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旅の終わり

作者: 蟹山カラス
掲載日:2021/03/13

 旅が終われど怨嗟は消えぬ。

 濁りきったそれは■の中で渦巻き、ぐるぐると回り続ける。

 もう恨む元気すらないと思っていた。そんなことをしても無駄だとわかっているからだ。

 なのにそれが消えてくれないのはどういうわけだろうか。

 一巡前の私は死んだ。遠く、遠くにかすれて消えた。それだけがわかっていること。

 前の記憶はなくなった。引き継ぎを失敗したのか、ぼんやりかすれて思い出せない。

 ふとしたとき、スイッチが入ったかのように繰り返される壊れた記憶。

 それがいつのものだったのかはわからない。ただ、不要だ、と思うだけ。

 いつまで恨み続けなければいけないのかもわからない。無残で無駄で無意味なことを。

 恨まなければいけないと思っているのかもしれない。そうしないと申し訳が立たないと。

 それは誰に?

 忘れてしまった。

 畢竟、忘れてしまった方が人生は幸せなのだ。

 本当に?

 わからない。黒々とした怨嗟が渦巻くだけ。

 喧噪は遠く。

 二度と戻ることがなければ良い、と思う。

 思うだけ。

 纏わり付いて離れない、黒々としたものたち。

 それらを引きずって歩くだけ。

 終わってなどいない、永遠に続くのだろう。

 この旅は、ずっと。

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