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すみかどゆずの話。  作者: マルコ
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お鍋。


暫く周辺の散策を楽しんでいた。しかし、秋の日は釣瓶落としだ。私は冷たくなった手をポケットに入れ、家路へ向かった。今日は、公園でじゃれあう犬と飼い主を見た。とても幸せそうな飼い主の表情に暖かい気持ちになった。私も犬を飼いたいとさえ感じるほどに。

冬が来て、数ヶ月が経てば新年を迎える。時間の流れを早く感じると同時に何処か虚しい気持ちにもなる。呆けていると秋風が頬を撫でた。


少し早いかもしれないが、今日はお鍋にしよう。


家につくと、さっそく鍋の準備に取り掛かる。沸騰したお湯に顆粒だしと醤油、白だしで味を調整。次に椎茸を飾り切り、豆腐は細の目状、人参は輪切り、長ネギのみじん切りなど切り揃え、鶏もも肉、白滝と次々に食材を鍋底に詰めていく。温めてアク抜きをし、これでお酒のお供の準備は完成だ。

 録り溜めた番組を見ながら鍋を突き、体を温める。あぁ。最高だ。画面の先に映る漫才師のやり取りが特に面白いわけでもなかった。でも、ささやかな幸せってこうゆうことなのだろう。そんなひと時を嚙みしめていると、インターホンが鳴った。

こんな時にどんな野暮用だ。カーディガンを羽織り、玄関へ向かうと、そこには夕方公園で見かけた犬と戯れていた瘦身長躯な男性だった。

私は、あの時眺めすぎてしまったのだろうかとなぜか心臓が縮み上がった。


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