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9 薬草

「あっ!」


夕食の準備をしていたら、包丁が指に当たってケガをしてしまった。傷事態は深くはないのでさっと洗い流して、ティッシュでふき取る。じわりと血がにじむ。


「どうされましたか?」


リビングのソファで丸くなっていたソラが、慌ててこちらに近づいてくる。


「ああ、大変です!血が出ていますよ!」

「大丈夫だよ」

「ですが…!」

「心配してくれてありがとう。絆創膏でも張っておけば、2、3日で治るよ」


そう言って私は寝室の傍に置いていたラックから絆創膏を取り出し指にまく。

こちらに来て病気やケガをすることもなかったので失念していたが、体調不良になった場合はどうすればいいんだろう?この世界にお医者さんはいるのだろうか…?


「ねぇ、ソ…」

「そうです!!紗英様!」

「え?」


ソラに声をかけようとしたら、興奮した状態のソラが鼻息を荒くして私の肩までよじ登ってきた。


「ポーションを作りましょう!」

「ポーション?」


RPGゲームに出てきそうな単語が、ソラの口から飛び出した。


「はい、そうです!スマートウォッチのアプリ画面から、薬品瓶のアイコンをタップしてください」


ソラに言われた通り、スマートウォッチの薬品アイコンをタップしてみる。すると作成できるポーションの一覧が並んでいた。真っ黒く塗りつぶされている箇所もあれば、灰色でタップしても無反応なものもある。

1番上の【下級ポーション】と2番目の【中級ポーション】は選択可能のようだ。


「まずは下級ポーションを作りましょう!」

「下級ポーション、ねぇ…」


ソラに言われた通り、下級ポーションをタップすると材料が表示される。

下級ポーション1本を作成するには、【薬草】が2本分必要みたいだ。


「私、薬草なんて持ってないと思うけど…」

「この自宅エリアと農園エリアを除草作業されているときに、一緒にインベントリの中に収納されていましたよ?」

「え?」

「この開拓地には様々な薬草が自生しています」

「じゃ、知らないうちに収納していたのか…」


インベントリの中を覗いてみると、確かに雑草の下に薬草の文字があった。1本取り出してどんな草なのかを確認する。見た目は日本に自生しているヨモギにそっくりだ。


「ヨモギみたい」

「そうですね」


ついでににおいを嗅いでみると、まんまヨモギである。


「紗英様、気になるようでしたら鑑定をされてみてはどうですか?」

「鑑定?」

「はい。スマートウォッチに虫眼鏡のアイコンがあるでしょう?それが【鑑定】のアイコンです。鑑定のアイコンをタップするとスマートウォッチのカメラが起動しますので、薬草を写してみてください」

「うん」


ソラに言われた通り、虫眼鏡のアイコンである鑑定をタップする。スマートウォッチの画面がカメラモードに切り替わったのを確認して、ヨモギそっくりの薬草を写す。


【薬草】

ポーションの材料

売500G 買250G


「販売と買い取りが出来るの?」

「ええ、紗英様のネットショップで買い取りと販売が可能ですよ。一度入手すると売買が可能になります」

「じゃあ、薬草は500Gで購入出来て、250Gで販売出来るってこと?」

「そうですね。ネットショップの価格はこの世界の売買の基準から算出していますので、これから先紗英様が商人から買い取ったり販売したりする際の目安にされてください」

「商人…、いるんだ?」

「ええ、いずれお会いすることもあるでしょう」

「あ、このGって単位はこちらの通貨の単位なの?」

「はい。通貨の単位は世界共通のゴールドです。特殊な金属加工で出来ていて、偽造が出来ません」

「そんなにレアな金属なの?」

「いえ、そうではありません。金属自体はどこでもあるもので、加工技術が秘蔵なのです」

「へえ…」

「各国に1か所ずつ配置されている貨幣ギルドで作成と管理されています」

「ふーん、そうなんだ」

「秘匿技術ですので、偽造はまず不可能とされています」

「じゃあ、私がネットショップで売る場合はどうなるの?」

「商品を一度インベントリに収納していただいて、ネットショップで買い取りしてもらいます。決済が済めば紗英様のインベントリに共通貨幣が収納される仕組みです」

「なるほどね。じゃあ、いつか商人さんと売買するためにもこちらの貨幣はあった方が便利なのね」

「そうですね。こちらの貨幣でしか買えない商品も、いずれは出てくるでしょうから」

「このGの単位だけど、この世界の経済状況がよく分からないのよね。この世界の物価というか、価値がいまいちで…」

「そうですね…。以前であれば、日本と商品価値は大きな相違はありません。例えば玉ねぎ1個が大体50G~100Gくらいで取引されていますね」

「あ、なるほど!」

「ですが、村のほとんどは物々交換が多いですし、町もあんまり貨幣は使用しませんね。大きな街まで発展すれば貨幣の使用が頻繁になりますね」

「そうなんだ」

「まあ、商隊は貨幣取引がほとんどですね。物々交換だと若干、値が下がります」

「分かった。じゃあとりあえず、この【下級ポーション】を作ってみようか!」

「はい!」


一度出したヨモギ…、薬草に再び視線を戻す。


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