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湧き出る水

会議が終わり、長宗我部元親と他の武将たちはそれぞれの思惑を胸に抱えたまま散り散りになった。だが、俺の頭の中にはまだひとつ、大きな問題が残っている。信長との連携だ。彼との協力が実現すれば、四国の支配を超えて、日本全土を掌握する大きな力を手にすることができる。そのためには、俺自身の力をさらに強化し、今後の戦局にどのように介入すべきかを決めなければならない。


「慎之助、今日は一度、あの場所に行こう。」俺は急に立ち上がり、慎之助に告げた。


慎之助はすぐに反応した。「あの場所とは、まさか…。」


俺は黙ってうなずき、慎之助を伴って、ある場所へと向かった。それは、俺が何度も足を運んだ秘密の場所、そして力を試すための場所でもあった。


数刻後、俺たちは古びた神社の前に立っていた。ここは、普通の人々が近寄らないような場所だが、俺には何か特別な力が宿っている気がしてならなかった。転生者としての記憶がまだ鮮明である限り、この神社には強力な「霊力」や「神秘的な力」が封印されているという話があった。その力を解放すれば、今の俺の力をさらに引き上げることができるだろう。


慎之助は警戒しながら周囲を見渡し、軽く言った。「ここに来るのは久しぶりですね。あの力が解放されることで、何か変わるのでしょうか?」


俺は深く息を吸い込み、神社の扉を開けた。「この場所には、かつて封印された力が眠っているはずだ。それを解放すれば、信長との接触に必要な力を得られるかもしれない。」


扉を開けると、中は予想以上に薄暗く、異様な雰囲気が漂っていた。古びた祭壇が中央にあり、そこには今まで気づかなかった古代の文字が彫られていた。その文字は、転生する前の記憶の中で、少しだけ目にしたことがあるものだった。


「これだ…。」俺は呟いた。


慎之助が心配そうに見守る中、俺は祭壇の前に立ち、手を掲げた。心の中で、転生したときに得た「特殊能力」がどんなものだったかを思い出し、それを呼び覚ますように念じる。自分の中で眠っていた力が徐々に目を覚まし、身体全体を包み込むような感覚が広がっていくのが分かった。


「うっ…!」俺はその瞬間、強い力に押し寄せられる感覚を覚えた。身体中の筋肉が熱くなり、意識が一瞬遠くなる。だが、すぐにその力を受け入れ、呼び覚ました。


「目覚めろ、俺の力よ…!」俺は叫び、全身を震わせながら力を解放した。


その瞬間、周囲の空気が一変した。神社の内部が明るく光り、祭壇が青白い光を放ち始めた。その光の中で、俺は自分の力がどんどん強化されていくのを感じた。目を開けると、すでに周囲の景色が微細に見えるようになり、身体の中で膨大なエネルギーが沸き上がってくるのを感じた。


「これが…俺の力の真の姿か。」俺は呟いた。


その力の覚醒によって、俺には新たな「特殊能力」が目覚めた。それは、時間を操る力、すなわち「時の加速」と呼べるものだ。これにより、俺は自身の身体の動きだけでなく、周囲の時間を少しだけ早めたり、遅くしたりすることができるようになった。瞬時に周囲の状況を把握し、戦局を有利に進めるための絶大な助けとなるだろう。


「これなら…戦において圧倒的な優位に立てる。」俺は自信に満ちた表情で慎之助を見た。


慎之助は驚きの表情で俺を見つめていた。「まさか、こんな力があったとは…」


俺は微笑みながら言った。「これで、信長との連携が一気に加速するはずだ。元親も驚くかもしれないが、最終的には俺の力で四国を統一し、次に進む。」


その後、数日間、俺は新たに得た力を使いこなすための訓練を積んだ。戦場での活用法や、時を操る力をどのように戦術に組み込むかを計算し、実践してみた。その結果、俺はますます自信を深め、信長との接触に備えることができるようになった。


そして、ついにその日が訪れた。信長との連携の第一歩が踏み出される時だ。俺は慎之助を伴い、元親の命を受けて信長と会うための道を進んだ。


「慎之助、準備は整ったか?」俺は確認の意味を込めて尋ねた。


「はい、すべて整っています。」慎之助はきっぱりと答えた。


俺は微笑み、心の中で決意を新たにする。今こそ、俺の力を存分に発揮し、四国の未来を自分の手で切り開く時だ。

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