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シェリーは何処?

     1-15

丸山が土曜日に浜松に出掛けると、そしてホテルも予約していると情報が入った。

真柴はプロの連中に連絡していた。

丸山は新幹線の中で連中に拉致されたのだった。

浜松のホテルで丸山の名前でチェックインをして、来訪者を待っていた。

丸山の携帯は連絡不能に成っていた。

携帯に連絡出来なかったが、、真理子は約束のホテルに来て、部屋に居る事をフロントで確認した。

話しが話しなので、部屋の方が安心かな?でも二人きりに成るのは怖いから、ロビーで待つ事にして、フロントにお客様がロビーでお待ちですと伝えてくれる様に頼んだ。

暫くして「丸山さんと待ち合わせの方ですか?」と男が小声で囁いた。

「はい」

「尾行されている様なので、外で会いましょうと」

「そうなのですか?」と周りを見渡して、怖かったのだ。

「私が送りますので」

「はい」

真理子は男に付いてホテルを出ると黒のワンボックスカーが待っていて、中がまるで見えないシートが貼られていた。

「これに、乗って」と扉を開けると同時に引きずり込まれた。

「あー」中には二人の男が、車は直ぐに走り出した。

暫くして浜名湖の辺に止まった。

「今から聞く事に正確に答えたら解放する、言わなければ殺す」

怯えながら「は、はい」と真理子は答えた。

「おい、コーヒーでも飲ましてあげなさい」

「はい」

紙コップに入れたコーヒーを差し出したが、真理子は飲まなかった。

「何か毒でも入っていると?」

もう一人がコップに入れて飲み出した。

真理子も安心した様に飲んだ。

「上田の奥様の犬を誘拐したのは、お前か」

暫くして「はい」

「何処に?隠した」

「あの?丸山さんは?」

「無事だ、丸山と共謀して誘拐したのは知っている、理由は?」

咄嗟に「南田さんの復讐です」と答えてしまった。

「あの、ペットショップの男か」

「はい」

真理子は喉が渇いてコーヒーを一気に飲み干した。

「奥様の犬は?」

「ペットショップ熱海」

そう言うと真理子は大きく欠伸をした。

「眠く成って来たか?」

「薬?」

「コップに入っていたのだよ、おやすみ」

真理子は持ち物、衣服を脱がされ全裸にされた。

「丸山はもうすぐ着くか?」

辺りが暗くなって丸山も全裸にされて「抱き合って」眠りな。

乗用車のリクライニングシートを倒しで抱き合わせて、練炭を車に置いて林に停車したのだった。

翌日ワールドペット熱海店に殺し屋達が行ったが、丁度佐山と一平が公平に会いに来ていて、殺し屋達は即消えたのだった。

「小泉欄は何処に消えたのでしょうね?」

「殺されたとは思えんが」

「公平に犬の世話だけさせているけれど、あの男も真面目な男だな、連絡のない恋人の犬の世話をするなんてね」

その時携帯が鳴って、浜松の林で若い女と男の自殺体が発見されたと連絡が入った。

「本田百合は後だ」

「欄でしょうかね?」

「男は?」

「急ごう」

「公平に監視を付けよう」

「何故?」

「南田、小泉、柳田が殺されたなら、三人と最後に会っている泉田公平は狙われる」

直ぐに熱海の警察に連絡がされて公平に監視が付いた。


「あそこのペットショップの方ですか?」

殺し屋がワールドペット熱海から出て来たバイトに尋ねた。

「はい」

「変な事を聞きますが、店員が個人的に犬を飼っていませんか?」

「はい、飼っていますよ、小さい犬を大事そうに世話していますよ」

「ありがとう」

バイトと別れた殺し屋達は「間違い無い、犬はあそこだ」と確信したが

「警察が居ますね」

「様子を見なければ」

「真柴さんに連絡はします」

何故、警察が?南田の死体が上がったからだな、困ったなと思った。


持ち物も何も無かったが丸山には前科が有ったから、直ぐに身元が判ったのだった。

「女は誰ですかね?」

「小泉欄では無い」

「この二人が恋人には見えないですね」

「そうだな、無理矢理睡眠薬を飲まされて、二酸化炭素中毒死ですよね」

「プロの殺し屋だな、この二人は関係無い者同士でしょうね」

夕方になって、「女は妊娠していました」

「誰の子供かが決め手になるかもですね」

「ワールドペットの店長が二人も殺されるのは?」

「全員、ペット関係者ですね、この女性も?」と考え込んだのだった。

翌日佐山が叫んで「一平、思い出した、練炭で亡くなった女、坂田獣医の受付の三原真理子だ」

「坂田と不倫の?」

「顔がよく判らなかったが、間違い無い」

「坂田獣医に行こう、本田百合にも会おう」と行こうとした時「お腹の子供は丸山の子供でした」と報告が有った。

「えー、どうなっている?」

「真理子と坂田獣医は不倫関係」

「丸山と真理子は子供迄作る関係」

「会うのは中止で三人の行動を捜査しよう」

刑事が五班に別れて、調査を開始した。

「佐山さん、理解不能の事件ですね」

「坂田が丸山と真理子の関係を知って二人を殺していたら簡単なのだが、無理だろう、反対に殺される」

「ですよね、丸山の方が相当悪ですからね」

丸山と真理子が会ったのが殆ど捜査では発見出来なかった。

南田の後輩が丸山だと云う事と坂田獣医は、新人の助手加藤美代に色々教えていたから、アリバイは完璧だった。

「坂田に連絡して来て貰いますか?」

「真理子の家族にはもう連絡しました」

夕方坂田獣医に連絡をしたら、もう声に成らない驚き様で、警察に向かうと言った。

夜の診察時間の終了後に「三原さんが亡くなったらしい、警察に行く」

「えー、柳田さんの次に三原さんも?」

良子は驚き「一緒に行きましょうか?」

「いや、私一人で」と言って車で出掛けた。

真理子との関係が有ったから、しかし夜の道路は坂田の恐怖心に火を点けていた。

見えない物が見えて、もう錯乱状態に成っていた。

高速で中央分離帯に激突死をしてしまったのだった。

「来ませんね、坂田獣医」

「もう随分時間が経過している?」

佐山と一平に事故が判ったのは午前〇時を過ぎていた。

公子は「私のシェリーの居場所は判っているのでしょう」

「はい」

「貰いに行くわよ」

「でも警察が?」

「何故よ、私が被害者じゃないの、盗まれた可愛い子を取り戻しに行って、何がいけないのよ」

「はあ、ごもっともですな」真柴も公子の勢いに負けたのだった。

考えて見れば飼い主が行けば直ぐ判るからその方が良いか、翌日新幹線で習字の弟子で南頼子と二人で向かったのだった。

熱海駅からワールドペット熱海店に電話を南が掛けた。

「そちらに預けている、犬を今から受け取りに行きますから、準備お願いします」

「はい」とは答えたが、預かっている犬はいない?

「どの犬か、売れたのか?」

「知りません?」

「あれじゃ?」と公平の犬を指さした。

「そうだ、公平君の世話している犬の飼い主が帰ってきたのだ」

「泉田もうすぐ来る時間だな」

「それでも、携帯で教えてやろう、喜ぶぞ」

「ほんとうだ、長い間世話していたからね」

公平に「マメの飼い主がもうすぐ、マメを引き取りに来ると、今、電話が有ったよ」

「えー、小泉さんが?」

公平は喜びながら自転車のペダルを踏むのだった。

公平には常に刑事が交代で居て、今日の担当は婦警の堤美登里だった。

狙われているのかな?堤も三日に一度の当番に成っていたから、仕方なく着いていた。

フリーターの青年を狙う人っているのかな?

公平が到着する少し前に上田公子は店に来て「早く、私の可愛いシェリーちゃんを」

「もうすぐ世話している者が参りますのでお待ちを」

「自分の可愛いシェリーちゃんを京都から迎えに来たのよ」と息巻いている。

「何か変ね?」

「おかしい?」

『仕方ない、連れて来い』

言われて店員がマメを抱っこして持って来た。

待ちかねた公子が「おおー可愛いシェリー」と言って抱いている店員に近づいて、マメを見て力が抜けて南に寄りかかった。


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