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ひとびと2  作者: はちみつ
はちみつ日記2
31/62

鼻にはレーザー

新型コロナ禍になる前の話。

 慢性的な鼻炎を持っているので、無意識に口呼吸をしてしまい結果扁桃腺を腫らして、年に何度も耳鼻咽喉科にお世話になっていた。何度目かの診察時にとうとう医師からレーザーで粘膜を焼いてみる言う治療方法を進められた。

 レーザーで焼くってとっても痛そうだ。かなり若いころに、スギ花粉の症状で悩んでいる人がやってあまり効果がなかったと聞いていたし、躊躇してしまった。この時は考えてみますと言って帰った。

 かかりつけの内科の先生に相談してみた。結果やってみないとわからない。効果がある人には効果があるとの事だった。

 だが、鼻の粘膜をレーザーで焼いて新しい粘膜が生えて来るのをまって改善をする治療法だから、今と同じ粘膜が生えてしまったら効果がないと感じるらしいとの事。

 それから、余り間を置かずしてまた扁桃腺を腫らしてしまったため、医師に再度レーザーでの治療を進められた。この時はさすがに、内科医のアドバイスを聞いて賭けなんだなと思って、キャンブラーではないが、この医師の腕に賭けてみることにした。

 通常このクリニックは予約制ではなかったが、レーザー治療は予約が必要とのことだった。通常の診察時間とは別に行っている様だ。

予約日にクリニックに行った。この日は私以外の予約している患者はいない様子だった。

 医師からの説明では、鼻にガーゼを詰めて麻酔をし、麻酔が効いてきたら来たらレーザー治療を行う。小学生でも施術しているそうなので、それほどの痛みはないらしい。この言葉を信頼して臨んだ。

 まずは、医師の言った通り鼻に麻酔用のガーゼを7~8枚くらい詰められたが、一枚ずつ丁寧に詰めてくださったので、思っていたほどの圧迫感はなかった。そのまま麻酔が効くまで10分程度待った。ガーゼに含まれている麻酔液がのどに降りてきたら飲み込まずにトレーに吐き出すようにと指示があった。トレーを手にただただ待つ。口呼吸しているから、苦しくはない。

 10分経過後、診察室に呼ばれレーザー治療が始まった。アイマスクをして頂き、施術が見えない様に配慮して頂いた。鼻に詰めていたガーゼを一枚ずつ取り出し、医師と看護師とで詰めた枚数と相違がないかしっかり確認していた。これだけで、とても信頼できるクリニックだと思えて心の麻酔になった。レーザーで焼いているときは、焦げ臭いにおいがするが、麻酔のおかげで痛みは全く感じない。でも、自分が焦げ臭いってとっても違和感があり早く終わって欲しいと思った。動いて治療がしにくくならない様にじっと時が経過するのを待つのみ。医師と沢山のスタッフさんが動いてくださっていることが見えないながらもわかった。

 アイマスクがなかったら、途中で目を空けてしまって機材を見たら恐くなっただろうと思った。

 やっと右の穴が終わって左の穴もやってもらった。どうやら私は左の方が粘膜の状態が悪く、医師が少々てこずっている感じであった。状態が悪くて申し訳なくなった。

 アイマスクをしていたから、時間がどの程度かかったかはわからなかった。

 焦げ臭いにおいから解放されたが、医師から今日は風呂に入らず、洗髪禁止。シャワー浴は許可できるが、鼻の中に水が入らない様に気を付ける様にと指示があった。

 次回の診察は1週間後。その間に、粘膜にかさぶたができるが絶対に無理に取らない事。処方した薬は必ず飲み切る事を指導された。お会計は一万円でおつりが来た。ちゃんと健康保険適応されていた。

 この時点では、麻酔が効いていたのでしんどい感じはない。

 調剤薬局によって処方された薬を受け取ったときに、薬剤師さんより「あの先生はレーザー上手なんですよ」と言われる。このレーザー治療は未来永劫の物ではなく、3年くらいで元に戻ってしまうと聞いていたが、5年くらい持っている人もいるとの事だった。お薬のお値段は忘れてしまった。麻酔のせいでちょっとぼーっとしていたせいだろうか。

 自宅に帰って1時間以上経過したら、とたんに滝の様な鼻水が出てきた。時間とともに鼻の穴が腫れている様に見えてきた。微熱程度ではあるが、体が熱っぽく感じたのでシャワーを浴びて寝てしまう事にした。指導のとおり、洗顔中に水が入らない様に十分注意した。

 だが、滝の様に鼻水が出るのは翌日まで続いた。

 3日目くらいまで、鼻の中、粘膜が腫れているのを感じがして、だんだんとかさぶたができているのがわかった。かさぶたって凄く厄介な感じ麻酔のガーゼをつめられたときの数十倍は苦しい。

 1週間後診察に行ったら、医師がかさぶたを取ってくれた。自分の鼻から巨大なかさぶたが出てきたときは、とてもビックリしたが改めて、この巨大なものが鼻に入っていたのだから、厄介と感じても仕方がないと思った。取って頂いた後はとてもすっきりしたが、まだすべてかさぶたができていないので、腫れもあるし粘膜が安定するまで数か月かかるかもしれないと言われた。また新たなかさぶたができるのかと思ったら、ちょっと気持ちが↓になってしまった。賭けに出たとはいえ、素敵な粘膜をゲットするのって大変なことだったのだと感じた。次回の診察はまた1週間後。また、自分で無理にかさぶたを取ってはいけないと指導を頂いた。

 この1週間の間に、洗顔の際に左側のかさぶたが自然に取れてしまった。「自分では無理に取らない様に」と指導を受けていたので、ちょっとびっくりしたがすっきりしたので次回診察時に報告したら、「自然に取れるのは良い」との事だった。

 このかさぶた取りをこの後2度ほど行い、私の粘膜は落ち着いた。

 結果、レーザー治療を行ってよかった。鼻炎はかなり解消され、扁桃腺を腫らす回数が減った。定期的に抗生薬を飲まなくなったせいか、腸の調子も良くなった。賭けは吉と出たようだ。

 今年のスギ花粉の時期も、殆ど症状が出ずに終わった。花粉が飛んだ量も少なかったようだが。。。

 思い切って賭けに出てよかった。

 今思い返すと、あの時にレーザー治療を受けられてよかった。今だったら新型コロナの影響で、手術の予約ができなかっただろう。医師の言う事はきちんと聞いて置くものだと思い知った。ありがとうクリニック。ありがとう医師。スタッフの皆さん。

 早くコロナの感染が抑えられ、医療従事者の方々の大変な状況が改善されますように。

命がけの業務から一刻も早く解放されますように。

 そして、賭けに出てレーザー治療する方が吉と出ますように。

 鼻呼吸できるって素敵。

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