【青年】結
「俺ぇ、これからどーなっちゃうんすか…?」
困り眉で青年が、こちらを見上げてくる。水晶の様な群青の瞳。前髪を上げているため、よく見える。私はバディに目配せした。同情しいな彼女に馬鹿はするなと伝えるためだ。案の定、彼女は青年と同じ困り眉になっていた。
「頰睦利町は現在、通行が規制されている。ウチの2人が<魔女の使者>に襲われたそうでな。入りたいならば、検問所を堂々と行き治所の検問を受ければいい。それをせず、建物の屋上を飛び回って侵入しようとしてたのだから、やましいところがあるのだろう。」
「…俺、この後、検査とかされちゃいます?」
「当たり前だ。検問を避けるなら、犯罪者である可能性が高いからな。さっき応援を呼んだ。隅々まで調べられるだろうな。」
青年は、顔の前で手を組んだ。祈ってるらしい。犯罪歴を消してもらうのだろうか、と私は疑問に思う。しかし、バディは出身国の国教を厚く信仰しているので、彼女も傷つけるかもしれないそれを訊く気にはならなかった。彼も熱心な信者らしくて、指なしの手袋を握り締めんばかりに、
「すぅ…。」
気付いたときにはもう、手袋から青年の右手が抜かれていた。異様な殺気に理由も分からず銃に手を伸ばすが、青年の手が私の首に触れる方が速い。途端に意識が飛んだ。
●解体●
首だけがない、つまり頭と肩から下の体だけの死体に手を合わせ、それから彼はぽつりと呟いた。
「バイトの面接、間に合うかな。」




