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世間知らずの王女は公爵令息様から逃げる事は出来ません  作者: Karamimi
本編

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33/82

第33話:国王との対面~レオナルド視点~

※シャリーとセリーヌの再開日まで話が戻ります。

よろしくお願いしますm(__)m



「レオナルド、今日母上と一緒に王妃様とオリビア殿下に会いに行ったよな。その事で、明日陛下に呼び出しをくらった。悪いが、一緒に来てくれるかい?」


オリビアの母親に母上と会いに行ったその日、少し困った顔の父上が僕にそう伝えた。


「もしかして、陛下に僕がオリビアに会っていることがバレたのですか?」


「ああ…そうだ。あいつ、面会する部屋にカメラを仕掛けて監視していたんだよ…それで、レオナルドが来ていた事もバレた」


父上がはぁ~っとため息を付いている。もしかして、もう二度とオリビアに会わせないと明日宣言されるかもしれない。でも、たとえ国王であっても、僕はオリビアから手を引くつもりはない。オリビアはいずれ、僕と結婚してこの家で暮らすんだ。


「大丈夫だよ、レオナルド。私も一緒に行くから。とにかく、しばらくはオリビア殿下には会えなくなるかもしれないが…」


父上がそんなふざけた事を言っている。


「父上、戯言を言うのはやめて下さい。僕はオリビアから離れるつもりはありません。明日、陛下にもはっきりと伝えるつもりです。それでは僕はこれで」


「待て、レオナルド」


いくら相手は国王だからって、言いなりになるつもりはない。それで僕を気に入らないと言うのなら、好きにしたらいい。でも…あの嫉妬深い男の事だ、万が一オリビアを部屋に閉じ込めたらどうしよう…とにかく、明日はうまくやらないと…


翌日、父上と一緒に登城した。


「レオナルドは陛下に会うのは初めてだな」


「ええ、姿は何度か見た事はあります」


「そうか…あいつはいい奴なんだが、王妃様とオリビア殿下の事になると、少々面倒でな。でも大丈夫だ、私がしっかりフォローするから」


そう言って僕の肩を叩く父上。王宮に着くと、そのまま国王が待つ部屋へと案内された。そういえばこの部屋、初めて父上に王宮に連れてきてもらった時に、父上と国王が話をしていた部屋だな。


そう思いつつ、部屋に入って行く。部屋に入ると、赤い瞳と目が合った。鋭い目つきで、僕を睨んでいる。


「オーフェン、レオナルドを睨むのは止めてくれ」


すかさず父上が、僕を庇う様に立ちはだかった。


「私は別に睨んでいない。レオナルドと言ったな、色々と聞きたい事がある。とりあえず座ってくれ」


国王の前のソファーに、父上と並んで座る。そして相変わらず僕を鋭い目つきで睨んでいる。まるで、恋敵を睨む様な瞳。でも僕は、そんな睨みなんかに負けるつもりはない。


「レオナルド、いつからオリビアと一緒にいるんだ?オリビアは随分君に懐いているみたいだが…」


「オリビアと出会ったのは、2ヶ月前です。たまたま丘の上で会いました。オリビアは僕を見るなり、“友達になって欲しい”と、目を輝かせて何度もお願いしてきました。だから僕は、彼女と友達になったのです」


陛下の目を見て、はっきりと告げた。


「なるほど、まるで私がオリビアを外の世界に出してあげないから、可哀そうなオリビアと友達になってあげたとでも言いたげだな。レオナルドは、オリビアを外に出してやりたいと願っているのかい?」


「僕は、はっきり言ってオリビアには、外の世界に出て欲しくはないと思っています。オリビアは、無邪気でこの国の汚い部分を知らない。本当に純粋な子です。そんな子が外に出たら…そう考えるだけで、不安でたまらなくなります。だから僕は、この王宮という狭い場所で、ずっとオリビアには過ごして欲しいと思っています」


「おい、レオナルド、お前は一体何を言っているんだ!」


「レックスは黙っていてくれ。なるほど、私も君と同じ考えだ。オリビアにはずっとこの王宮で、汚い世界を知らずに私の加護の元、過ごして欲しいと思っている。だから私は、君がオリビアに近づく事を、快く思っていない。どうかもう、オリビアに会いに来るのは止めてもらえるだろうか」


真っすぐ僕を見つめつつ、そう言い切った国王。もちろん、僕も引き下がる訳にはいかない。


「お断りします。僕は誰よりも、オリビアを愛しております。出来れば将来は公爵家に嫁いできてくれたらと考えております。たとえ国王でもある陛下の頼みでも、これだけは譲れません!陛下、あなたならわかるはずです。愛する女性を傍に置きたいと言う気持ちを!」


そう、10年もの間、王妃様を探し続けたあなたなら!そう言う思いを込めて、はっきりと伝えた。


僕の言葉を聞いて、目を大きく見開いた国王。すると次の瞬間、急に笑い出したのだ。


「ハハハハハ。レックス、お前の息子は一体誰に似たんだ。まるで若い頃の私を見ている様だ。レオナルド、オリビアは私の大切な娘だ。あの子が生まれて9年もの間、離れ離れだったのだ。だから、私もオリビアを手放すつもりはない。それでも、君の気持ちもわかるよ。だから、オリビアと会う事は認めよう。ただ…オリビアを嫁にはやらない!それだけは、はっきり言っておく」


「いいえ、必ずオリビアを貰います。オリビアは僕と結婚して、僕だけを見る様に躾けるつもりです。あなたが王妃様にした様に…」


「君は本当に私に考え方が似ているな…君の気持ちは分かったよ。でも、まだオリビアはやらん。オリビアは目にいれても痛くないくらい、可愛い娘だ。それだけは伝えておくよ。今日はレオナルドと話が出来てよかった」


そう言うと、ニヤリと笑った国王。正直言うと、今日のタイミングでオリビアと婚約出来たらと考えていたが、やはりそう簡単にはいかないものだ。それでも、引き続きオリビアに会ってもいいと言う許可を取れただけでも、良しとするか。

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