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5.除夜の鐘殺人事件

顔がいかつい大曲は、親が金持ちで、賃貸の家賃は親が払っている。

大曲は、蘭子先輩と俺を呼んで、クリスマスパーティをしていた。


 

 ========== フィクションです ===========

 === 主な登場人物 ===

 眩目くらめ真吉・・・警視庁捜査一課刑事。巡査。

 大曲尚人・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。

 開光かいこう蘭子・・・警視庁捜査一課課長、警部補。

 志摩敏夫・・・警視庁管理官。



 =================================


 午後1時。捜査一課。「除夜の鐘殺人事件」本部。

 昼食の後、捜査員が帰って来て、捜査会議が始まった。


 俺は回想していた。

 2023年。クリスマス。大曲のマンション。

 顔がいかつい大曲は、親が金持ちで、賃貸の家賃は親が払っている。

 大曲は、蘭子先輩と俺を呼んで、クリスマスパーティをしていた。

 丁度事件が解決、捜査本部が解散したので、『打ち上げ』と称してパーティしていたのだ。

 そして、「お前にクリスマスプレゼントをやろう。」と言って、蘭子先輩の頭にリボンを付け、俺に差し向けた。

「蘭子でーす。大事に扱ってね。」と、蘭子先輩も乗った『振り』をした。

 金の力なのか、大曲先輩は酒癖も女癖も悪かった。

 突然、いびきが聞こえ、大曲先輩はソファーに寝入った。

 後で聞いた話だが、ワインに『入眠剤』が入っていた。入れたのは蘭子先輩だ。

 蘭子先輩は、『酔った振り』をして、風呂場に連れて行った俺にキスした。

 キスだけでは済まなかった。俺は、『初めて』では無くなった。

 風呂場と、ベッドで『ふんだんに』『現場検証』をされた俺は、最後にこう言われた。

「責任は取る。だから、一生ついてこい。」

 俺は頷くしかなかった。

 蘭子は、がんで入院した課長の代わりに課長代理になった。試験をパスして警部補になった蘭子を課長と管理官が指名したのだ。

 その後、難事件を解決した蘭子は課長に昇進した。

 先日、蘭子は婚姻届を役所に出した。

 今まで『通称氏名』だったが、『旧姓氏名』だった。俺達は2人とも珍しい名字だ。俺はどちらでも良かったが、蘭子は拘った。

 どちらの名字も捨てがたかったのだが、先日法律が変り、戸籍に旧姓欄が出来た。

 蘭子の警察手帳は、『新姓』ではなく『旧姓』で表記されている。

 以前なら眩目蘭子になった筈だが、開光蘭子のままだ。


 コンと、頭を叩かれた。蘭子、いや、課長だ。

「今夜の体位を考えるのはまだ早い。」

 失笑が広まった。

 皆、今は夫婦だと分かっている。

 公務員は、大抵職場恋愛結婚すると、異動するのが通常だ。

 これには、デメリットの方が多い。

『公序良俗』みたいなたいそうなことを言う人がいるが、ホントは『世間体』だ。

 だから、蘭子も俺も異動なし。

 大曲先輩は、蘭子の希望で残った。

「優秀な部下ですので。」ホントは、パワハラし続けたいのだろう。

 蘭子は、公然と『元カレ』と大曲先輩を呼ぶ。

 知らない人が聞けば、名字かと思う。


「聞き込みで、『除夜の五月蠅い』運動のリーダーがガイシャだと分かったんだから、被疑者は見当が付くよな?眩目、元カレ。今夜、お通夜に行って、引っ張ってこい。」

 蘭子は簡単に言った。

 実は、簡単だった。


 午後7時。清原清美のお通夜会場の葬儀会館。

 会館スタッフの服を着た俺と大曲先輩は、受付けから少し離れて見張っていた。

 読経が始まり、弔問客を監視していた俺達。

 焼香を済ませると、いち早く出た弔問客がいた。

 会館出口付近で、俺達は捕まえた。

 彼は、檀家代表の江藤晃だった。

「お客様、お忘れものですよ。」と、俺は声をかけ、大曲先輩が手錠をかけた。


 午後10時。眩目家。

 俺の家は借地借家だが、蘭子は、このままでいい、と転がりこんだ。

「真吉。あんなに素直にゲロすると拍子抜けだな。管理官も驚いていたよ。ガイシャは敵が多かった。『市民運動』と称して、あちこちケチをつけまくっていた。除夜の鐘は煩悩を払う為のもの。異なる宗教や民族には騒音に聞こえるかも知れないが、地域住民は皆納得ずくで暮しているんだ。けしからんオンナだった。」


 業務連絡はいいが、は〇かで、馬〇りの体制で言われてもなあ。ヘックシ!!


 ―完―




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