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第51話:エレフセリア王国と話が付いた様です

「オリビア、今日は疲れたね。万が一またあの男が部屋に侵入してくると大変だから、部屋に施錠をしておくよ。それから、護衛の数も増やしておくから、どうか安心して休んでくれ」


「ありがとうございます、レオナルド様」


ギューッとレオナルド様に抱き着く。なんだか今日は、ずっとこのまま一緒にいたい。そんな思いから、中々レオナルド様から離れる事が出来ない。


「どうしたんだい?オリビア、今日は中々離れないね。もしかして、怖いのかい?」


「はい…怖いです!私、誘拐されたとき、もう二度とレオナルド様に会えないのではないかと思ったら、ものすごく怖くて…」


気が付くと涙が溢れていた。


「ごめんね、僕が助けに来るのが遅くなってしまったばかりに。オリビアが怖くない様に、今日は君が寝るまで、ずっとそばにいるよ。だから、とりあえず湯あみをしておいで」


「本当?それならすぐに湯あみをしてくるから待っていて」


急いで湯あみを済ませる。すると、レオナルド様がいない!どこに行ったのかしら?


キョロキョロと辺りを見渡す私に、メイドが


「レオナルド様は今少し席を外されているだけです。殿下が寝るまでには必ず戻るとの事なので、どうか読書でもしてお過ごしください」


「分かったわ…」


もしかして、エレフセリア王国の国王陛下に抗議にいっているのかしら?そう思いつつ、読書をしてレオナルド様が来るのを待つ。


しばらくすると、レオナルド様がやって来た。後ろにはお父様もいる。


「ごめんね、オリビア。待たせてしまったね。今までエレフセリア王国の国王と話をしていたんだ。それで、もう二度とあの男はこの国に足を踏み入れる事はないから、安心して欲しい。それから、今さっき飛行船に乗って帰ったよ。とにかく、きつく抗議をしたからもう大丈夫だよ」


レオナルド様がそう教えてくれた。


「オリビア、怖い思いをさせてしまって、本当にすまなかったな。レオナルドに聞いたが、怖くてレオナルドから離れなかったそうじゃないか。とりあえず今回は、エレフセリア王国から多額の慰謝料と、我が国が有利になる様な貿易条件で話が付いた。本当は廃嫡にしてやりたいところだったのだが、国王に泣きつかれてな…それに、レックスがここは恩を売った方がいいとうるさいし…」


ジト目でミシュラーノ公爵を睨むお父様。


「本当に父上は考えが甘いのです。あの程度で許したら、他の国からもなめられてしまいますよ!」


レオナルド様まで公爵様に文句を言っている。


「はぁ~、陛下もレオナルドも、オリビア殿下の事になると、冷静さを欠くのだから…いいですか?今回ギャーギャー騒いであの男を廃嫡させるよりも、恩を売っておいた方がこの国にとって利益が大きのですよ。それに、他国からの評判も上がります」


「だからと言って、このままあの男をのさばらせておくなんて、私は耐えられない!」


「僕もです!父上」


すかさず反論する2人。こういう時、お父様とレオナルド様って、とても気が合うみたいなのよね。


「あの、レオナルド様もお父様も、私を心配してくださり、ありがとうございます。でも、今回は未遂に終わりましたので。それに、あの方はもう二度とこの地に足を踏み入れる事はないのですよね?それでしたら、もうよろしいのではないでしょうか?」


正直これ以上大事にはしたくない。それに、公爵様も困っている様だし…


「わかったよ、オリビアは本当に優しいね。まあ、あの国の国家収入の5年分の慰謝料も請求したし、問題はないだろう。そのお金で、国の整備も進められるし。さあ、怖い思いをさせて悪かったね。今日はお父様が一緒に寝てあげよう。既に湯あみを済ませて来たのだ。レオナルド、レックス、ご苦労だった。もう下がっていいぞ」


あら?今日はお父様が一緒に寝てくれるの?私、もうすぐ15歳なのだけれど…さすがに恥ずかしいわ…


「陛下、何を寝ぼけた事をおっしゃっているのですか?オリビアは僕を求めていたのですよ。そもそも、年頃の娘と一緒に寝るなんて、おかしいでしょう」


「何がおかしいんだ!レオナルドがオリビアの部屋に入ること自体、おかしいだろう!いくらオリビアとレオナルドを婚約させるとしても、さすがに寝室に入るのは良くない。今すぐ出ていくんだ!」


えっ?今お父様、私とレオナルド様を婚約させるって言ったわよね。一体どういう事なのかしら?詳しく聞きたい!


そう思って話に入ろうとしたのだが…


「自分は婚約期間中に、王妃様に手を出したくせによく言えますね。僕は紳士なので、そんなふしだらな事をするつもりはありません。オリビア、父親と寝るなんて嫌だよね。そうだ、僕が一緒に寝てあげるよ。その方が安心だろう」


「前から私の事をふしだらだと言って!レックス、どういう教育をしているのだ。レオナルドが国王でもある私に、酷い暴言を吐いているぞ」


「陛下、事実なので仕方ないですね。それにレオナルドは非常に優秀に育っていますよ。ただ、オリビア殿下の事になると、周りが見えなくなる節がありますが…」


「何だと!」


ついに言い合いが始まってしまった。とにかく婚約の事を聞かないと!

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