49.公職選挙法違反殺人事件
「ガイシャは、〇田区在住で〇田区役所に勤務する太田花子。無産欠勤したので、上司に言われて様子を見に来た同僚の女性職員が発見。110番通報した。
========== フィクションです ===========
=== 主な登場人物 ===
眩目真吉・・・警視庁捜査一課刑事。巡査。
大曲尚人・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。
開光蘭子・・・警視庁捜査一課課長、警部補。
志摩敏夫・・・警視庁管理官。
井関権蔵・・・警視庁鑑識課課長。
秋野治夫・・・警視庁鑑識課課員。
井関智子・・・警視庁鑑識課課員。井関の娘。
辻瑛人・・・捜査一課辻班班長。
蒔俊郎・・・警視庁捜査一課課員。辻班。
新垣舞・・・捜査四課課長。警部補。
神道助六・・・捜査二課課長。警部補。蘭子と同期。
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午後1時。捜査一課横の大会議室。『公職選挙法違反殺人事件』本部。
昼食の後、捜査会議が始まった。
そして、志摩管理官が説明を始めた。
「ガイシャは、〇田区在住で〇田区役所に勤務する太田花子。無産欠勤したので、上司に言われて様子を見に来た同僚の女性職員が発見。110番通報した。腹と背中を殴打されており、脊髄を折られた為の窒息死。口に、「公職選挙法違反をしました」って区役所の専用用紙に印刷された紙を咥えて死んでいた。パット見分からないが、『透かし』の印刷だった。」
「偽造防止の為の技術だから、通常ワープロソフトで印刷するものとは違う筈ですよね?」と大曲先輩は言った。
「今、大曲君が言ったように、通常の書類でもワープロ印刷で透かしを入れることは可能だ。だが、コピーを重ねても、裏も表も同じだ。官公庁のは、原本に当たる用紙自体が違い、コピーすると、例えば住民票を発行して貰った時は、透かしが入っていないが、それをコピーした時は、透かしが入る仕組み。『素人』には真似出来ない。だが、真似の得意な国がある。あの国だ。」
ガイシャが口に咥えていたのは、区役所専用用紙。文面からすると、投票用紙ではない。
「その通りだ、しん・・・眩目。ホシは、何かを訴えている。選挙が不正なら、他の方法もある。」
「選挙の投票用紙って、何かつるつるしているような・・・。」
「あれは、紙ではない。合成紙『ユポ』だ。紙ではなく、フィルムに近いものと思っていい。最近、その製造方法が海外に、あの国に漏れていたらしいという情報がある。公安でもマークしていたのが太田だ。」と、大道が入ってきて言った。
「詰まり、神道。那珂国製の『コポ』の闇輸入に一枚噛んでいる、と。その告発の為に殺した?いや、少し違うな。そうか。仲間割れか。」
「そうなるな。リスト、欲しい?」
「3倍返しを2倍返しにまけてやってもいいぞ。」
「乗った。」
神道課長の提供で、〇田区役所から隣国への情報漏洩をしていたチームが判明した。
午後5時。捜査一課横の大会議室。『公職選挙法違反殺人事件』本部。
取り調べ室から、蘭子、新垣、大道が出てきた。合同取り調べは、効果があった。
蘭子は『いい刑事悪い刑事普通の刑事』って言っていたが、誰がどの役割か判らない。
「主犯は、戸籍課課長王拓人、従犯は、偵あぐる、そして、太田花子だった。太田だけは日本人だ。抜けようとした。区議会議員の補欠選挙の候補者Aは、圧倒的多数で候補者Bに勝った。一部週刊誌に怪しいとは書かれていた。太田は見せしめ、隣国への忖度だった。候補者Aは区役所で水増しし、候補者Bの一部を捨てた。選管は抱き込むだけでなく協力させた。知事に具申したよ。やり直し選挙しないと、貴方も『痛くない腹』探られますよ、って。」
午後7時。眩目家。
ニラレバ炒めとチャーハン作りながら、俺は蘭子に尋ねた。
「神道さんにも義理チョコあげたの?」
「ああ、男だからな。」
「村松は?」
「ああ、男だからな、性別は。」
「そうなんだ。」「損はしない。元は取れる。未開封なら高く売れる。」
「売るの?「ネットオークション。」
「不服か?お前には『ホンちゃん』ご褒美に毎日やってるだろ?ミルク付きで。」
「えと・・・お風呂沸いてるか、見てくるね。」
「ああ、水風呂でもいいぞ。体温、上げればいいから。いひひ。」
お風呂は沸いてた。良かった。
「入るぞー。」
えええええええええええ!!!!!!!
―完―




