表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雑草の花束  作者: 片喰
54/163

【出立】アヨマ

 急用と言って『フラ・アンブロシオ』さんが離れていったときは心細かった。しかも場所は危険な土地として有名な頬睦利町で、預かり先は小さな少女の家だったのだ。

 八重と名乗る彼女は飛鳥さんの妹らしく、ボブカットの薄紅色と猫っぽい目の茜色が似ていた。私以上に小柄で、オーバーサイズのパーカーワンピースが余計に華奢に見える。

 が、そんな不安はじきに消えた。

「で、そのオジさんがグラサンの親分で、」

「え〜!」

「でしょ?だからオジさんが何バカやってんだ!って怒ってくれてさ。」

 八重さんは聞き上手な上、経験豊富で面白い話を沢山してくれたのだ。私の話すファオマ帝国や出稼ぎ地での生活なんてつまらないと思うのだが、彼女は目をキラキラさせてくれる。話に夢中なって、いつの間にか私達はタメ口であれこれと話し続けていた。

「お、仲良くなってんねェ。」

「やっほ〜、遅くなってごめんね。」

「あっ!ラオメさん、光羅謝さんも。用事は終わったんですか?」

 もうそんな時間か、と驚く。続いて、『フラ・アンブロシオ』の後ろから顔を出す人物がいることに目を瞬く。

 群青の双眸は清白な印象で、やや太い眉が素朴さを加える。耳にかかる長さの髪に、前髪を上げる大きなヘアピン。何故か気を許したくなる人懐こさと誠実さを感じさせる青年だった。

「その人は…?」

「結っていいます。アヨマさんですよね?えっと、急でごめんなさい、俺も今回参加することになりまして。」

「大丈夫、それなりに信頼できる子だよ。」

「アヨマです。よろしくお願いしますっ。」

 結と名乗った青年は、にこりと笑顔を返してくれた。話しやすそうな人でほっとする。

「それじゃあ出発しようか。」 

「ファオマ帝国までは、まあまア道のりがある。頬睦利町で足のつかない車を借よう。」

 結さんがニヤニヤしながら顎を撫でる。

「足のつかないアシですか。」

「「寒いギャグの極寒地帯、製作済み。」」

 何故そこでハモれるのだろう、と私は感心と不思議さを感じながら2人を見ていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ