表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/58

天下

翌日、朝の光が差し込み始めると、俺はすでに目を覚まし、動き出していた。元親とその周囲の動きが気になって仕方なかった。昨晩、自分の力が目覚めたことを実感し、それをどう生かすかを考えなければならない。元親が織田信長との連携を目指していることは、これからの戦局を大きく左右するだろう。しかし、それだけではない。四国の支配をめぐる戦いが、今後さらに激化していくのは間違いない。


「どうする?」慎之助がいつの間にか俺の横に立っていた。彼の目は鋭く、昨晩の俺の力を感じ取っていたのだろう。

「元親の動きがどうなるか、もう少し様子を見るつもりだ。」俺は答えた。


慎之助は黙って頷くと、しばらく考え込んだように空を見上げた。「あんたがその力を持っている限り、元親だろうが信長だろうが、勝てる気がするがな。」


「勝つだけじゃ足りない。」俺は静かに言った。「俺が目指すのは、天下だ。四国を統一するだけでは満足できない。」


慎之助は驚いた表情を浮かべたが、すぐに冷静さを取り戻した。「そうか、あんたはそんな奴だと思ったぜ。でも、どうやって?」


「信長との接触が重要だ。」俺は言葉を続けた。「元親がその手を伸ばすなら、俺も同じくその手を伸ばす。けど、ただ接触するだけじゃ意味がない。信長にはもっと強い力を見せつけてやらないと。」


「だから?」慎之助が尋ねると、俺は少し考え込み、答えた。

「信長には、俺の力を知ってもらう必要がある。まずは、俺がこの四国をどう動かしているかを見せて、信長が俺を無視できないようにする。」


慎之助はその言葉に、思わず笑い声を上げた。「確かに、あんたの力なら、どんな相手も無視できなくなるな。だが、簡単にいくと思うなよ。」


「分かっている。」俺は薄く笑うと、改めて慎之助に目を向けた。「だが、どんな困難があろうと、俺はその先に進む。」


その日、俺は元親がどう動くのかを追いながら、慎之助と共に戦の準備を進めた。元親は現在、四国の中でも強力な勢力を持っているが、俺の力を見せつければ、その流れを変えることができるはずだ。


そして、数日後、ついにその時が来た。元親が信長との連携を目指し、何らかの動きを見せた。俺は慎之助と共にその動きを注視しながら、最終的な決断を下す。


「いよいよだな。」慎之助が言うと、俺は決意を込めて頷いた。「俺の力を全て使い、元親に対抗する。それが今、俺にできる最善の策だ。」


その後、俺は元親に接触し、彼の意図を確認した。元親は最初、俺の力に少し驚いた様子を見せたが、その後すぐに冷静に話を進めていった。彼は信長との接触を進めるために、四国の統一を急いでいた。


だが、俺にはその先を見越して動く必要があった。元親に協力する振りをしながら、その裏で信長に向けて力を誇示し、次第に俺の存在を際立たせていく。そして、最終的には俺がこの四国を――いや、天下を手にするという大きな野望を胸に、行動を開始した。


「いよいよ、だな。」俺は心の中で呟き、これからの戦いに向けて気を引き締めた。俺の道は、決して平坦ではない。しかし、どんな障害が立ちはだかろうとも、必ずその先に到達してみせる。天下を――その名を手にするその日まで、俺は止まらない

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ