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天下を目指すもの

加藤信長との決着を終えた後、四国の情勢は急速に落ち着き始めた。彼が支配する地域は、戦の終結を迎え、民の生活も安定し始めた。だが、俺の心は次のステップに向かっていた。四国を統一するだけでは物足りない、さらに大きな野望が俺の中で膨らんでいくのを感じていた。


「次は…どうする?」慎之助が俺の側に歩み寄り、問いかけてきた。


俺はその問いに、少し考えてから答えた。「次は、他の大名たちをまとめていく。そして、信長との協力を一層強化する。」


「信長との協力か。」慎之助は少し思案した後、頷いた。「それが本当なら、四国の安定だけでなく、近畿や東海地方にも影響を与えることになるな。」


俺は慎之助の言葉を受けて、再び前を見据えた。確かに、信長との協力が進めば、四国を含む西日本全体の支配が現実のものとなる。それは、織田信長が東日本を支配している今、その連携がなければ意味をなさない。だが、そのためには信長に自分を認めさせ、信頼を得る必要があった。


「俺は、信長を取り込むつもりだ。」俺は決意を込めて言った。「今の力なら、どんな大名も倒すことができる。だが、信長と手を組めば、さらなる力を得ることができる。」


慎之助はしばらく黙っていたが、やがて口を開いた。「信長が、あんたの力を認めるかどうか…それが問題だな。彼は強い男だから、簡単に味方になってくれるとは思えない。」


「そうだな。」俺は頷いた。「だが、俺が示すべきは力だけじゃない。信長が求めているもの、そして彼がどこでつまずくかを見極めることが大事だ。」


その後、俺は信長との接触を果たすべく、まずは情報を集めることにした。信長の動向、彼がどのように四国の動きに関心を持っているのかを把握する必要があった。


慎之助と共に、俺たちは信長の勢力が支配している近畿方面へと足を運んだ。信長が直接支配している地域は、かつての織田家の勢力を拡大するための重要な拠点となっていた。そのため、信長の部下や家臣たちとの接触を試みることにした。


「信長は、この時期にどんな動きがあるか…」俺は慎之助に話しかけた。「彼の側近に話を通して、どんな計画を立てているか、少しでも情報を得る必要がある。」


「了解だ。」慎之助は鋭く頷き、街の情報を集め始めた。


数日間、周辺地域を巡った結果、信長が自らの勢力圏を広げるために、今まさに周辺大名との交渉を行っていることが分かった。信長は、既に数人の大名に対して自らの軍を派遣し、支配を強化していた。それに加えて、彼は最近、異常なほどに新たな戦力を求めている様子だった。


「信長が新たな戦力を求めている…それは、四国の勢力を取り込むための準備だ。」俺は目を細めた。


慎之助が横から声をかけてきた。「もし、あんたが信長に自分を示すことができれば、四国の統一は早くなるかもしれん。信長の力を得れば、他の勢力が手をこまねいている間に、さらに勢力を拡大できる。」


「その通りだ。」俺は静かに答えた。「だが、信長の元へ行く前に、もう一つ試してみたいことがある。」


「何をだ?」慎之助が問いかけてきた。


「俺が持っている力だ。」俺は言った。「俺の能力は、物理的な戦闘だけでなく、戦略や心理戦にも大きな影響を与える。信長のような人物がどこで最も弱いのかを見極め、そこに踏み込んでいけば、彼も動かざるを得ないだろう。」


その後、俺たちは信長の本拠地である近江に向かうべく準備を始めた。その道中、俺はさらなる覚醒を遂げようと考えていた。すでに幾度となく「空間操作」や「時間断層」を駆使してきたが、これから先はそれだけでは通用しないかもしれない。信長という存在は、ただの力ではなく、彼の戦術眼や計略においても一流であることを、俺は十分に理解していた。


「時間を切り裂く力だけでは、すぐに対応されるだろう。だが、もし俺が自らの『領域』を形成できれば、信長にも通用する。」俺は心の中で自分に言い聞かせるように考えた。


その夜、俺は自分の能力をさらに深く掘り下げ、未知の領域に足を踏み入れることにした。それは、「領域制御」。自分の周囲に自らの力を集中させ、相手の能力や動きを一時的に封じることができる力だ。それを使えば、信長の能力も封じ込めることができる。


「これができれば、信長との交渉は有利に進められるだろう。」俺は決意を新たにした。


そして、次の日、信長の本拠地、近江へと向かう道を歩みながら、俺は心の中で新たな力の覚醒を確信していた。この先、俺が進むべき道がどんなものかを知るために、信長との対決を避けて通るわけにはいかない。

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