1.Web小説作家死亡事件1
「嘘だー!!!!!!!」
俺、眩目真吉は叫んだ。
今日は、クリスマス。
========== フィクションです ===========
=== 主な登場人物 ===
眩目真吉・・・警視庁捜査一課刑事。巡査。
大曲尚人・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。
開光蘭子・・・警視庁捜査一課課長、警部補。
志摩敏夫・・・警視庁管理官。
井関権蔵・・・警視庁鑑識課課長。
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「嘘だー!!!!!!!」
俺、眩目真吉は叫んだ。
今日は、クリスマス。
半年前から、彼女の、開光蘭子とチョメチョメする為にシティホテルを予約していた。
俺は、新米の巡査。大曲巡査部長とバディ、詰まり、相棒を組む捜査一課の刑事だ。
ここは、栄耀栄華ホテル。
現場の203号室に向かう途中、俺は予約をキャンセルした。
こういう場合、普通はホテルは代替の部屋を用意するか代替のホテルを紹介する。
だが、俺は辞退した。それどころじゃない。
現場の203号室。
「おい、眩目。まさか恋人の開光蘭子とチョメチョメする為に予約したんじゃないだろうな。まあいい。もう立ち入り禁止だ。お前の彼女は、『俺のお下がり』だ。ホテル以外で楽しめ。」
「どういう理屈ですか。先輩が『クリスマスプレゼント』だって言って、蘭子の頭にリボンを付けて、俺に押しつけたんじゃないですかぁ。」と、俺は抗議した。
「おい、そこの2人。漫才の練習か?もう今年は優勝者決まったぞ。」
鑑識の井関権蔵さんは、顔がいかついが、人柄はいい。
「怨恨じゃないな。」と決めた大曲先輩に、俺は噛みついた。
「怨恨じゃあ、遺書は要らないな。大曲、背広の裏側に縫い付けてあった。」と、井関さんは、娘でもある鑑識係にビニール袋に入れて紙切れを持って来させた。
普通とは逆のパターンに俺は呆然とした。
普通は、一見自殺に見えて、実は他殺。で、物証が上がって、一件落着。
「普通は、一見自殺に見えて、実は他殺。で、物証が上がって、一件落着。そう思ったか。輸入米。」
「そこは、新米、って言う場面でしょう?」
「新米は、古古古古古古古古米より旨いよな。」と、井関が調子に乗った。
「後で、文書分析班に回すよ。」と、井関さんは俺達に遺書を見せてくれた。
『他殺に見せかけて偽装するだろうが、俺は自殺を選ぶ。2024年12月25日。』
はあ?
警視庁。戒名が『Web小説作家札事件』の捜査本部。
戒名とは、事件の『通称』で、記録上はシリアルナンバーでデータベース管理される。
本部長は、志摩管理官。
「ガイシャは、轟義輝。71歳。10年位前までは10数年、プログラマをしていたが、母親が介護生活に入ったことから介護に専念、仕事はしていなかった。近年、介護疲れにならないようにと趣味の小説を書き始めた。今時だな。Web小説と言って、コンピュータで小説を書いていた。では、その聞き込みした結果から聞こうか。辻主任。」
「ガイシャの轟さんの交遊関係からの話では、一昨年母親が亡くなった後、轟さんと轟さんの親族のいざこざがあった模様です。それは、近隣の人も同様のことを言っています。」
「家族はいないのか?」
「家族はいません。独身です。本人は『遠距離恋愛の成れの果て』と自嘲していたそうです。詳しい事はまだ不明ですが、いざこざのあった妹は被疑者として有力ですね。」
「うむ。余談は禁物だが、そう言えるな。鑑識の結果を聞こうか。」
「変な姿勢で死んでいるな、と思って調べていたら、背広がどうも不自然な気がした。案の定、裏側に封筒が縫い込んでいた。署名捺印までしているから、遺書と考えられます。それと、飲んだワインの側にも遺書がありました。ワインには、毒が入っていたようです。成分は分析中です。」
そう言って、井関さんは、首を振った。
「大曲君。君はどう思う?」
「本部長。こう言っちゃなんですが、被疑者はやりすぎですね。ワインの側の遺書はワープロソフトで書かれていますが、署名捺印がない。ガイシャの家宅捜索が必要です。」
大曲先輩は、そこでホワイトボードを指さした。
『他殺に見せかけて偽装するだろうが、俺は自殺を選ぶ。2024年12月25日。』
これが、背広の遺書。
『金にならない作家生活が嫌になった。もう終わりだ。』
これが、ワインの側にあった遺書。
双方とも指紋は付着していなかった。
「ガイシャのPCを調べる必要があるな。大曲と眩目は、轟さんの家に向かえ。辻さん達は、轟さんの投稿していたサイトに行って、聞き込みしてくれ。」
俺と先輩は、轟さんの家に向かった。
流石、元プログラマだ。2階には沢山PCがあったが、電源は抜かれ、使っている様子は無かった。1階では台所にPCが置いてあり、おやつも散乱していた。
コンロも閉鎖していて、スーパーやコンビニの弁当をチンぃていたようだ。
PCを起動したが、パスワード設定画面が出た。
先輩がメモ帳を差し出してくれた。
「どこに?」
「そこ。」見ると、PCの側にゴタゴタした『物置場』があり、そこに『パスワード帳』があった。
「会社じゃないからな、覗き込むする人間はいない。まあ、セキュリティーは必要だからパスワードを設定してあるのだろう。」
そうか。辻さん達に、引き続き家を探すのをさせなかった訳だ。
自慢じゃないが、先輩と課長と俺はITに強い。
パスワードを入れ、あちこち見ていると、デスクトップ画面に貼られたショートカットに小説のリンクや、サイトのリンクがあった。
それぞれクリックして、色んなことが分かった。
『ゴミ箱』に入っていたファイルも開いてみた。
「先輩、これ・・・。」
画面には、『金にならない作家生活が嫌になった。もう終わりだ。』があった。
まだ特定されていない、被疑者は、これをプリントしたのだろう。
―つづくー




