表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/9

② あんたら初対面??

<はじめに>

前回、キャラ名に振り仮名を振らないという不親切設計になってしまったので、今回は振らせていただきました!⸜(*˙꒳˙*)⸝


刃霧月斗(はぎりつきと)阿久津蓮(あくつれん)明日菜渚(あすななぎさ)三栖楓怜(みすずかえで)


誰かが空気にならないように頑張って書いてみましたがいかがでしょうかね。是非読んでもらえると嬉しいです!




「はーい。では、初日ということで、今日はこれで解散です。先程お伝えした教室に各自、教科書を取りに行ってくださいね。では、また明日!」


担任の先生が連絡事項を終えると、教室内は再び賑やかな雰囲気に包まれた。生徒たちが帰る準備を始め、活気が戻る。


(さて、教科書をもらいに行って、帰ろうかな…)


刃霧はぎりは教室内を見渡しながら、ふと目を止めた。阿久津あくつの席に向かう女子生徒がいた。彼女は恥ずかしそうに微笑みながら、声をかけている。


阿久津(あくつ)くん、初めて見たときから、すごくかっこいいなって思って…」


その瞬間、阿久津あくつはピタリと動きが止まり、顔色がわずかに青ざめた。刃霧(はぎり)は心の中で疑問を抱き、思わず凝視する。


(あれ...どうしたんだろう)


女子生徒も驚き、返事のない阿久津(あくつ)を見て戸惑い、辺りには一瞬気まずい沈黙が流れた。


「おい、阿久津(あくつ)、教科書取りに行くぞ」


その時、三栖みすずが淡々と声をかけた。まるで何事もなかったかのように、事態を収めるために介入したようだ。


刃霧はぎりも...」


「ちょ、三栖みすず!」


突然名前を呼ばれた刃霧はぎりは反応が遅れ、咄嗟に言葉を出す。だが、そのまま三栖(みすず)に腕を引かれ、半ば無理やり教室を出ることになった。


阿久津あくつは女子生徒に軽く会釈をし、急いで三栖みすずの後を追いかけた。その様子を見た女子生徒は困惑した表情で、ぽかんと口を開ける。


「え…あの三人、友達なの?」




....




廊下を歩きながら、刃霧はぎり三栖みすずの腕を振りほどこうとするが、なかなかうまくいかない。


「ちょっと、三栖みすず!さっき、無理に話さなくていいって言ってたじゃない!」


「状況を見て変えただけだ。それに、ああでもしないと、あの場はもっと気まずくなる」


三栖みすずは冷静に答えると、無表情で刃霧(はぎり)を見つめた。刃霧(はぎり)は不満そうにしながらも、腕を引き抜こうと試みる。


三栖みすず、そろそろ放してくれよ。周りの目が気になるんだよ」


「ん、あぁ、わるい」


刃霧はぎりは小さく息を吐き、周りを見回しながら肩を落とした。三栖みすずはその様子を無言で見つめていた。


「待ってくれ!」


その時、二人の後ろを阿久津あくつが息を整えながら追いついてきた。


「さっきは助かった。あんなふうに、名前を呼ばれるとは思わなかったが…」


まだ少し緊張の残る表情だが、どこかほっとしたように見えた。


「いや、いい。逆に悪かったな。初対面なのに馴れ馴れしく名前を呼んで。だが、あまりにも見るに堪えない空気だったからな…」


三栖(みすず)は言葉を続けた。


その言葉を聞いた阿久津(あくつ)は頭を掻きながら話し出した。


「あー、そんなに…空気悪かったか?」


「うーん、あの子に突然話しかけられたからと言えど、遠くから見てもあまりにも違和感が凄かったよ」


刃霧(はぎり)がすかさず感想を述べた。


「えー、そうかなんか恥ずいな。......くそ、こっからの課題だな」


阿久津(あくつ)が最後にボソッと言っているのを聞こえた刃霧(はぎり)はその言葉の真意を聞こうとしたその時、前方から明るい声が響いた


「あっ、月斗(つきと)くん!えっと、お隣は三栖(みすず)くんと阿久津蓮(あくつれん)くんだっけ?」


前方から明日奈あすなが歩いてきた。彼女はとても可愛らしく、女の子らしい笑顔を見せている。その姿は、遠目から見ても本物の女の子のように映った。


「知り合いなのか?」


三栖みすず刃霧(はぎり)にこっそり尋ねる。


「いや、さっき隣の席に座ってただけだ。明日奈(あすな)、もう教科書取りに行ったのか?」


「うん!一番乗りで取りに行っちゃったよ。これから来る人が増えそうだから、早めに行ったほうがいいかもね」


「そうか、ありがとう」


刃霧(はぎり)が短く礼を言うと、明日奈(あすな)はにこりと笑い、三栖(みすず)阿久津(あくつ)にも視線を向けた。


「え、(れん)くん、具合でも悪い?」


「え?」


刃霧(はぎり)三栖(みすず)阿久津(あくつ)に目を向けると、阿久津(あくつ)が再び青ざめていた。


「ちょっと、平気?」


刃霧(はぎり)阿久津(あくつ)を揺らしても、気が戻る様子はなかった。


「ふふん、さては僕の可愛さにやられたかー」


明日奈(あすな)が冗談交じりに言うと、その言葉を聞いた阿久津(あくつ)の顔色が徐々に戻り、どこかバツの悪そうな表情を浮かべた。


「え、あ...そういうこと?あー、明日奈(あすな)だったか、すまん、悪かった…」


「...?なんだか、平気そうだな」


三栖(みすず)が静かに呟く。その言葉に明日奈(あすな)三栖(みすず)に視線を向けると、三栖(みすず)は少し困ったような顔をしながら口を開いた。


「なんだ、俺の顔になにかついてるか?」


「え?違うよ!」


明日奈(あすな)は笑いながら首を振り、続ける。


「ただ、自己紹介の時に下の名前、言ってなかったから、気になっただけ。僕、記憶力は良い方だからさ」


「あ、たしかに。三栖(みすず)としか言ってなかったな」


刃霧(はぎり)も先ほどの自己紹介の様子を思い出し、三栖(みすず)に向かって言った。


「.......(かえで)だ。三栖楓(みすずかえで)


(かえで)だね。うん、覚えた、ありがとうー」


明日菜(あすな)は嬉しそうにしていた。少し間を置いてから、彼はふと思い立ったように言った。


「じゃあ、せっかくだし、ちょっと寄り道しない?こうして集まったのも何かの縁だと思うし!」


その言葉に刃霧(はぎり)はチラリと自分の腕時計を見ながら言った


「あー、ごめんね。今日は初日で、すぐ終わると思ったから、あらかじめ仕事を入れちゃって…」


「仕事?なんかしてるのか?」


阿久津(あくつ)が突然質問を挟む。


「えー、自己紹介の時の騒めき、聞いてなかったの?月斗(つきと)くん、今を時めく超人気モデルなんだからね!」


明日奈(あすな)阿久津(あくつ)に頬を膨らませながら説明する。


「あー、怖い顔するなよ。俺、そういうの疎いからさ、許してくれ」


会話が続いている中、刃霧(はぎり)は突然、胸元に重みを感じ、驚いて前を見た。すると、三栖(みすず)が複数の教科書を持ち、その一部を刃霧(はぎり)に渡してきた。


「ほら、混みそうだったから、まとめて先に取ってきた」


「...相変わらず仕事早いね。ありがとう、助かったよ」


刃霧(はぎり)はにっこりと笑い、三栖(みすず)にお礼を言う。


「…」


明日奈(あすな)は、視線をうつし、教科書を阿久津(あくつ)に渡そうとしている三栖(みす)に声をかけた。


(かえで)くんはどうする?寄り道に付き合ってくれる?」


三栖(みすず)は少し戸惑いながらも、阿久津(あくつ)明日奈(あすな)を交互に見て答えた。


「すまない、今日は無理だ...」


「じゃあ、俺も今日は帰るわ。教科書サンキューな三栖(みすず)。また誘ってくれー」


阿久津(あくつ)三栖(みす)から受け取った教科書を鞄にしまいながら、みんなから離れて行った


「えー、悲しいー!じゃあまた明日ねー」


明日菜(あすな)は少し寂しそうに教室に戻って行った



その様子を見ていた刃霧(はぎり)はみんなに軽く手を振りながら、素早く一人で校門の方へ向かい始めた。


その、背中にはどこか疲れたような雰囲気が漂っている。


(まったく…初日から(かえで)に再開するし、一体どういう運命なんだか...。でも、みんないい人そうで楽しい学園生活が送れそうだな)


そう思いながら、刃霧はポケットからスマホを取り出し、仕事先への確認の連絡をした。ふと、彼は先ほどの明日奈(あすな)の笑顔を思い出す。


(いいな、あんな感じにいれて...ちょっと羨ましいな…)




・・・




——学園に通うものは、みな”闇”を抱えている。もちろん刃霧(はぎり)もその内の一人だ。



<おわりに>


さて、4人の交流はいかがでしたか!?


最初書いた時は、入学式の日なのに、初回授業を始めるというとんでも展開になってて、自分にツッコミながら書き直していましたw


次回は刃霧月斗(はぎりつきと)視点になります。お楽しみに⸜(ˊᗜˋ)⸝

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ