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始めての異世界転移


 久しぶりの投稿です。

いつもながら地味~な所にスポットを当てたくなるのは使用でしょうか。

 今回は本書を手にとっていただき誠にありがとうございます。

 本書では皆様が不意の異世界転移の時に慌てずに済むように、異世界での注意点、見落としがちな危険、それらを上回る魅力をお伝え出来ればと思っております。


 一生一度の事です。立ち読みで済ますのではなく、是非とも本書を手にカウンターに向かいましょう。




 さてさて皆様無事お家にたどり着けましたか? まさかまだ本屋にいるなんて事はないですよね?

 貴方が本書をレジに持っていくかどうかで筆者の印税が。 これは関係ない話でしたね。





 じゃじゃじゃ、準備も整ったようですのでモルモ…… 失礼。本書の主人公の説明にまいりましょう。

 主人公は皆様と同じ現代日本人。

 地方の企業城下町に生まれ育ち、通学が容易だと言う理由で担任から薦められるがままに平凡な高校に入学した高校三年生。

 陸上部としてほどほどの汗を流してはきた物の、大会でどうにかなるレベルでも無し学友と楽しい高校生活を過ごし、世界に名だたる地元企業の子会社に入社するはずでした。

 文武は至って平凡で毎晩小説投稿サイトを読みふけっては異世界転移を心の何処かで待っている若干の中二を患った盆百の少年です。


「うおっなんったすけ」


 さてさて転生の時です。

 主人公は今回は我々が用意した通称『ミミズの穴』に、飲み込まれてしまいましたね。



 正式名は『F・negrdon』とと言うのですが、異世界転移からの衝撃かた肉体を護る為に充填された生臭い粘液、利用者を目的地に送り届ける蠕動ぜんどう運動、鳴き声にも似た稼働音と、生理的肉体的に苦痛を効率よく与える事からついた別称ですが、なんせ安いのですよ。



 まあまあお金の話は置いておきましょうか。主人公の行き先は惑星の大きさ、大気成分も地球とほぼ同じ場所を設定しておきました。酸素がなければ本書が成り立たなくなってしまいますからね。


 皆様の中で空気中の酸素0%の世界や50気圧の惑星に異世界転移してしまう事もあるでしょう。そんな時にも決して諦めず、来世に希望を繋げましょう。


「ゴボっ息がっ」


 第1章は『生き抜く』です。

 丁度よく主人公君が気絶した様ですので、サバイバルの知識を与えておきましょう。

 実は彼の前にもモル…… 失礼。前任者がいたのですが、誰も彼も異世界を舐めてる方ばかりで。


 いわゆるチート主人公にしてしまっては本書の目的とはほど遠くなってしまうので、サバイバルに関するテレビを観た、本を読んだ事がある程度に知識を植え込んでおきましょう。



 無限に続くかと思われたミミズの穴もついに終点。ここから異世界人生がスタートです。


「ぬおおおおおおおお」

 っと空中に出てしまいましたか。それに落下する前に意識を取り戻したみたいですね。折角の異世界転移の瞬間は見逃せません。


 それほど高くなかったのと木々の枝がクッションになったおかげか、大地と濃厚キッスする事無く着地いたしました。



 ではではここでワンポイント・アドバイスです。


 ☆転生時には要注意


 岩の中などは質量が大きいため特殊な転生装置でないと不可能ですが、大海原や3000m級の山々の山頂などなど。基本はランダム転位ですので様々な環境に飛ばされてしまいます。


 刑務所の中に飛ばされれば『異世界プリズン』とか銘打てるのですが、脱獄から始まる異世界生活…… ふむ。ご要望によっては別タイトルとして出版もありえますね。



「痛つつ、体中べとべ…… ここはまさかワンチャン異世界? ぬほっきたこれ」


 おっとまさかの即時理解。やはり某サイト利用者から引っ張ってくると話が早いですね。

 主人公君も自分が持っている物を確認し始めたので持ち物の説明をいたしましょうか。


「持ち物は携帯財布に。教科書いらね。いや紙が貴重かも。」


 私服高校でしたので着ている物は登山を想定していない街着のマウンテンパーカー(w)にカジュアルシャツと中のTシャツ。ダメージジーンズにアーミーブーツ。すべてミミズの穴製の粘液でベトベトです。


 興味もないでしょうから詳しい描写はカットしますが、冬物に近い秋冬物ですね。

 ここでもワンポイント・アドバイスをあげるとしたら。


 ☆短パン、サンダルで異世界転移はやめましょう。


 でしょうか。

 テンション高く中身を確認していましたが、ついにはカバンを逆さにして中身をぶちまけ出しました。


 帆布製の肩掛けカバンと手持ちの荷物。

 高校教科書

 筆記具一式

 タオル

 財布(紙幣と硬化がほどほど)

 携帯電話

 飲みかけのお茶(500ml)


「これどっち進むべきかな? 川沿いに町がとか定番だし、とりあえず動かないと始まらないな」


 ペットボトルのお茶を買ったのは幸運でしたが、体育か陸上部を引退していなければ替えの服を持ち込めたでしょうから良し悪しといった所でしょうか。


 さてさて主人公君の降りたった場所は深い深い森の中。木々や藪が生い茂り周りを見渡せるほど視界が良くはありません。


 ワンポイント・アドバイス


 ☆異世界転移したらその場でまずは立ち止まりましょう。


 これは救助をまつわけではなく、気持ちを落ち着かせる為です。

 怪我をしていないか、していればどの程度の怪我か。

 極度の興奮、緊張状態だと骨折の痛みさえ気づかないことがままあります。

 そして大事なのは今から何をすべきか、優先順位はどうかをしっかり整理してから行動を始める事です。

 立ち止まり状況把握している間に魔物に襲われる可能性より、指針が決まらないまま動き出して事故にあう可能性の方が遙かに高いのでこのポイントは覚えておきましょう。


 ではではここから私はワンポイント・アドバイスと説明以外は控えますので皆様は主人公君の行動を是非見守ってて下さい。





 待ち望んだ異世界転移だと歩き始めたはいいが、歩いても歩いても森を抜けれない。

 異世界転移で上がったはずのテンションはお約束の街道どころか草原も現れず歩き始めて1時間でダダ下がり、軽かった足取りは両足を交互に動かすだけの作業に成り下がった。


「スキル、ステータス、アイテムボックス。くそっ チート1つないとか神仕事しろや。説明係りの妖精だか天使出てこい」



 早速ですが、ワンポイント・アドバイス

 ☆チートがないから一般人。努力なしに花開く才能はありません。

 ☆一般人の異世界転移に神が関わる事はありません。



 真っ直ぐ歩くよりも斜面を降りていけば川に出る可能性が高いと気づくまでさほどかからなかったが、これもすぐに失敗した。

 斜面を降りた先は小さな盆地で強制的に登るはめに。更には藪が生い茂っていて通れないので迂回を繰り返している内に今登ってるのか下ってるのかもわからなくなり、方向感覚は動き始めて10分で無くなった。


 それもこれも連れてきた奴のせいだ。ステータスアイコンも出ない、魔法の使い方もあるはずのチート能力の使い方も説明しないで森の中に放置じゃ積むに決まってる。


 いらいらしながらも山坂を上り下りし、藪をかき分けている内に手のひらは切り傷だらけ。幸いにも足下はハイカットブーツのお陰で無事だが体中汗だらけの泥だらけ。

 持ってきたジュース? とっくに飲み干した。

 体感だが5時間も6時間も山登りして水分が500mlのペットボトル1本じゃ間違いなく足りてない。


 この坂を登ればきっと街が、と期待と失望を繰り返す内に辺りが暗くなってきた。


 やばい、えっと火だ。


 テレビで上下運動を回転運動にするタイプを観た事があるが、確か木の板に穴を開けないといけないはずなので、やるなら棒を巻き込んだ弓を前後に動かすタイプだ。


 幸い蔓はそこら中にあるので適当に引っこ抜き、指の太さの枝を折って弓にする。

 枝を折るときにまたもや手を切ったが悠長にしている時間はない。

 目に見えて周りが暗くなってきている。


「摩擦させる棒はある。次は…… 木の板か」


 剣術・槍術スキルがあるか確認する為に拾い、すぐに歩行棒に成り下がった木の棒を折って代用した。しかし木の板をどうやって用意するのかがわからない。


 倒木は幾らでもあるが板状に加工する道具はないし、ある程度は水平な板でないと摩擦熱が生まれる前に棒が移動してしまうのは焦っていても想像できる。


 薄暗くから深い闇になるまで10分ほど。なんとか木の板を見つけようと携帯電話のライトで照らしながら探したがいくら探しても見つからない。


「なんでこうなるんだよ。異世界きたら成功するはずだろ」


 小声で愚痴りながらも、手探りで木によじ登る。暗くなり始めてから急に周囲が騒がしくなってきたのだ。

 虫の鳴き声、葉音、頻繁に木が倒れる音、人間の悲鳴に似た鳴き声。昼間には聞こえなかったはずの音がそこら中から聞こえるのでライトもつけられない。

 昼間は考えないようにしていたが、ここが想像しているような異世界だとしたら狼などの肉食獣やゴブリンなどの亜人がいつ襲ってきてもおかしくないのだ。


(腹減った……)


 持ったままだった蔓を体と木の幹に巻いたものの安穏と眠れるはずもなく徹夜を覚悟したが、一日中の山歩きに興奮と恐怖で神経が限界を向かえ気絶するように意識が飛んだ。



 ワンポイント・アドバイス

 ☆日中しか出来ない事は日中に済ませておきましょう。


 小説やマンガのような空想と違って現実ですからチートもありませんし、現状状況を説明してくれるサポートキャラなんているはずもありません。

 皆様の現実にサポートキャラはいますか? いませんよね。それが現実ですしそれが普通です。


 実は主人公君は偶然にも人がいる村から20キロ近くの森に落ちました。数字を見ると近そうですが、20キロと言うと地平線4つ分強。さらに木々と幾つもの山々が視界を遮り発見する事すら出来ませんでした。


 異世界と言われて皆様がよく想像するような『人の支配の及ばない地域が多数を占める世界』を今回の舞台に選びましたが、人の活動エリアが少ないと言うことはたどり着くまでに時間が掛かると言うことです。特に地理も知らない内は困難その1と言えるでしょう。



 さてさて転移2日目は、水と食糧、火の確保です。


 主人公君の初日は無意味にうろつくだけで、地球から唯一持ち込めた貴重なストック(脂肪、栄養素、水分)を消費しただけした。

 ちなみに水分3日食糧1週間が生存限界と言われていますが、恐怖と緊張で利尿は激しくなり、糖分も余分に消費されています。

 2日目で水分を得れなければ身動き出来無くなり、食糧を得れなければ心が折れて早速のゲームオーバーとなるでしょう。


 現地の知識が無い以上、ここから大事なのは幸運と蛮勇。無謀に思える一歩を踏み出せる勇気があるかどうか。


 ではでは2日目スタートです。




 日の光で意識が戻ると目の前には一抱えもある幹があった。


「結局寝ちゃったのか」


 状況を理解し、生き延びた事を確認すると盛大に腹が鳴る。

 昨日丸一日何も食べてないので当然。今日中に何とか水と食糧を見つけないと明日動ける自信がないや。


 木から降りて体を確認すると、そこら中を虫に刺され起きなかったのが不思議なほど赤いボタンが出来てしまった。


「意識すると途端に痒くなるな。とりあえず人と同じ大きさのアリとかじゃなくて良かったと思おう」


 変な体勢で寝たので疲れは取れていないし、筋肉痛は始まっている。二日目にして早速満身創痍って感じだか一周回ってしまったのか思考がクリアになった気がする。


 まず考えないといけないのは水。水場があれば食料獲得の可能性もあがるはず。

 体が痛いとか虫刺されは現状どうにも出来ないので無視だ無視。虫だけに。


 さて。昨日は歩く事しか考えられずにいたが、たった今降りた木に再度登り直す。

 枝の張りが良い常葉樹だ。木の種類なんて桜や銀杏程度しかわからないが、今現在肉厚で緑の葉が生い茂ってるから常葉樹。


「と、葉っぱ観察するために登った訳じゃないんだよ。川は……」


 乗って大丈夫そうなギリギリまで上に登って周囲を観察すると、残念ながら一面の森。

 見渡せる正面は盆地になっていて、その先は現在地と同じぐらいの山? 丘になりその先は見えない。


「あそこ線になってるけど何かあるのかな?」


 諦めきれずによく見ると、正面の盆地から左右に沿って木の幹が見える箇所があるのだ。

 周囲で見えるのはほぼ緑に覆われた中で茶色い幹が見えるって事は、その手前に木が生えてないスペースが左右に一定距離に空いているって事。

 その意味を考える。空いたスペースにあるはずなのは木の生えない岩場か崖、もしくは……


「川がある!!」


 確定した訳ではないが細く伸びた岩場って考えにくいし、崖だとしてもその底に水が流れている可能性は高いはず。


 入念に方角を確認してから降りようと後ろを向いた時、見てはいけないものを見てしまった。


(嘘だろ……)


 枝から盛大に茂った葉っぱ、その遠く先から人が見えたのだ。


 周囲の木から頭一つ高い背丈のまごうことなき巨人。

 視線を外せないでいると一つ目の巨人は近くの枝に手を突っ込み、猿だろうか動物を摘みあげると大きく口を開け摘んだ猿を咀嚼し始めた。

 そして満面の笑みで次の獲物を探し始める。



 ようやく動き出した頭で震える足を誤魔化し地上に降りると一気に走り出す。


(川とは逆方向だし、距離もかなりあったから見つかってないはず。てかサイクロプスなんて序盤で出る敵じゃねえだろ)


 昨日から倒木をよく見かけたが、恐らくアイツの仕業だろう。


 1時間は黙々と移動を続け、恐怖が薄れてくると本当に異世界に来た興奮が膨れてきた。一つ目巨人サイクロプスは見た感じ手が極端に長い訳ではなかったので樹上の生き物を狙うのだろう。それに昼行性だとすれば近づく前に隠れるのもたやすい。


 想像していた異世界に来た実感が始めて沸いた。

 昨日の朝登校する前にコンビニでジュースを買い、ついでにトイレを借りて便座に座ったらこの森に落ちた記憶しかない。

 それいこうは森をさまよっただけで「本当はマレーシアのジャングルでした」と言われても納得するほど何もなかったが、今後は対モンスターを考えないと。

 いるであろうゴブリン・オークやヴァイパー・ウルフ。補食対象になりうるモンスターに注意しなければ。


 慎重に森を降りながら使えそうな枝を折って槍代わりに見繕い、倒木の周りで木片を拾う。昨日は焦ってたのと暗かったせいで見つけれなかったが、小さいながらも木の板として十分使えそうだ。

 細い枝も少しだけだが集めておく。今の内に集めておけば夜までに乾燥するだろうし、万が一雨が降っても大丈夫。そうやって夜に向けての準備をしながら歩みを進めていると嬉しい誤算があった。


 昨晩、火をつけるのを断念して捨ててきてしまったので取りやすそうな蔓を引っ張ると、頭上から実が一緒に落ちてきたのだ。


「なんだっけ? スーパーで見た事あるんだよな、ビワ? アケビだっけ」


 楕円形をしていて中央からぶ厚い皮が一文字に裂け、中には真っ白い果肉と黒い種が顔を出してる。


「日本でよく似た果物があっても毒かどうかの判断なんて俺には出来ないもんな…… よしっ男は度胸」


 果肉を口一杯にほうばって一気に食す!!

 もう我慢の限界だった。食べなきゃ死ぬし、一か八かのロシアンルーレットだ。


 ワンポイント・アドバイス

 ☆パッチテストを活用しよう

 食べる時は皮膚の薄い部分に塗り、15分ほど待って発疹など異常が出ない確かめ、次に舌先に乗せて飲み込まずに異常がないか確かめ、それから食べましょう。

 一日たって異常が出なければ無毒判定を出せます。

 遅延性の致死毒や寄生虫がいた場合は効果がありませんが、同じロシアンルーレットでも弾が出る可能性を減らす事が出来ます。




「甘い。果物ってこんなに美味しかったんだな」


 ほのかな甘みだったのだろうが絶食していた俺の体に糖分が染み渡っていくのがわかる。

 始めてアケビを食べたので地球の物と比較出来ないが、旨かった。そして皮の部分は塩っ辛かった。

 続けざまに2つ食べて、腹が満たされたので1つは非常食としてとっておくこと。これで毒でなかったら今後の食料はなんとかなりそうだ。


 一つ目巨人の足音が無いか確認しつつ、何度も木に上り目標を確認してただ進む。

 我ながら現金だが胃に何か入っているだけですべてが上手くいく気がするし、実際その日の内に川を発見出来てしまった。



「水! 生き抜いたんだ!!」


 川幅10mほどの川にそのまま飛び込み、水を飲む。ちょっとむせたがかわまず飲み続ける。

 冷たい川水が喉を通る快感は始めての感覚だった。


 飲み終えて川からあがると後悔した。着の身着のままで飛び込んだせいで寒い。しかもせっかく持ってきた燃料の枝もずぶ濡れ、反省。


 ワンポイント・アドバイス

 ☆川辺が安全なのは地球でも極わずかで、肉食の魚や水性生物がいるのが当たり前。日本人には意識しにくいでしょうが日本が異常なのを覚えておきましょう。


 さあさあ飲食をなんとか確保した主人公君ですが、ここでタネ明かししておきましょうか。

 実は異世界転移した人の中で2日目まで生き残ることは稀です。

 主人公君が簡単に死んでもらっては企画がなりたたないので、『ミミズの穴』の粘液には現地のコケから取れる魔物避けの成分を混ぜておきました。

 次にこの川に本来いるはずの魔物も駆除しておきました。

 最後に陸上の魔物は貴重な飲み水となっている川の近くでは狩りをしないので、ここに居る限りは主人公君の安全は確保されております。


 ではでは魔物避けの成分はたった今洗い流してしまいましたし、魔物以外の有害生物や毒で死ぬ可能性は依然ありますがね。


 ではでは濡れた荷物や体を乾かすために火をつけようと四苦八苦の主人公君をみてみましょう。




「切り込みは…… 無くても火種つくる事はできるし、燃料は集めた。よし準備完了」


 寒さに耐えられず上半身裸での作業は羞恥心より解放感が上回った。寒いけど。

 アウトドア雑誌からの知識だが、興味があったのでちゃんと読んだし記憶している。


 まずは川辺から少し上がった所にコの字に大きめの石を積む。空いた部分が風下にならないようにだ。

 そして中央に木の皮など燃えやすい素材。今回はノートを破いて準備。

 ピラミッド型によく乾いた小枝を厳選して設置、その上に風が入る隙間を残して枝を置く。


 これでとりあえずの準備は完了。後は摩擦で火が興せるか。



 シュッシュッシュッシュカコッ

 シュシュシュッシュシュッシュ 手が痛い……

 シュッシュッシュシュシュシュシュシュ いけっダメか


 ~~悪戦苦闘する事2時間~~


「ふぉおおお火だ!」


 何度も諦めかけたが、着火が成功した時には暗くなっていた。しかしここからが焚き火の本番だ。

 焚き火を潰さないように一番太い木を投入。こいつが安定して燃えてくれればいいのだが、太ければそれだけ水分を含んでいるし表面積が少ないのでガワだけ燃えて終了ってのがよくあるパターンらしい。


 まずコの字に積んだ石に今後使う燃料を立て掛け、水分を抜いていく。まぁこれは立て掛けて置けばしばらく放置しておいても大丈夫。


 記憶に残っている知識をフル稼働だ。焚き火に乗せた一番太い木が燃え始めても安心せずに、小枝を燃やした火で枝を燃やし、その火を太い木に当て続ける。


「というか煙がすごいな、完全に乾いてないのと木の材質がダメなんだろうな」


 近くにある枝を片っ端から集めたが、断面に爪を立てると爪痕が残ってしまうので熾き火には向かない木材なんだろうな。贅沢は言えないのでこのまま続行。


 暫く続けていると、火に当たっている木と石に立て掛けておいた木材からシューシューと水蒸気が立ち上る。これは煙ではなく水分が抜けてる証拠なので、大成功だ。

 たまにひっくり返しながら完全に乾かしていく。今日の焚き火の目的は石に立て掛けた木材を燃料として使える状態まで持っていければそれでいい。


 何とか熾き火と言える状態まで持っていき木材の水分も抜けた時には夜も更け、いつの間にか服も乾いていたので今日は寝る事に。


「今更だけど、生水飲んじまったな」





 さあさあ。二日目が終了しましたね。


 品がないのでカットしましたが、実は水があわなかったか軽く下痢しています。

 体質からか、身動きとれないほどまでにはなりませんでしたが。透き通った綺麗な水でも微生物や魚の糞が混じってますので煮沸をお勧めします。

 と言っても鍋釜担いで異世界転位は難しいですし、毎日の飲み水をすべて煮沸しようとすると燃料が足りないでしょうから結局は胃腸が勝てるかどうかの一発勝負しか選択肢がないわけですが。


 ではでは次回は人を捜して移動するか留まって食糧を確保するかの決断です。






 さてさて、かなり時間をかけて用意をしていた物の、先日テレビでもろかぶりのネタを見てしまいました……

 まぁ番組を観た方は「これか~」と思ってくだしい。


 地味な分清書にかなり時間を喰ってますが、ぽつぽつと投稿できたらと思いますのでよろしくお願いします。

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