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かわいいこ、には旅をさせよ。

作者: 蓬田

保護シートに覆われた画面をそっと指でスライドする。

”いらっしゃいませ”

本日の()はどんな物語があるのだろう。そっとのぞいてみよう…


手を伸ばして2,3度枕の下を探り、ボタンを押す。

眠い目をこすると画面には8:00の文字。


せっかくの一人暮らしなのに、家賃との兼ね合いで結局契約したのは会社から電車で1時間のこのアパートの一室。東京は便利だから、なんてうたい文句にまんまと騙された、と気が付いた時にはもうとっくに花は散り、爽やかな風が感じられる季節が来ていた。花粉症だから、という理由で掃除をサボっていた狭いベランダにもどこからきたのか黒っぽいホコリがちらほらこびりついていた。


今日は会議の日か、と自分に言い聞かせるようにつぶやくとパジャマ代わりのTシャツを脱ぎ、ブラウスに袖を通す。ゆっくり起き上がると、ふらふらと洗面台に立ち、身だしなみを整える。頭の先からお腹の辺りまで映る自分と目が合うと少し目が覚めた。


昨日、帰りのコンビニでついつい買ってしまった新商品、の文字がついたパンをほおばり、リモコンに手を伸ばす。天気予報は晴れ。傘はいらないな、とまだまだ新品のように見える黒いバッグから青い折り畳み傘をテーブルの下に出した。冷蔵庫のお茶を一口、作り置きしていたお弁当をバッグに詰め込み、もう一度洗面台で歯磨きをした。


ゴン!

記憶する限り、転んだことなんてないはずなのに、なぜか今日に限って足を滑らせるとは。


立ち上がって靴を履こうとすると、光る床に目が向いた。

一人暮らしだからこそ、もっと大切に生きないといけないような気がして、玄関を出る。


明日はベランダを綺麗にして、たまった洗濯物を片付けよう。空の青さがまぶしい4月の終わり。

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