とりあえず侍。…突然吐くのはやめてくれ!
ここは、魔王城の近くにある最果ての地。
今日も勇者一行は悪しき魔王を倒すために最果ての地突破を目指す。
「ふぅ…。一段落ついたみたいだな!今のうちに少し休憩するか!」
「そうでござるな。では、某はちと鍛練をしに行くでござる」
「いや、休憩しようよ!?さっきまで『魔物の千人切りやって疲れたでござる』って言ってたじゃん!」
「む?そんな事はないでござるよ。今でもっゴファ!?」
「侍!?大丈夫か!血が、まさかどこか怪我を!」
「…落ち着くでござる。これは血ではなく先程の戦闘中に飲んでいたトマトジュースでござる。」
「紛らわしいわ!?つうか、何で戦闘中にジュース飲む暇あったの!激戦だったじゃんか!」
「勇者よ。我々侍の心は常に常駐戦陣でござる。故に例え死と隣り合わせである激戦であっても日常と何ら変わらんため、問題はないのでござる。」
「侍…。…それって、カッコよく言ってるけど要はサボってたってことか…?」
「ギクッ!」
「おい、何だそのわざとらしい擬音わ!!」
「いや、待つでござる勇者よ!我は必死に戦っていたでござるよ!」
「…おう、そういうならお前今日の戦闘で何処にいた?」
「………」
「…さっきの戦闘でもいいぞ?侍はいつも『我の斬撃はフレンドリーファイヤァーをしやすいため、離れて戦うでござる』って言ってるよな?で、何処にいた?」
「…えっとその、ほら、あれだよあれ。あの、地下の世界で巨大ワームと戦ってた的な?空にいる超巨大飛行生物と殺りあってた的な?」
「そうか…、それは大変だったな!」
(嘘かよ!こいつ今の嘘信じやがったのか!?)by侍
「すまない。疑うような真似をして!どうも連戦続きで精神が参ってたみたいだ。お前に八つ当たりをしてしまった…」
「あ~、その、気にするな!大丈夫だ、俺は気にしてない!」
「っ!侍、お前って本当に良い奴だな!」
(ぐっ、罪悪感が…。本当は魔族領に入ってからまともに戦闘をしていないんだが!すまんな勇者、俺は少しでも楽がしたい。)by侍
「…でもどうした?語尾と一人称が変わってるぞ?」
「そんな事はないぞ勇者。我は我である。…だろ?」
「そうか、俺の勘違いだったようだな!これからもよろしくな!」
「合い分かった、もちろんだ!」
勇者と侍が固い握手を結んだ!!
「…ねぇ?この漫才何時まで続くのぉ?」
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