花束とはさみと流血
ありがたいことに、花束を頂ける機会があった。一人暮らしの女子だったら花を飾ったら女子力高いのだろうが、私の部屋は生憎日当たり良好でお花を飾るのには不向きなのだ。それを理由に花のない生活をしていた。
花のある生活って良いものだ。室温が上がりにくい玄関先に飾っているのだが、狭い部屋故全体に花の生気がみなぎっている気がする。以前、フラワーアレンジメント体験教室に参加した時に先生が「花の生気はアンチエイジング効果がある。」と仰っていたけれど本当にその効果がありそうだ。
だから、できるだけ花を長く日持ちさせたいと思い、毎日花瓶の水を替えてさらに氷を入れてなるべく高温状態を回避できるようにしていた。
数日飾っていると茎が弱ってくるので、体験教室で教わった通り弱った部分を切って余計な葉っぱをもぎとり、短くなって長さがそろわなくなったものは小さいサイズの花瓶に分けて飾った。
使い終わったはさみをしまおうと、錆びないように濡れて強いる部分をティッシュペーパーで拭いていたら、勢い良くすっと歯の部分に滑らせてしまい、親指の腹を切ってしまった。予想外の事でとても痛みを感じた。歯の上を滑らせただけだから、傷は浅いが思っていたより出血が多かった。一般的な絆創膏では出血に対応できず、消毒をしてプロテクター絆創膏で止血した。その後、すぐに出血は止まったが丸一日少々腫れて痛みがあった。
だが、はさみですぱっと切ったので、2日目からはあっさり傷がふさがった。少々違和感はあるが、生活に支障はない。
花を飾るって、粗雑にハサミを扱う様な人には難易度が高いことなのだと思った。もっと落ち着いて一工程を進めなければ、私の女子力がどれ程のものなのか痛感させられた。これを機会に、そろそろ落ち着いてどんな環境でも花を飾る余裕のある女性になりたいと思う。
良い大人が二度もはさみで指を切ってしまうとは……。(※ひとびと第34部分)恥ずかしい。