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35 情報収集

1,000PVありがとうございます。

そろそろ話が本格的に動くかもしれません。

 後衛で魔法を使っていた敵がショウの剣を避けた。相手が後ろに跳び足が付けられない瞬間を狙ってショウが追撃をする。

 距離が詰まった上に身動きも取ることが出来ない相手をショウは躊躇うことなく切り裂く。抵抗することすらできなかった敵はそのまま地面に倒れこんだ。

 周辺の地面も血に染まり現場はかなり悲惨な状態になっているが人が来ることがないこの細道では悲鳴が上がることはない。

 一つの躊躇もなく敵を切り倒したショウに感情の揺らぎはない。これは死に対する抵抗がないという理由とまだ対処するべき敵が残っているという理由の二つがある。

 今重要なのは後者の理由だ。残る二人の敵にも動揺は見られない。彼らの理由もおおよそ同じものだろう。

 

 ショウは二人の危険度に順番付けをした。ショウは前衛の敵ではなく後衛で一度も攻撃をしていない敵が一番危険だと考えた。

 前衛の敵との一騎討ならばショウには絶対に負けないという自信がある。しかしもう一方の敵の情報は少ない。ここまでの戦闘で前衛の敵が魔法を使った様子はない。

 そもそもその身に持っている魔力量は微々たるものだ。

 じいちゃんという例がいるし魔力量が強さに直結しないことは理解しているつもりだ。それでもこいつは本当に弱い。でも何かがおかしい。

 ショウには後衛の敵が持つ魔力が前衛の敵の体に纏わりついているように見えている。これはナナが使っていた技と似ている。

 しかし見た目が似ているというだけでこの技が前衛の敵に何を齎しているかまでは把握できていない。


「君は後ろの人に何をしてもらってるのかな」


 ショウがダメもとで本人たちに質問をしてみた。

 もちろん答えは期待していない。ショウは構えているわけではないが敵がこの質問の間に攻撃を仕掛けてくることを警戒している。

 自分がした質問を忘れかけるほどのタイミングで以外にもその質問に対する答えが返ってきた。


「こいつか? これは強化魔法だ。こいつは光の魔法が使えてな。だから治癒魔法とかそういうのをかけてくれるんだぜ」

「光、治癒……?」

「それより早く続きをやろうぜ」


 先ほど倒した敵と違い前衛の敵とは流暢な言葉で会話ができた。

 光魔法かリトからは使える人が少ないって聞いていたけどなんでそんな人が。

 それに後ろの人は全く表情が変わらないし一言もしゃべらない。本当に不気味だ。

 この間にもショウの頭は目の前の敵を倒す策を思索していた。先ほどの発言が本当なのだとすれば治癒魔法と言うのはかなり厄介そうだ。

 切り倒した敵は立ち上がってこないので一撃で仕留めればその効果は発揮できないのだろう。となればこちらに睨みを利かせている敵を一撃で倒す方法を考えなければならないが。


「この状況じゃ、真っ向勝負しかないみたいだな」

「お! やる気になってくれたか」


 相手は浮かれているがショウにはそんな感情は無い。

 ショウは無言で相手との間合いを詰めるが相手はそれに気づけない。やる気になっている相手が構える間もなく彼の意識がこの世から消える。

 バタン。


「あれ。これで死んじゃうのか。色々考えてた僕が馬鹿みたいじゃないか」


 ショウは地面に倒れこむ敵に向かって愚痴を吐き捨てた。

 自分が思っていた以上の短期決着にショウも落胆している。そんなことをしつつもやるべきことはしっかりとやる男だ。

 ショウは残る一人の敵に目線を移す。

 彼女は表情の一つも動かさない。感情の一つも感じられない。


「おーい……反応がない。なんだこれ」


 ショウが確認しても反応は無い。

 どうすればいいんだよ。誰か来てくれないかな。

 そんな言葉が天に届いたのか次のショウのもとにお客様がやってくる。


「こんな所で何をしている――!」


 この何もない細道に警備隊らしき人達が6名やってきた。

 警備隊は動かぬ女性とその前に立つ魔法学校の制服姿の剣を腰に下げている青年、その側に転がっている2つの死体を目にして立ち尽くしている。

 そんな中で駆け付けた警備隊の一人が一つの死体を見て驚愕する。


「せ、先輩。こ、これって」

「なんだ、今考え。これはっ!」


 先輩と呼ばれた男が部下の目線の先に目をやる。その直後に先輩と呼ばれた男の目つきが変わった。

 その目つきのままショウへの事情聴取を開始する。


「君。ここに倒れてるのは君の仲間か?」

「まさか。僕はこの人達に襲われたから仕方なくですよ」

「君が倒したというのか!」

「そうですけど」

「それは……あ、いや今はいい。それでこちらの女性は?」

「この人も僕を襲ってきた人の一人ですけど。この二人を倒したら全く動かなくなってしまいました」

「そ、そうか。とりあえず警備隊の本部に来てもらえるか?」

「え! いやですよ。僕はバナナを買いに来たのに」

「バナナなんて本部の食堂においてあるだろ。それを食べればいい。今は俺たちに着いてきてくれ。これは君が思っているよりも重大な事件かもしれない」


 バナナが食べられるなら今の僕に不満は無い。少し面倒だが着いていってあげよう。どうせ詳細を聞かれるだけだろう。

 僕は警備隊の人達についていくことにした。


「おいそこの死体も運べ。慎重にな。その女性も連れて行く。警戒を怠るなよ」


 結構優秀だな。先輩と呼ばれているだけある。

 それにしても本当にこの人達は何者で何故僕を襲ってきたんだろう。

 ショウが襲われた理由を探していると警備隊の物ではない別の視線を感じた。

 何だ、この視線は。この道に人はいないし上か!

 ショウが背後の家の屋根を見上げるとそこには魔力の塊が停滞していた。靄が掛かっていてよくわからないが確かに人の形をしている。

 ショウの視線に気づいたのか靄が掛かった人影はすぐに姿を消した。

 まぁいいか。あいつも魔法を使ってたしこの人達のお仲間さんが気付くだろう。

 ショウはこちらを見ていた人影を他の警備隊に任せ、目の前の警備隊に付いていくことにした。



 警備隊の本部に行くと言われて到着した場所はまさかの。


「これってお城ですよね」

「ああ。警備隊の本部は城の中にあるんだ。だから念のため剣を預かってもいいかな」

「いいですよ」


 正直なところこの剣は手元に置いておきたいが王が住む城となればそんな我儘を言ってもしょうがないだろう。

 少し時間が欲しいということなので僕は応接室で待つことになった。

 城の中に入る機会なんてもうないだろうしトイレのフリをしてちょっと散策するか。


「お手洗いに行きたいんですけど」

「この廊下の突き当りを右になります」

「ありがとうございます」


 平っぽい人に聞いたらいけるのでは作戦成功だ。

 トイレの場所を聞いた僕はゆっくりとゆっくりと目的地に向かう。


「さすがだな。よくわからん絵でいっぱいだ」


 物凄く高価であろう絵画に向かってとんでもない発言をしながら歩いていると廊下の曲がり角に差し掛かった。

 周りを見渡しながら歩いていた僕は自分が曲がろうとしている方向を向いていなかったため反対から歩いてきた人とぶつかってしまった。お城の中だというのに軽率な行動だったと自分でも思う。

 

「あ、すみません。大丈夫?」

「……だ、大丈夫です!」

「良かった。じゃあ失礼しますね」


 ぶつかってしまった相手は青髪の女の子だ。それでもトイレに行きたい気持ちは嘘ではないので先を急がせてもらうことにした。

 怪我とかさせなくて良かった。あの子どことなくルーナ様に似ていたような。あ、やばい漏れる。

 

 無事にトイレを済ませた僕は応接室に戻ってきた。

 そこにはケイさんの姿があった。予想外の人物がいたことで少し驚いたが知っている人で良かったとも思う。

 そこからはケイさんが案内をしてくれた。


「それではこちらに」


 僕はケイさんが明けた部屋の中に足を踏み入れる。



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