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第54話:婚約披露パーティー当日を迎えます

レオナルド様と婚約を結んで、2ヶ月が過ぎた。この2ヶ月、ドレスやアクセサリーを選んだり、ミシュラーノ公爵家を見学に行ったりと充実した生活を送っていた。


どうやら既に私の部屋も準備されている様なのだが、なぜかその部屋は案内してくれなかった。レオナルド様曰く


“結婚した時のお楽しみ”


と言って、ニヤリと笑っていた。その笑みがなんだか怖いのだが…もしかして私好みの監禁部屋でも作っているのかしら?ついそんな事を考えてしまう。


そして今日は、いよいよ私とレオナルド様の婚約披露パーティー当日だ。王女と公爵家嫡男の婚約披露パーティーとあって、たくさんの貴族が集まるらしい。もちろん、メアリーも来てくれる。


とにかくたくさんの人が、私たちの為に来てくれるのだ。


今日は朝から公爵家の一室を借り、着替えを行っている。王宮から私の専属メイドも来てくれ、私を磨き上げている。


「殿下、準備が整いましたよ。今日のドレスもまた一段と似合っておりますね」


いつもの様にメイドたちが褒めてくれる。すると、お母様とお義母様がやって来た。


「オリビアちゃん、今日もとっても可愛いわよ。若い頃のシャリーにそっくりだわ」


「あら、私はもっと大人っぽかったわよ。それにしても私たちが選んだドレス、やっぱりオリビアによく似合っているわ。次はウエディングドレスも選ばないとね」


「そうよね、陛下はああ言っているけれど、やっぱり学院卒業と同時に結婚式を挙げた方がいいわ。そうなると、後1年ちょっとしかないものね。婚約披露パーティーが終わったら、早速結婚式の準備に取り掛からないと」


なぜか女性陣2人が盛り上がっている。でも、私も学院を卒業したら、レオナルド様と結婚したいわ。ちなみに今、次期公爵夫人になる為に、既にお勉強を始めている。ただ…お父様にバレるとうるさいので、こっそりと行っているのだ。


「さあ、そろそろ行きましょう。きっとレオナルドが首を長くして待っているわよ」


「そうね、そろそろ行きましょうか」


2人にエスコートされ、控室へと向かう。そこには、既に男性陣が待っていた。スーツに身を包んだレオナルド様は、髪もびしっと決めていて、とてもカッコいい。


「オリビア、そのドレス、とてもよく似合っているよ。本当に美しい」


「レオナルド様も、とても素敵ですわよ」


いつもの様に2人で褒め合いを行う。


「それじゃあ、そろそろ行こうか。来賓たちももうそろそろ集まりだしている頃だし」


ミシュラーノ公爵様の言葉で、皆が動き出す。どうやらお父様はまだ私が婚約したことが気に入らない様で、シャルルに


「シャルルはお父様の傍にずっといてくれよ」


と、何度も言っていた。そんなお父様に対し、シャルルは状況がよくわかっていないようだが、それでもいつもの様に首に巻き付いている。


本当にお父様は…


会場に着くと、既にたくさんの貴族が集まっている。ちなみに今日の会場は、公爵家の中庭だ。まずは、公爵様が挨拶をする。


「本日は我が息子レオナルドと、オリビア殿下の婚約披露パーティーにご参加いただき、誠にありがとうございます。まだまだ未熟な2人ですが、どうか温かく見守って頂きます様、よろしくお願いいたします」


公爵が無難な挨拶をした。周りから大きな拍手が沸き上がる。次はレオナルド様の挨拶だ。


「本日は私たちの為にお集まりいただき、ありがとうございます。思い返してみれば、オリビアと初めて出会ったのは、私たちが10歳のときでした。それから5年、私はずっとオリビアを愛し、見守り続けてきました。そして今日、皆様の前で婚約のお披露目が出来た事、本当に幸せに思っております」


来賓の方を向いていたレオナルド様が、クルリと私方を見た。


「オリビア、15歳の誕生日、おめでとう。君の誕生日を、婚約者として祝えた事、とても嬉しく思うよ。そして今日、こんなにも大勢の人に見守られ、オリビアとの婚約発表が出来た事も、とても幸せに思っている。オリビア、僕は君が世界一好きだ。これからも、共に歩んでいこうね」


そう言うと、私の指に付いている指輪を外し、新しい指輪を付けてくれた。


「レオナルド様、ありがとうございます。私もあなた様が大好きです。これからもずっと、おばあさんになってもずっとずっと、私の傍にいて下さい」


気が付くと涙が溢れていた。今日という日があまりにも幸せで、どうしようもないほど嬉しくて。その感情を押させることが出来かなったのだ。


「ありがとう、オリビア。大好きだよ」


ゆっくり近づいて来たレオナルド様、唇と唇が重なる。その瞬間、周りから大きな歓声が上がった。


「え~、どうやら2人の世界に入ってしまった様ですね。まだまだ若い2人ですが、どうか温かく見守ってやってください」


すかさず公爵様が上手くまとめた。


さらに大きな拍手が沸き上がる。それが嬉しくてたまらない。私、今日が最高に幸せかもしれない。そう思うほど、胸がいっぱいになったのだった。

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