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転生

 「おい、成宮金貸せよ。」

成宮仁は学校の放課後、屋上で4人の不良グループに恐喝されていた。

「やだよ。この前も貸して返してもらってないよ。」

「うるせえな、お前は黙って金出せばいいんだよ!!」

不良グループの1人が怒鳴り、成宮の腹部を殴りつけた。

「うぐっ。」

成宮は殴られた腹部を抑え蹲った。

「これ以上痛いのは嫌だよなー!!早く金出せよ!!」

不良達は蹲った成宮を蹴りながら恐喝していく。


(はぁ。なんでいつも俺はこんな目に遭うんだ……もうこんな人生耐えられない。)

成宮は蹴られながら覚悟を決め殺意に満ちており、懐にしまっていたナイフを出し不良達に襲い掛かった。

不良の1人は急に反撃され、すぐに反応できず腹部を刺された。

「え、、」

腹部を刺された不良は少しの間何がなんだが分からず思考が停止ししていた。

「おい、こいつナイフ持っているぞ。」

他の不良達が刺された仲間を見て驚き、尻餅をついていた。

その隙を成宮は見逃さず他の不良達を刺した。屋上の一角は血の海となり不良達は死んでいた。


「はぁはぁ」

成宮の心臓はバクバクと鳴り、息を切らしていた。不良グループを殺害した事に少しの快感を覚えていた。

「……俺も人生を終えるか。」

一呼吸置き屋上の策を飛び越えそのまま落ちた。


 目が覚めると、そこは見知らぬ天井であった。

「死ねなかったのか……」

死ねなかった事に後悔をしていると誰かから声を掛けられた。

「目が覚めたか、良かった!!」

声を掛けてきた方向を見るとそこには大柄な男が立っていた。

「誰?」

思った言葉が口に出る。

「気を失った影響で記憶が混乱しているのか、無理もない大量の魔物に襲われ魔法を限界まで使ったのだからな……」

大柄な男から意識を失った経緯を説明され少しずつだが脳が働き始めた。

大柄の男の名はグレンといい、自分の名はジンというらしい。鏡を見て容姿が違っており、外の風景から今までいた場所ではないと感じ転生したのだと分かった。

グレンとは昔からの付き合いらしく昔話のように色々と教えてもらった。

ジンは18歳で魔法剣士、グレンも同じ18歳で大剣使いであり2人共闇ギルドに所属していた。

闇ギルドは今いる国、ディザイン王国でも上層部しか知らず国に黙認されているギルドである。直属ではないが国の暗部的な組織であり、表立って動けない事案や難易度が高すぎて冒険者ギルドでは対処出来ない依頼をこなす少数精鋭部隊との事だった。

闇ギルドの任務中に予想外の大量の魔物に襲われ撃退するも俺が気を失った為近くの町の宿屋に入ったとの事だった。

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