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10.『そこまでやらなくとも』殺人事件

「3日前。レイプガイシャ阿知波阿智子が警察署に被害届を出した。そして、昨日殺害された。おい、元カレ。被疑者は?」

「え?有力なのは、レイプ加害者ですよね。」


 

 ========== フィクションです ===========

 === 主な登場人物 ===

 眩目くらめ真吉・・・警視庁捜査一課刑事。巡査。

 大曲尚人・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。

 開光かいこう蘭子・・・警視庁捜査一課課長、警部補。

 志摩敏夫・・・警視庁管理官。

 井関権蔵・・・警視庁鑑識課課長。


 辻・・・捜査一課辻班班長。



 =================================


 午後1時。捜査一課。「レイプ被害者殺人事件」本部。

 昼食の後、捜査員が帰って来て、捜査会議が始まった。


 課長である開光蘭子が、言った。

「3日前。レイプガイシャ阿知波阿智子が警察署に被害届を出した。そして、昨日殺害された。おい、元カレ。被疑者は?」

「え?有力なのは、レイプ加害者ですよね。」

「よろしい。プラス1点だ。」

 大曲先輩のポイントは、どういうポイントか知らないが、マイナス1000点から始まって、これでマイナス998点。遠いなあ。

「加害者と目される人物、即ち、被疑者は持田哲夫、真由田敬三、奥信児。運良く同じ会社員だった。引っ張ってきたから、手分けしよう。いいですね?管理官。」

「じゃあ、会議室3つとも使おう。」


 午後3時半。3人揃って新年会に出ていて、アリバイは出席社員全員が証明した、と辻児から連絡が入った。

 そこへ、『運の良いこと』に、レイプの目撃者が現れた。

 3人の会社員とは別の会社員馬場浩一だった。


 蘭子は、捜査本部内に馬場を案内した。

 実は、3人の供述の、ガイシャが挑発した形跡は無かった。

 供述では、ガイシャが挑発的な衣装を着ていたことになっている。

 だが、馬場が言うには、普通のOLの格好だった。混んでいるので、車内にいた者は目を背けて黙っていた。

 だが、馬場は、彼らから死角になる角度で背中越しに『撮影』していた。

 馬場は、元テレビカメラマンだった。

 井関が入って来た。

「開光課長。管理官。」と言って、頷いた。

 智子が無音で再生した。

「眩目。も・・・大曲に締め上げろ、って言ってこい。」

「馬場さん、協力ありがとうございました。しかし、どうして?」

「実は今日、リストラされてましてね。義憤にかられて、なんてかっこいいもんじゃない。でも、彼らを放っておくのもねえ。」

「きっと、いい再就職先、見つかりますよ。肩越しでもよく撮れてる。ねえ、井関さん。」と、蘭子は言った。

「その通り。きっと、いい再就職先、見つかりますよ。」と、井関さんも同調した。

 馬場は、照れながら、「ありがとうございます。」と言った。


 午後9時。眩目家。

「やっぱり、アリバイ工作していたね。レイプの動機もイカレてる。ナンパして断られたからって。」

「今日ばかりは、大曲を褒めて良かった。プラス1点だな。」


 先は遠いです、大曲先輩。


 ―完―



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