苦悩
漆黒の力が俺の内から湧き上がる。全てを支配し、全てを見渡すその力は、もはや制御できないほど強大だ。だが、その代償を知っている者などいない。ただ、俺自身がその代償を理解するためには、もっと多くの力を得るしかない。
「これが力の真の姿か。」俺は静かに呟く。
俺の目の前に現れた影は、完全に俺の分身のようであり、異なる次元の存在そのものだった。その目は赤く光り、まるで俺の心の中を見透かすかのようだ。
「お前は、もう人間ではない。」影は、冷徹な口調で続ける。「その力は、全てを支配するために存在する。しかし、それを使いこなせば、お前自身も消える。」
その言葉に俺は一瞬動揺したが、すぐに気を取り直す。どんな代償が待ち受けていようとも、俺には関係ない。俺が求めるのは、唯一無二の力、支配の王座だ。
「消える？ それがどうした。」俺は笑いながら言った。「俺の目的は、全てを支配し、この世界を新たに作り変えることだ。代償など気にしている暇はない。」
影は黙って立ち尽くしていたが、やがて一歩踏み出した。
「ならば、俺が教えてやろう。力の代償を。」その声は冷たく、暗闇そのものであった。
突然、周囲の空気が激しく歪み、時間の流れが一瞬止まった。俺の体が引き裂かれるような感覚が走る。漆黒の力が暴走し、俺の周囲を取り巻く景色が歪み、空間が崩れていく。
「何だ……？」俺は苦しみながらも、力を使いこなそうとする。しかし、その力は俺を飲み込んでいくようだった。
「これが……力の代償か。」俺は歯を食いしばりながら言う。全てを支配し、全てを変えた先に待っているのは、こうした痛みと、闇の支配だった。
だが、その痛みを乗り越えなければ、俺は本当の力を手にすることはできない。俺はさらに力を引き出し、心の奥底から全てを燃やし尽くすようにその力を解放した。
「来い！」俺は叫んだ。
その瞬間、空間が一瞬にして崩れ、時間が再び流れ出す。俺の体は光り輝き、周囲の景色を消し去るほどの力が解き放たれる。俺は、その力を完全に使いこなすことに成功した。
「これで全てが変わる。」俺は冷静に呟いた。
だが、影はその光景を冷徹に見つめていた。
「お前はもう戻れない。」影は再び言う。「お前が手に入れた力は、もはや人間の枠を超えた存在となった。お前が支配するのは、世界だけではない。お前自身の心もだ。」
その言葉に、俺の心がわずかに揺らぐ。しかし、それでも俺は立ち止まることはない。俺の力が、どんな代償を払おうとも、支配の座を手に入れることができるのだ。
「心など、もはや意味を成さない。」俺は静かに言った。「支配こそが全てだ。」
そして、俺はその力をさらに高め、周囲の空間を変え始める。次々と敵が現れ、その力に屈していく。俺の力が広がり、支配する範囲がどんどん広がっていく。
その時、ふと、あの時の信長の言葉が頭をよぎった。
「お前は本当に、全てを支配できるのか？」
その言葉が、何かを告げているような気がした。だが、もう後戻りはできない。俺は全てを支配する者として、最強の存在となる。
「力を得るためには、何でもする。」俺は呟いた。「どんな代償があろうとも。」
俺はそのまま、闇の中で新たな力を得るべく、さらなる戦いへと足を踏み出した。
