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すみかどゆずの話。  作者: マルコ
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引っ越し

動物と人間は、種族は違えど生物という大きなカテゴリーには分類される。

脳の大きさから人間は知能がさえている。といわれる。

私は、人間はあまり好きではないのかもしれない。お世話になり、とえも可愛がってもらっただろう親戚のカメおばちゃんが死んだという知らせを聞き、地元から遠く離れていた私は葬式に出れなかった。いや、出なかったのだろうか。知らせを聞き、そうか、いい歳ではあったしな…と、お疲れ様だね。と、まるで自分に悲しみが出てこない自身をなだめているかのように感じた。

 次、おばあちゃんが死んだら、両親が死んだら、兄弟が死んだら、受け止められないだろうか、また、そうか、、の一言で片づけてしまうか。それともその後に恐怖を覚えその人を思う暇がないのだろうか。

人間や動物には等しく時間は流れ死という終わりがあり、死に際に立ち会う状況はどういう気持ちだろう。

その人を思うより、その現実が押し潰され、はたして私はその人を想えるのだろうか。

 一日ってパート仕事し、外が暗くなり夜が更けていく。ただ時間が過ぎていく。そんな毎日だ。

 一人暮らしを始めて6年目に突入。はじめは孤独や、寂しさを感じ、故郷が恋しいかった。そんな今は独身帝国状態だ。とても謳歌している。

 ある日、私は一年半付き合った彼氏と別れ、新しい出会いを求め、仕事先を変え、更に遠い引っ越しをした。付き合う前、甘酸っぱい状況を楽しんだ。しかし別れを告げてみるとなにか肩の荷が下りたような気がし、すっきりとしたような気持ちが良かった。やはり、付き合うなんて私には難しいことだと自覚してしまった。

 引っ越した先は、最寄駅から25分ほどかかる五階建てアパートの2階の角部屋。以前に比べると最寄り駅からは少し離れて落ち着いた場所だ。小学校が近くにあり、小学生の集団で帰る姿が見える。公園は斜向かいにあり、とても気に入っている。引っ越して15日、家具もだいぶ落ち着き、仕事先を探していた。求人サイトを見ると職種が豊富でどれも目移りしてしまう。気分転換に外へ散歩に出かける。

一面は黄葉がつき、肌寒い。芋のおいしい季節だ。

高校生の男女が帰り道、手を繋ぎ、帰っている。微笑ましい。もう歳なのだろうか。肩を並べ歩いていたあの頃が遠い昔のことのようだ。

 


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