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異世界転生禁止法が制定された世界で僕ら

最新エピソード掲載日:2025/10/15
「貴方の読んだ悪役令嬢ものは、実は過去の文豪からの贈り物かもしれない」

西暦2055――
「異世界転生」を題材にした物語は、ついに「国家によって禁止」された。
若者の自殺や逃避を助長するという理由で、ラノベは「現実逃避罪」に問われ、
電子上の全ての異世界作品がAIで自動削除される時代。
異世界転生を扱った作品が悪書とされ、書いた側も持っている側も処罰される。

出版社の編集者・島崎塔子〈しまざき とうこ〉は、
かつてラノベを愛していた最後の世代だった。
けれども今や、彼女のデスクに並ぶのは純文学全集と検閲報告書だけ。
創作の自由が奪われた世界で、少しの不自由を感じていた。

そんなある夜、過労で倒れた塔子の前に、「小説の神」を名乗る存在が現れる。

「文学世界の均衡が崩れた。文学が痩せ、想像力が死にかけている。これは、web小説を始めとする、ライトノベルが増えすぎだことが原因である。お前に使命を与える――過去へ行き、現状を伝え、文豪たちの目を覚まさせるのだ」

小説の神に導かれ、塔子は明治時代の文豪・夏川晶治〈なつかわ しょうじ〉のもとへ転送される。
だが――事態は思わぬ方向へ。
彼女が話した、ラノベに文豪が興味を持ってしまい…。

晶治はその軽妙な文体と奔放な想像力に魅せられ、「これぞ新文学だ!」と、ラノベ風小説を書き始めてしまう。

その結果、未来は歪む。
本来、文学史に残るはずだった名作『咆哮〈さけび〉』が生まれず、
塔子の両親――その作品を通じて出会った二人――の存在が
少しずつ“消えていく”タイムパラドックスが発生する。

崩壊していく写真。記憶の空白。
塔子は決意する。

「文豪がラノベを書くなら…… 私が、文学を書く!」

塔子は晶治の代わりに『咆哮』を代筆し、未来を取り戻そうとする。

そして純文学が完成。
しかし、今度は純文学だけが溢れかえる世界線になってしまう。
そうなると、本来生まれるべきだった、アニメなどの作品が生まれないという世界に。
さらに、今度は近い将来出会う旦那と将来生まれてくる子供が消えてしまうタイムパラドックスが。
そこで、塔子は小説の神に頼み、2013年にタイムスリップする。
彼女は、こっそりと晶治が書いた「悪役令嬢もの」を、匿名で投稿サイトにアップするのだった。

1話目
2025/10/15 02:13
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