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42.電気カーペット殺人事件

「ガイシャ百田直純氏は、自宅で殺害されていた。明らかに絞殺で・・・ですよね、井関さん。」

「明らかに絞殺です。器具等を使わず、握力で締めています。」


 

 ========== フィクションです ===========

 === 主な登場人物 ===

 眩目くらめ真吉・・・警視庁捜査一課刑事。巡査。

 大曲尚人・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。

 開光かいこう蘭子・・・警視庁捜査一課課長、警部補。

 志摩敏夫・・・警視庁管理官。

 井関権蔵・・・警視庁鑑識課課長。

 秋野治夫・・・警視庁鑑識課課員。

 井関智子・・・警視庁鑑識課課員。井関の娘。


 辻瑛人・・・捜査一課辻班班長。

 蒔俊郎・・・警視庁捜査一課課員。辻班。

 村松みちる・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。

 新垣舞・・・捜査四課課長。警部補。


 =================================


 午後1時。捜査一課横の大会議室。『電気カーペット殺人事件』本部。

 昼食の後、捜査会議が始まった。

 そして、志摩管理官が説明を始めた。

「ガイシャ百田直純氏は、自宅で殺害されていた。明らかに絞殺で・・・ですよね、井関さん。」

「明らかに絞殺です。器具等を使わず、握力で締めています。」

「で、発見者は帰国したばかりの遠山信也。百田と遠山は従兄弟同士で、同い年ということもあって、仲が良かった。訪ねてみたら、チャイムに応答がない玄関が開いていたので、入って行って、仏間のガイシャを発見し、110番通報した。辻さん。」

「はい。ご近所の話では、百田氏の留守中、入れ替わり立ち替わり、時間もまちまちで、複数の人間が訪ねています。『留守ですよ』って声をかけたら、睨んで帰って行ったそうです。」

「蘭子、後で回してね。百田は、ヤクのバイニンでマークしていたの。」

「いいよ。チョコパフェな。」

 蘭子は軽く返したが、無論冗談だ。チョコパフェは、蘭子が苦手なスイーツだ。

「遠山は怪しいと言えば怪しいが、アリバイはある。それに怪力ではないようだ。ホシは、『その筋』かも知れない。しかし、現場の遺体のすぐ下に電気カーペットが点いたままだった。メーカーにと言わせたら、24時間以上電源オンなら発熱する欠陥品で、リコール製品指定になっているそうだ。」

「詰まり、24時間以上、電源・・・腐敗トリック?映画みたいだな。」と、大曲が言うと、「確かに、死亡推定時刻が曖昧だ。」と、井関が応えた。

 そこへ、村松が顔を出した。

「蘭子、せんぱぁい、ヒガシって人が面会に来ているんですけどぉ。」

 こいつがジェンダー。確かに『みちる』は男の名前でもあるが。

「ガイシャのお隣さんですね。」と、辻さんが言った。

「じゃ、辻さん、行きましょう。大曲、眩目。お前らはガイシャのPCを探ってみろ。」

「「了解」」


 受付を通る時、俺と大曲先輩は、親子連れが来ていることを確認した。


 午後3時。百田家。PCは百田の書斎に1台きりで、先日のような収納スペースもない。押し入れも怪しく無かった・・・と思ったが、押し入れに『収納スペース』があった。

 エロ本の無修正のだ。DVDもある。

「先輩、ありました。」

「こっちもあったぞ。」

 画面には、エロサイトを運営していた形跡があった。

 そして、従兄弟の遠山とのやり取りも、メールが見つかった。


 大曲先輩は、蘭子に急いで電話をした。

 スピーカーをオンにしてくれていたので、内容が分かった。

「こちらも進展があった。電子ファイルはコピーして、エロ本とかは現物を回収してこい。」


 午後5時。捜査一課横の大会議室。『電気カーペット殺人事件』本部。

 蘭子は言った。「落ちたよ。簡単に言うと、百田が遠山と始めた『アルバイト』を嗅ぎつけられ、消された。ホシは、日樫さんの息子が撮影した訪問客の中にいる。百田家のインターホンは画像が残らない、古いタイプだから、多いにヤクに立つ。」

「1億総カメラマンの時代だからね。」と、井関は感心した。

「百田の所属していた木更津組は、『裏切り者』には容赦しないからね。」

「ばれそうだ、という緊急避難電話に急いで帰国したそうだ。ハワイにバッカンスしていたのを切り上げて。で、殺害直後に訪れ、ホシは窓から逃げたんだろう。窓は、遠山が慌てて締めたから、結果的に逃亡を幇助してしまった。電気カーペットの上での犯行だったが、スイッチを百田が切り忘れたのかも知れない。電気カーペットの上にラグを敷いてあったし。ここから、舞の出番だ。今、手入れに向かった。遠山は、殺人は関与していないが、別の罪を犯している。あ、管理官。情報提供してくれた日樫君には、感謝状をお願いします。」

「了解した。」


 午後7時。眩目家。

 夕飯前なのに、俺はお預けを食らっている。

 目の前には、隠していたエロ本・DVDがずらり。

 無論、無修正ではない。

「真吉。白状しろ。これは、『研究材料』か?」

「はい。」

 蘭子は、本棚を片づけ、俺の隠していたものを陳列した。

「『研究材料』なら堂々と飾ればいい。晩飯の後は、研究の成果を見せて貰おうか。」

「はい・・・喜んで。」


 やっと、夕飯だ。

 昨日の悪夢が正夢になった。


 俺は隷従するしかないのだ。トホホ。


 ―完―








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