表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/58

新たな挑戦

四国の支配が徐々に安定してきた頃、俺の周囲には新たな問題が立ちはだかるようになった。元親を倒し、四国を手中に収めたことは確かに一大事だったが、それと同時に俺が直面するべき新たな敵や課題が生まれつつあった。


特に問題だったのは、四国を統一した今、周囲の大名たちの視線がすでに俺に向けられていることだ。信長との関係が深まる一方で、周囲の勢力が俺の力をどう扱うべきか決めかねているのが分かる。自分の力を証明し、これからの進路を決めるためには、四国を確固たるものにし、さらにその先にある目標に目を向けなければならなかった。


「信長様は、我々にどれほどの援助をしてくださるのでしょうか?」慎之助が心配そうに尋ねた。彼もまた、四国の情勢がどこへ向かうのか不安を感じていた。


「信長様は、しばらく我々を見守ってくださるだろう。」俺は冷静に答えた。「だが、それも長くは続かない。信長の力を借りることなく、俺自身が四国を完全に支配し、さらに安定させることが必要だ。」


慎之助は一瞬考え込み、その後頷いた。「確かに、信長様に頼るばかりでは、我々の独立した力を示すことができませんからな。では、次に進むためにはどうすべきか?」


俺はしばらく黙って考えた後、慎之助に向かって言った。「今はまだ、四国の内部を固める段階だ。しかし、近いうちに外部勢力との交渉や戦が避けられないことは分かっている。その準備をしなければならない。」


「なるほど。」慎之助はすぐに理解し、俺の言葉に従うように動き始めた。「外部の敵にはどのように立ち向かうつもりですか?」


「まず、四国内の反乱勢力を完全に封じ込めた後、信長と連携し、彼の周辺の勢力を見極める。」俺は冷静に計画を立て始めた。「その上で、周囲の大名に対して俺の力を知らしめる必要がある。」


信長と俺の関係が深まることで、四国の安定を目指すにはまず周囲を制圧し、信長の意向を無視せずに独立した力を持つことが重要だ。だが、力を示すだけでは不十分だ。信長との関係を築きながらも、外部の脅威に対しても果敢に立ち向かわなければならない。


その後、俺は四国の隅々まで視察を行い、各地の支配者たちと直接会って話をすることにした。元親の死後、しばらくは無言の平和が続いたが、実際には多くの者が俺の本気を試そうとしていることを感じていた。特に、四国の西部や北部に位置する一部の勢力が、元親の死後もその勢力を維持しようと動き出していた。


「信長が四国に興味を示しているとは限らない。」慎之助が言った。「しかし、他の大名が介入してくる可能性は十分に考えられます。」


「その通りだ。」俺はゆっくりと答えた。「だからこそ、俺は周囲に力を見せつける必要がある。四国の平穏を脅かす者に対して、遠慮はしない。」


その日のうちに、俺は四国の西部にある大名、松永氏の領地へと足を運んだ。松永氏は、元親の死後、四国の内政に対して不穏な動きを見せていた一つの勢力だ。元親の忠臣たちと手を結んでいるため、俺としてもその動きには注視しなければならなかった。


松永家の領地に到着すると、領主の松永康久が出迎えてくれた。「お待ちしておりました、彩斗様。」松永康久はにこやかに言い、俺を迎え入れる。


「話がある。」俺は、いきなり本題に入った。「元親が倒れ、四国は今、俺の手にある。お前もそのことを理解しているはずだ。」


松永は一瞬、驚いた表情を見せたが、すぐに冷静になった。「ええ、理解しております。長宗我部家が四国を制したことは承知しています。しかし、四国の未来をどうするか、その方向性を決めるのは一部の者たちにとってはまだ難しい問題です。」


「ならば、お前もその方向性を決めろ。」俺は松永の目を真っ直ぐに見つめながら言った。「四国が今、乱れることは望んでいない。だが、お前がその行動を改めないのであれば、俺が動かざるを得ない。」


松永は黙ってしばらく考え込み、その後ゆっくりと頷いた。「分かりました。俺は長宗我部家の支配を受け入れ、四国の平穏を守ります。」


その言葉に、俺は軽く頷き、松永に対して一つの提案をする。「お前に与えるべきは、安定した支配を担う力だ。俺が背後で支える代わりに、四国の平和を確保してもらう。」


その後の交渉は順調に進み、松永氏も俺の支配を受け入れた。これで西部における大きな反乱の可能性は取り除かれたが、それでも油断はできなかった。四国の東部、北部には依然として反乱の兆しがあり、その調整を進めるためにはさらに力を入れる必要があった。


俺はこの動きにより、四国全体を確実に支配することに成功し、周囲の大名たちに対してもその力をしっかりと知らしめることができた。これで、四国の未来を守るために一歩踏み出す準備が整った。


次に待ち受けるは、信長との更なる連携を深め、そして最終的には自らの力で四国を守り抜くこと。それこそが、俺が目指すべき道であり、これからの戦国時代における生き抜き方だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ