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第38話:メアリー様はとても素敵な女性です

その日のお昼休み。


「オリビア、昼食の時間だよ。さあ、こっちにおいで」


レオナルド様と一緒に昼食を食べる。


「レオナルド、俺たちも一緒に食べていいかな?」


やって来たのは、クリス様含めた数名の殿方だ。


「どうして君たちと一緒に食べないといけないんだ!僕はオリビアと2人で…」


「別にいだろう。せっかくだから、テラスで食べようぜ」


「それなら、私もご一緒してもよろしいですか?」


話しかけてきたのは、メアリー様だ。


「ええ、もちろんですわ。メアリー様も一緒に食べましょう」


少し不満そうなレオナルド様をクリス様たちが連れていく。


「オリビア殿下とミシュラーノ公爵令息様は、本当に仲がよろしいのね。お2人はどうやって知り合ったのですか?確かオリビア様は、途中まで別の国に住んでいたのですよね?」


「はい、私は9歳の時に、この国に来ましたの。レオナルド様とは、10歳の時初めて会って以降、ずっと仲良くして頂いていますわ」


「まあ、そうなのですね。ミシュラーノ公爵家は、前王妃様のご実家ですよね。確か陛下とミシュラーノ公爵はいとこ同士と聞いておりますわ」


「まあ、そうなのですか?全然知りませんでしたわ!」


「お噂によると、オリビア様はこの国に来てから、ずっと王宮に閉じ込められていたとお伺いしましたわ。さぞ退屈でしたでしょう?」


「そんな事はありませんわ。確かに街に出たいと思った事もありましたが、お父様は私に愛情をたっぷり注いでくださいましたし。それに、レオナルド様もいて下さったので、それなりに楽しくやっておりましたわ」


「まあ、そうでしたの?それは無礼な事を申しあげてしまい、申し訳ございません。ねえ、オリビア様、せっかくですから、今度我が家に遊びに来てくださいませんか?」


「まあ、よろしいのですか?一度父に聞いてみますわ」


まさかお友達がお家に誘ってくれるなんて、嬉しいわ。


「オリビア、君は王女なんだよ。侯爵家に遊びに行くなんてことは出来ないよ。どうしても一緒に遊びたいなら、王宮に来てもらうといい」


レオナルド様がすかさず話に入って来た。


「まあ、そうなのね…王女って色々と面倒だわ…それじゃあ、今度我が家に遊びに来てください」


「まあ、よろしいのですか?それは楽しみですわ」


嬉しそうに笑ったメアリー様。


「あの、私達せっかく友達になったのだから、オリビアと呼び捨てにして下さらないかしら?」


なんだか殿下呼びされると、距離感があって嫌なのよね。


「よろしいのですか?それなら私の事はメアリーとお呼びください。それじゃあ、敬語も無しにいたしましょうか?」


「そうしましょう。そっちの方が親しみがあっていいわ」


「なんだなんだ、随分と令嬢チームは盛り上がっているじゃないか。それじゃあ、俺もオリビアちゃんって呼ぶね。オリビアちゃん」


「それじゃあ俺も。オリビアちゃん」


「おい、どうして男どもまで馴れ馴れしくオリビアの名前を呼んでいるんだ。それから、オリビアに近づくな。オリビアが汚れるだろう」


すかさずレオナルド様が反論している。


“ミシュラーノ公爵令息様は、オリビアの事が大好きなのね。でも、少し嫉妬深い感じね。オリビア、ミシュラーノ公爵令息様と結婚したら、それこそ屋敷に閉じ込められるかもしれないわ”


私の耳元で、そんな事を呟くメアリー。


「あら、レオナルド様が監禁してくれるなら、私は嬉しいわ。実は私、女性に執着する男性が好きなの。いつも読んでいる小説も、そんなお話ばかりなのよ」


「まあ、それは本当?私も実は、そういった小説が大好きなの!ヒロインを愛しすぎて病んでしまうヒーローって、素敵よね…」


メアリーがうっとりとした顔をしている。


「あら、メアリーもそうなの?私達、気が合うわね。それじゃあ、明日にでも私のお気に入りの小説を持ってくるから、是非読んでみて」


「それなら、私の好きな小説も持ってくるわ。交換して読みましょうよ」


まさかメアリーもヒロインに執着するヒーローのお話が好きだなんて。その後も男性たちの存在をすっかり忘れた私たちは、執着男子の魅力について、語りつくしたのであった。

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