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第52話:レオナルド様と婚約する事が決まりました

「皆様、落ち着いて下さい。エレフセリア王国の王太子殿下が国に帰ったのなら、もう1人で寝られますので大丈夫です。それよりも、レオナルド様と私が婚約すると言うのは本当ですか?」


「ああ、本当だよ。近いうちに発表もある。そうだ、再来月はオリビアの15歳の誕生日だね。その日に婚約披露パーティーを行おう」


「おい、勝手に決めるな!オリビア…エレフセリア王国の王太子を諦めさせるために、オリビアは近々レオナルドと婚約をすると宣言してしまったんだよ。それで…そうだ、もうエレフセリア王国に気を使う必要もなくなったんだ。この話しは白紙に戻そう」


お父様がそんな事を言いだしたのだ。


「陛下、白紙に戻すなんてできませんよ!僕とオリビアは婚約しますから!」


「私が白紙に戻すと言っているのだから白紙だ。それに、オリビアの気持ちも聞いていないし」


2人が私の方をクルリと見た。


「私は、レオナルド様と結婚したいです!お父様、お願いです。レオナルド様と婚約させてください」


このまま白紙に戻されたらたまらない。必死にお父様に訴えた。


「オリビア、君も僕と結婚したかったんだね。陛下、これで白紙はなしですからね」


「…分かったよ…」


がっくりと肩を落とすお父様。なんだか可哀そうになって来て


「お父様、たとえレオナルド様の家に嫁いでも、いつでも会えますわ。だって、この国にいるのですもの」


そう言ってギューッとお父様に抱きついた。


「なんて可愛い事を言ってくれるんだ。オリビアは!そうだね、この国にいるのだから、いつでも会えるな。そうだ、最低でも王宮には週に1回は顔を出してくれ。それから、万が一何かレオナルドに対して不満があれば、すぐにお父様に報告する事。あぁ、オリビアを嫁がせるなんて、やっぱり嫌だ…」


「もう、お父様ったら。今すぐ嫁ぐわけではないのですよ。しばらくはまだ、王宮におりますし。それに、お母様やシャルルはずっとお父様の傍におりますのよ」


「そうだね。でも…シャリーは一度私から逃げた身…油断は出来ないね…」


悪そうな微笑を浮かべるお父様。どうやらまだ、お母様の事を根に持っている様だ。これは明日辺り、またお母様が監禁されるかもしれないわね。


「話はまとまりましたね。それでは明日、両家が集まって詳しい話をしましょう。陛下、必ず王妃様を連れて来てくださいよ。さすがにもう王妃様は陛下から逃げたりはしないでしょうから…」


ミシュラーノ公爵様も同じことを思ったのか、お父様にお母様も連れてくるように伝えている。


「わかっている!さすがに私も、そこまで執着心が強い訳ではない!」


お父様が反論しているが、ついこの前も監禁していたのよね…全く説得力がない。


「分かっているのならいいです。それでは、私たちはこれで失礼します。レオナルド、帰ろう」


「それじゃあオリビア、また明日。今日はゆっくりお休み」


私のおでこに口付けをし、ギューッと抱きしめてくれた。


「陛下も一緒に部屋から出て頂けますか?僕の婚約者でもあるオリビアを抱きしめて寝ようだなんて、気持ち悪い事を考えられたら困りますので」


「何が気持ち悪いだ!レオナルドに指図される筋合いはない!」


「陛下、まだ15歳のレオナルドにむきになってどうするのですか…大人げない。とにかく、皆で出ましょう。オリビア殿下、失礼いたします」


「オリビア、もし寂しかったら、すぐにメイドに声を掛けてくれ。お父様が飛んでくるから」


ギューッと私を抱きしめ、そのままレオナルド様達と一緒に部屋から出て行った。


3人を見送った後、ベッドに入る。今日は色々な事があったな。誘拐されたりして本当に怖かったけれど、まさか最後にレオナルド様との婚約が決まるだなんて。


これからもずっとレオナルド様と一緒にいれる。そう思ったら、嬉しくて嬉しくて…結局興奮してしまい、あまり眠る事が出来なかった。


翌日、公爵様が言った通り、6人が集まる。どうやらお母様は監禁されなかった様で、きちんと姿を現していた。


「まさかオリビアとレオナルド様が婚約するなんて!本当によかったわ。ねえ、セリーヌ」


「そうね、私達、ずっと子供たちを結婚させましょうねって言っていたもの。まさか本当にシャリーと家族になるなんて思わなかったわ。オリビアちゃん、私の事は、お義母様と呼んでね」


「はい…お義母様」


素直に答えると…


「きゃぁぁ!オリビアちゃんが私の事をお義母様と呼んでくれたわ。ねえ、やっぱり婚約披露パーティーは、再来月のオリビアちゃんのお誕生日がいいわよね」


「そうね、15歳のお誕生日に婚約だなんて、素敵だわ。そうしましょう」


「おい、勝手に女性陣達で決めないでくれ!」


すかさずお父様が反論したが…


「あら、お披露目は大切でしょう!王家の娘と公爵家の嫡男の婚約披露パーティーなのよ!ここはしっかりお披露目をしないと!やっぱり、公爵家で行うべきよね」


「そうね、公爵家で手配するわ!そういえばシャリーは、公爵家に来たことがなかったわね。ぜひ遊びに行って」


「まあ、それは楽しみだわ。ねえ、婚約披露パーティーに着るオリビアの衣装は、3人で選びましょう」


「もちろんよ。こういうのは女性たちが選ばないとね。オリビアちゃんの意見を聞きながら」


あまりにもお母様とお義母様の話が盛り上がっている為、全く入れない男性陣+私。


「少し落ち着いてくれるかい?それじゃあ、お披露目の日はオリビア殿下のお誕生日に、我が公爵家で行うという事でいいかな?」


「「はい、もちろんですわ!!」」


完全に女性陣達に圧倒されたお父様と公爵様。その後も女性陣達の意見の元、どんどんと話が決まって行ったのだった。

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