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5 覚醒する勇者2

 次の瞬間、ユーノは元の場所に戻っていた。


「これは──」


 体が、軽い。

 力が湧き上がってくるようだ。


 自分が以前よりもはるかに強くなったことを実感する。

 見上げれば、巨大な竜──ラギオスがドラゴンブレスを放とうとしていた。


「──ふん」


 鼻を鳴らすユーノ。


 もはや恐怖は感じない。

 ラギオスごときでは、自分を殺すことはおろか、傷つけることさえできはしない。


 そんな圧倒的な自信と確信があった。


「消えろ、勇者!」

「笑わせるな。消えるのは君だ」


 ユーノが右腕を掲げる。

 そこからあふれだした輝きが、ラギオスのドラゴンブレスを包みこみ、吹き散らした。


「ば、馬鹿な!」


 叫ぶ巨竜。


「俺のブレスが……かき消された!?」

「なるほど、これは単なる【光】じゃない」


 ユーノは新たな腕で剣を握った。


 腕の表面からワイヤーのようなものが何本も飛び出し、アークヴァイスに絡みついた。

 まるで腕と剣が一体化したような感覚が訪れる。


 新たな腕と聖剣が共鳴しているのが分かった。


「そうか、これが──これこそが、聖剣の本当の力! そして、本当の使い方だ!」


 ユーノはアークヴァイスを振り上げた。


「さあ、消えろ! 邪悪な魔族よ!」


 凛と叫んで聖剣をまっすぐ振り下ろす。

 ほとばしったのは、まばゆい虹色の光。


「ちいっ、防げ! 『封魔の紋章(バリアクレスト)』!」


 ラギオスが叫んだ。

 同時に、巨竜の全身を光の幕が包みこんだ。


 彼は体内に『封魔の紋章』と呼ばれる宝具を埋めこんでいる。


 毒や麻痺などあらゆる『状態異常』を無効化し、物理や魔法に対して累積で30000ダメージを受けるまで装備者を守り続ける効果があった。


 対するユーノのアークヴァイスは一撃につき6000ダメージほど。

 一度や二度ではラギオスの防御を突き破れない。


「だけど、強くなった今の僕は違う」


 ユーノは笑みを深めた。


「『封魔の紋章』ごときで今の僕は止められない! もう一度言うぞ、ラギオス──消えろ!」


 虹色の斬撃波はラギオスの前面に浮かんだ光の幕を一撃で切り裂く。


「ば、馬鹿なぁぁぁぁぁぁ……っ……!?」


 蒼き竜はまばゆい輝きに呑まれて、あっけないほど簡単に消滅した。




 そして、ユーノの快進撃は始まった。


 ルーファス帝国を襲っていた魔族軍をあっさりと全滅させると、次に隣国のリビティアを攻めている魔族軍のところへ向かった。

 こちらは吸血鬼の真祖フランジュラスが率いる軍である。


「滅せよ、魔族!」


 アークヴァイスから発せられた虹色の斬撃波が、数千の魔族を一瞬で吹き散らす。

 今までの聖剣とはけた違いの威力だった。


『今まで以上に【光】の力を引き出せているな。本当の「真の聖剣」の力を』


 ユーノのかたわらでヴァーユが満足げに笑う。


「くくく……この力があれば、もはや僕に敵はいない」


 ユーノも笑った。

 口元がひきつったような、歪んだ笑みだった。


 城に引き上げた後も、戦勝の高揚感は続いていた。


「クロムくんに腕を落とされた恨みは忘れていない……」


 気持ちの高ぶりは、かつての友に対する思いをも高鳴らせていた。

 怒り、屈辱、そして──。


「早くこの力で復讐したいよ」

『焦る必要はない。お前たちは引かれ合い、再会を果たすはずだ。遠からず、な』


 と、ヴァーユ。


『それが【光】と【闇】の宿命だ』

「あら、独り言? ユーノ」


 部屋に入って来たのは、ファラだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] だんだんと悪役っぽくなってきた。
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