/26

刑事が犠牲に

    1-17

その夜、一平と佐山は熱海のスナック(ひとみ)に本田百合を尋ねていた。

「コンパニオンクラブ夢で仲良しだった、小泉欄さんの事でお聞きしたいのですが?」

「欄まだ、見つからないの?」

「はい」

「先日クラブの支配人に小泉さんと、貴女を指名して二回程一緒に、座敷に行かれたとお聞きしたのですが?」

「ああ、覚えているわ、確か大城屋さんだったかな、二回共、私、最初は行ってないのだけれど、大阪の会社の慰安旅行の宴会に欄と数人が行ったのね」

「はい」

「その後一月後位かな、一人でその社長さんが、欄を指名して行ったのよ、コンパは二人一組だから、欄が行こうと云ったから」

「二回共ですね」

「そうです、一人で二人も呼ぶと高いのに、そのお客さん変なのですよ」

「何が?」

「私は小遣い、貰って遊びに行けって云うのよ」

「欄さんと何か?」

「私もそうだと、思ったのね、欄も警戒していたわ、警察の方に言うのも変な話しなのだけれど、欄って身体売る子じゃあ無いのよね」

「今夜は聞かなかった事にしますよ」

「二回共何もしないで、酒飲んで、カラオケ、世間話で終わり、だったのよ」

「何ですか?それ」

「そうだなあ、百合さん居ても関係無いじゃないですかね」

「不思議でしょう、それからは来なくなったわ、欄が個人的に会っていたか?判りませんがね、でもそれからはまったく、話しもしませんでしたよ、欄」

「佐山さん、不思議な話しですね」

「幾ら位?一晩」

「私の小遣いもだから10万は超えるでしょうね」

「「大城屋にも行ってみますか?」

「そうだな、欄さんから連絡有ったら、教えて下さい」

「はい、怖い事件に巻き込まれて無ければ良いのですが」

「ありがとう」二人はスナックを出た。

「間島建設でしたよね、確か」

「何だろう?」

「一度大阪に行くか」

二人は大城屋に行って、事情を話すと「その方の担当は民子さんだ、呼びます」

暫くして「泉田民子ですが、何でしょうか?」

「泉田?」

「もしかして、息子さんは公平さん?」

「清美の友達だったのですか?」

「松本清美さんです、息子が世話に成っています」

「今夜は小泉欄さんの事で間島建設の社長の話を聞きに来ました」

「コンパニオン呼んで、一人を遊びに行かせて、欄ちゃんと遊んで帰る人ね、二回程かな、変わっていましたよ、二人でも一度泊まりましたよ」

「先程百合さんにも聞きました、元小百合さん」

「欄ちゃんの仲良しね、その百合ちゃんが言っていましたけれど、コンパ休んでお小遣いあげるからもっと遠くの高級旅館に行かないか?と言って誘われた、私なら即OKなのにね、って笑っていましたよ」

「間島さんは、欄さんと外に飲みに行くとかは?」

「無かったですね、館内だけです」

「欄ちゃん、お小遣い沢山貰ったけれど、手も握らないのよって話していましたね」

「ありがとう、ございました」

「また、何か有りましたら」

二人は熱海を後にした。

「坂田は即死、自殺の車は盗難車、柳田、南田、丸山、三原、坂田この事件関係で五人死にましたよ」

「ほんとうだ、大事件だな」

二人は大阪に行く事を決めたのだった。


静岡駅に到着すると「一平ちゃん、今静岡着いたよ、今晩朋子泊めてあげるからね」

「そうなの」と一平の残念そうな声だった。

やはり二人と一緒に叔母さん達が静岡で降りたから、二人は急いでタクシーに乗った。

松本刑事が付いてタクシーに、二人の叔母さんもタクシーに、殺し屋達も同じ方向に行くタクシーに、殺し屋が気づいて、「前の車を追い抜いてくれ」と指示した。

そこに救急車が来て、美優達二人の車が信号を曲がったが後の車は止まってしまった。

「誰も来なく成ったわ」後ろを見て言った。

美優が一平に「家に到着、早く帰ってね」

「ごくろうさま」と言った。

一平に松本刑事が「美優さん見失いました、すみません」と電話してきた。

「もう、大丈夫自宅に帰ったと連絡が有ったから、ご苦労さんでした、そのまま帰宅して下さい」

「それでは、失礼します」と松本刑事は電話を切って自分のマンションに向かわせた。

殺し屋達はこのタクシーを尾行していた。

叔母さん二人は諦めて駅前のホテルに戻ったのだった。

松本刑事はマンションに到着して、ほっとため息をついた。

その時殺し屋の一人が後ろから襲いかかった。

いきなり首を絞めて口を塞がれて、後の二人が身体を押さえた。

マンションの裏手に引きずり込まれて、首を締め上げられ気絶した。

公園が近くに有ったからそこに連れ込まれる。

もう一人が車を持って来ていた。

松本刑事を乗せて「予想、通り刑事です、」

「あの二人は刑事に尾行されていたのだな」

真柴に電話で「あの二人の女は奥様を揺すった仲間です、尾行していた女刑事は捕らえました」

「南田達にまだいたのか?奥様の犬が見つからない訳だな」

「この、刑事どの様に?」

「奥様達も見ているかも知れない、報告は明日だろう、殺せ」

松本刑事はそのまま、絞め殺されて、全裸で山の上から転がされて谷に消えた。

身元が直ぐに判らない様に何も身に着けないのだった。


翌日公子に仲間が居ると報告がされて、尾行していた二人の女だと話した。

「その、女から、シェリーちゃんを取り戻して、お願いします」と泣きながら言ったのだった。

静岡に住んでいる女、歳は20代半ば、一人は美人、ショートボブの綺麗な黒髪、もう一人は細身で長身髪はセミロングの薄茶、真柴の人探しが始まった。

松本刑事が自宅に帰らずに失踪した事は翌日には判った。

『これから、自宅に』だったから、静岡のタクシー会社を調査すると、夕方該当の車が見つかった。

非番の運転手の自宅を佐山と一平が訪ねた。

「あの人刑事さんだったのですね」

「はい、自宅のマンションに送りましたよ」

「何か変わった事は?」

「前のタクシーを尾行して欲しいと言われました」

「それは、私の妻の護衛をしていたのです」

「そうだったのですか?」

「他には?」

「緊急車両で、見失ってしまいまして、それから直ぐにマンションに」

「そうですか?」

「ありがとう、ございました」と言って家を出ようとしたら

「刑事さん、これ関係有るか判りませんが、私の前に割り込んだタクシーが有りました、そのタクシーも緊急車両で止まりましたけど」

「それだ」佐山が言った。

もう一度タクシー会社を調べて該当車を探そう。


瑠璃は上田進二に電話、メールで日に二度程、勉強をしようと思う頃に邪魔をしていたのだった。

塾の担任も学校の担任もそろそろ気が付く頃に成っていたのだ。

間島順平は欄と週に一度の食事を楽しんでいた。

「坂田獣医さんも事故で亡くなって、今は奥さんの良子さんが、助手と二人でしているみたいですね」

「あの事故は三原さんの遺体が発見された時だったな」

「間島さん、私達とんでもない事件の中にいるのでは?」

「しかし、警察に公子が犯人とは言えないなあ」

「唯の犬馬鹿ですからね」

「もう関わるのは辞めよう、危険だから、妹ももう手を引かせた方が良いよ」

「はい、そうします」

二人は本当の親子の様に付き合っていた。


翌日にそれらしきタクシーが見つかった。

佐山と一平は運転手に面談して「その三人はプロの殺し屋だな」

顔はサングラス、帽子を被った男とか、タクシーの運転手でも殆ど顔を覚えていなかったのだった。

佐山が「緊急自動車が美優さん達を助けて、松本刑事が犠牲に成った可能性が高いなあ」

「まだ、美優と高木さん狙われますね」

「警護を強化だな」

その夜、久々に一平は早く帰った。

「お帰り、待っていたのよ」

「えー、ご無沙汰だから?」

「馬鹿!そうじゃなくて、先日の尾行の話しよ」

「松本。。。」と言い出して美優には内緒だった。

「あの二人ね、京都の人でね、愛犬家でね、書道の先生か何か?習字の関係ね」

一平がいきなり、美優にキスをした。

「よくやった、流石美優探偵」

「そう?」

「それだけ判れば、絞れる」

そう言いながら抱き上げて、風呂場に行くのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ