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勝利

信長の元へ向かう途中、俺はふと気づいた。これまでの戦い、戦術、そして数々の勝利がどれも自分一人の力によるものだと思っていたが、実際にはそれ以上に大切なものがあった。自分一人で天下を支配することが目的ではない。最終的には、信長のような仲間たちと手を取り合い、未来のために新しい秩序を築くことが必要なのだ。


「力だけでは全てを得ることはできない。」その言葉が頭を巡る。


俺はあくまで自分の能力を最大限に引き出し、戦場でその力を使いこなすことで信長や他の大名たちに示し、彼らと協力し合ってこそ、天下を掌握できると確信していた。


信長の元に戻ると、彼はすでに新たな戦の準備を整えていた。俺が近づくと、信長は顔を上げ、目を細めて俺を見た。


「彩斗、お前が戻ってきたということは、もう何か決めてきたのか?」


その一言に、俺は力強く頷いた。


「はい、信長公。俺は、次の戦のために一つの計画を練りました。勝利を確実にするため、私が持つ能力を駆使します。ただ、単に力を振るうのではなく、全ての面で支配を強化していく必要があります。」


信長は興味深そうに耳を傾け、じっと俺を見つめた。「どうやって?」


「戦場での支配力だけでは足りません。」俺は言葉を選びながら話し続ける。「相手の心を揺さぶり、心理戦でも勝たなければならない。そこで、私は精神的な支配を強化し、相手の士気を削る方法を考えました。」


信長は一瞬驚いた表情を浮かべたが、その後すぐに理解したように頷いた。「それならば、俺が指揮する軍の動きも変わるな。お前がそう言うなら、俺も心強い。」


俺の考えは、単なる戦術を越えて、戦争の根本を変えるものだ。だが、それにはまず実験を重ねる必要があった。信長とともにその計画を実行するために、俺はこれからの戦いに向けて準備を始めた。


数日後、俺たちの軍は北条氏に対して進軍を開始した。信長の指揮の下、兵士たちは集結し、いよいよ戦の火蓋が切って落とされる。


「彩斗様、次の戦では何をするべきか。」信長が俺に尋ねてきた。彼の眼差しには、これまでのような冷徹さはない。むしろ、頼りにしているという気持ちが感じられる。


「信長公、今回はまず心理戦を仕掛けます。」俺は冷静に答える。「兵士たちの士気を高め、敵の心を崩す。そして、戦の途中で相手の重要人物を狙い、精神的な打撃を与えるのです。」


信長は一瞬黙り込み、俺の言葉を噛みしめるように聞いていた。その後、ゆっくりと口を開く。


「よし、それで行こう。だが、これは非常に危険な手だ。お前が言うように、相手の心を操ることができなければ、逆にこちらが崩れる可能性もある。」


「信長公、そのリスクを取る価値はあります。」俺は自信を持って答える。「私が持つ能力を最大限に活かし、敵の心を完全に掌握します。どんな状況でも、私が最終的に勝利を収めます。」


信長は俺の目を見つめ、しばらく沈黙した後、ゆっくりと頷いた。「お前を信じる。だが、もしものことがあったら、必ず俺に報告しろ。お前が失敗するわけがないとは思っているが、それでも念のためだ。」


信長の言葉に、俺は心からの感謝を込めて返事をする。「ありがとうございます、信長公。私が必ず結果を出します。」


そして、俺たちの軍は北条氏に向けて進軍を続けた。戦の準備が整い、次第に緊張感が高まる中で、俺は戦の前に自らの能力を確認した。


「精神支配、時間の操作、空間の歪み。どれも完璧に使いこなすことができる。」俺は心の中で呟き、力を集中させる。「さあ、これが最後の戦いだ。」


戦場に出ると、俺はまず、北条軍の主要な指揮官たちに目をつけた。戦の進行に合わせて、徐々に彼らの心を揺さぶり、混乱させる。その後、精神的な圧力をかけ、彼らを無力化していく。


最初のターゲットは、北条軍の兵站を担当している重要な人物だった。俺はその人物に精神的な圧力をかけ、戦の流れが不利であるかのように感じさせ、恐怖と不安を抱かせる。最終的に、その指揮官は自らの意思で戦線から撤退し、部隊は混乱に陥る。


「これが最初の一歩だ。」俺は冷静に呟き、次の手を打つ。


戦局は次第に俺の思うように進展し、敵軍はどんどん弱体化していく。信長もまた、我々の有利な状況に満足そうに笑みを浮かべていた。


そして、ついに決定的な瞬間が訪れた。北条軍の主力部隊が崩れ、我々の軍が最終的な攻撃を開始した時、俺はその力を全開にする。空間を歪め、時間を操作し、敵の動きを封じ込めることで、戦は完全に俺たちのものとなった。


「これで終わりだ。」俺は静かに呟いた。


戦後、信長は俺に近づき、満足そうに言った。「お前の力は本物だ。これで北条氏を打倒した。次は、俺たちの天下を手に入れる番だな。」


俺はその言葉を受け止め、もう一度決意を新たにした。「信長公、確実に天下を手に入れましょう。これからが本当の戦いです。」


その言葉と共に、次の戦の準備が始まった。

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