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 1-11

「奥様を怖がらせた女は、顔を潰しておきました、それと一緒に来ていた男はペットショップの男でした」

「それで、あの子犬を用意したのね」

「全く別の場所に死体を捨てましたから、事件に関連は生まれませんよ、御安心を」

「ありがとう、これから安心して眠れるわ」公子は喜んだのだった。

南田は気絶させられて車で札幌まで運ばれて睡眠薬を飲まされて、支笏湖に捨てられた.

身体にブロックの重しを着けられて沈められた。

公平は欄から連絡は無くなって、マメをペットショップに引き取ったのだった。

それは五月蠅い、南田が行方不明に成ったからだった。

美優が見た日の北海道の当日の夕刊には、小泉欄さんと思われる死体が釧路湿原で焼死体にて発見されたと書かれていた。

それは間島も欄も公子も友和も読んでいた。

四人は慌てて北海道から消えたのだった。


坂田獣医病院から柳田塔子の家に連絡が有ったのは、事件から二週間後だった。

坂田も南田と塔子は旅行に行くと聞いていたので気にしていなかったが、流石に二週間連絡が無いのに自宅の九州の佐賀に連絡をしたのだ。

しかし母親からは何も聞いていませんし連絡も有りませんと云われた。

南田は元々一人暮らしだから、誰も尋ねる人は居なかったが、三原真理子が坂田に一度自宅を見てきてと、云われてマンションに来ていた。

丁度同じ時に公平も来ていた。

「貴方はどなた?」

「奥様ですか?」

「違うわよ、貴方見たこと有るわね」

「そうですか?」

「あっ、雑種の犬を三ヶ月も預けた人だ」

「ああ、坂田さんの受付の方でしたね」

「何故?貴方がここに?」

「内の店の店長なのですが?個人向けの手紙が貯まって」

「じゃあ、店にも連絡が?」

「はい」

公平は以前熱海の海岸での三人の会話は聞いて無いから判らないのだった。

でも三人とも居なくなってしまったのは事実だった。


大城屋の母民子に相談に行って「欄さんが何かトラブルに巻き込まれているらしい、どうしよう?」と言った。

「昔ね、もう無くなったけれど(旅館玉田)って所で事件があってね、それを解決した刑事さんがいるのだよ、その人に相談してみたら?」

「お母さん知っているのかい?」

「その旅館に仲居で勤めて居た人知っているから、聞いて貰ってあげるよ、同級生だと言っていたから、松本清美さん、母さん電話してあげるよ」

「ありがとう、明日休みだから静岡まで行ってくるよ」

店長は嫌な奴だから、良いのだけれど、欄と連絡が出来ないのが不安だったのだ。

その頃一平は美優との新婚旅行から帰って現場復帰をして少し経過していた。

「お前、窶れたな」

「目に隈が出来ている」とかみんなに冷やかされていた。

北海道の事件は暗唱に乗り上げていた。

初めは熱海の小泉欄の死体と云う事で、静岡県警の出番だと思われていたが、

DNA検査で別人に成ってしまって、捜査からは遠ざかっていた。

美優の見た男性の死体らしき物も、只の間違いで落ち着いていた。


「次郎ちゃん、私よ、清美」佐山に馴れ馴れしく電話してきた松本清美だった。

「どうしたのだ?」

「私の友達の息子の泉田公平君が今日そちらに相談事が有って行くから、話し聞いてあげて欲しいのよ」

「ここは捜査課だよ、人生相談は駄目だよ」

「私は何も聞いて無いけれど、何か人探しみたいよ」

「人探しは此処じゃないよ、熱海の警察に行けば」

「そんな事言わないの、次郎ちゃん融通してよ、お願い」

「仕方が無いなあ」で電話が切れた。

午後に成って公平が訪ねて来た。

「おい新婚ボケ、一緒に聞いて熱海の捜索願の部署紹介してくれ、同級生に頼まれて仕方なく会うのだよ」

「はいはい、美優に佐山に虐められたと伝えます、今年は蟹の招待は無いでしょうな」

「それは困る、あれは旨い、」

冗談を言いながら二人は泉田公平に会った。

「何処の誰が居なくなったの?」一平が軽い聞き方をする。

「実は、結婚迄考えて居る女の子が連絡付かなくなって、困っているのです」

「そりゃ、可愛そうにね、結婚迄考えて居たら心配だよな」

「はい」

「いつから、いないの?」

「三ヶ月の約束で飼っていた犬も預かっていまして」

「一度も連絡が無かったのか?」

「「いいえ、少し前に一度熱海に帰って来ましたよ、三週間前の金曜日」

「結婚式の少し前だな」

「関係無いだろう一平」

「それで、その結婚迄考えて居た女性の名前、身長とか特徴写真は有るの?」

「はい」と二枚の写真をポケットから出した。

「この子なのです」

「まあまあ、可愛いじゃない」

「これは、派手な感じだな?コンパニオン?」

「これ同じ人?」

「はい、その派手な感じが少し前でこちらが最近です」

「女は化け物だな、これは清楚だからな」

「ところで、名前と住所は?」

「名前は小泉欄さんです住。。。。」

「えー」一平が話しを遮った。

今まで捜索願を熱海の警察に送るつもりで聞いていたから「今、小泉欄と言いましたよね」と聞き直した。

「はい」

「佐山さん、これは何でしょう?」

「捜索願じゃない、事件だ」急に二人の目が本気顔に変わった。

「資料もってこい」

「はい」

一平が釧路湿原殺人事件の資料を持って来た。

「この定期券見て下さい、欄さんのですか?」

「はい、間違い無いです」

「他に何か変わった事は?」

「僕はペットショップに勤務しているのですが、そこの店長が居なくなっています」

「名前は南田邦夫さんで、欄さんが帰ってから直ぐに居なくなりました、旅行に行くと言って」

「その時欄さんと、貴方と、他には誰か居ましたか?」

「はい、坂田獣医病院の柳田塔子さんです」

「その女性は?」

「判りません」

「一平電話で確かめろ」

「はい」一平が出て行くと「四人でどんな話しをしたのですか?」

「僕は見張り役で車の外に居たので判りません、北海道がどうとか、話していました」

一平が帰ってきて「行方不明だそうです」

「一平釧路の事件は静岡の事件の可能性が出て来たな」

「はい」

「泉田さんまたお聞きするかも知れませんので携帯の番号を書いて下さい」

「それでは、欄の事お願いします」と公平は帰って行った。

「あの死体の女性は柳田塔子の可能性が高い、家宅捜査だ」

「じゃあ、美優が見た男性は南田邦夫の可能性ですね」

「そうだ」

「判らないのは、顔を焼かれたのと、定期券だな」

「それと、小泉欄の行方ですね」

「南田は死んでいるのでしょうか?」

「多分殺されているだろうな」

「殺し方がプロですよね」

「中々、殺しても顔は焼かないよ、余程恨みか、顔を見られたくないか?」

「どちらです?」

「前者の恨みだろうな」

「しかし、釧路、熱海まったく繋がりませんね」

翌日柳田塔子のマンションに二人を始めとして捜査員が行ったが、会ったのは南田と関係が有った事とDNA鑑定のヘアーブラシを持ち帰った位だった。

数時間後一致しました!死体は柳田塔子です。

「明日、坂田獣医に行こう」

「南田のマンションも家宅捜査だ」

翌日の新聞に大きく釧路の被害者が柳田塔子職業トリマーと発表された。

その記事で驚いたのは公子だった。

確かコンパニオンだと聞いていたのに違うの?

でもあれから変な事は起こっていない。

南田邦夫の公開捜査も同時に行われた。

「しかし、まったく判らないな」佐山が言う。

「この柳田が顔を焼かれて殺される理由と、手口がプロだと云う事、何故?」

何処に接点があるのだ。

「一平、これは小泉欄を探さないと解決しない」

「見つからなければ公開するか」

「動物?犬?が関係有るのでしょうか?」二人の推理が広がるのだった。







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