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王子様のロマン(シナリオ版)  作者: 運転手
1年 1学期
8/28

5月2週目

ボブ子

「いってきまーす」

セミ子

「いってきまーす」

 セミ子と別れて、自転車にまたがる。今日も一日がんばるぞ。





 [・・・ロードします・・・]





 お昼休みだ。どうしようかな


選択1⇒教室

選択2⇒屋上

選択3⇒職員室



●屋上

 屋上に行こうかな。

 よくサルシス君が屋上に行っているみたい。いつも鍵がしまっているけど、サルシス君と一緒だったら出られるかな。見に行ってみようかな。

 廊下に出ると、ちょうどサルシス君が屋上の階段を上っていくのが見えた。

 そのまま追いかけていこうとしたとき、肩を叩かれた。

 振り向いてみると、啓太先輩が立っていた。


ボブ子

「啓太先輩、どうしてここに?」

桂木啓太

「たまたま通りがかったんだ。ところでボブ子さん、屋上に行こうとしていたように見えたけど」

ボブ子

「えっと、はい。興味があって」

桂木啓太

「屋上に行くのはやめた方がいいよ」

ボブ子

「どうしてですか?」

桂木啓太

「知らないかな、屋上の噂」

ボブ子

「噂?」

桂木啓太

「うん、七不思議の1つにね、屋上に行って帰って来なくなった生徒の噂があるんだ」


 啓太先輩はとても真面目な顔をしてそんなことを言った。

 七不思議なんて初めて聞いたけれど。それに啓太先輩がそんなのを信じる人には見えないんだけどな。

 そんな私の気持ちを読んだように、啓太先輩は言葉を続ける。


桂木啓太

「よくない噂っていうのは、その真偽自体はどうでも良いんだ。何だろうと良くないことが起きているから噂が立つんだよ。……それに誰もいかないから屋上のフェンスだって脆くなってるかもしれないしね。もしボブ子さんに何かあったらなんて、心配になっちゃうよ」

ボブ子

「啓太先輩、心配性なんですね」

桂木啓太

「うん、それでいいから……。お昼休みも終わるし、教室に戻ろう。それから、もう屋上には近づかないって約束して、ね?」


 啓太先輩がにっこり笑いながら顔を覗き込んできた。おもわず頷くと、啓太先輩が肩に置いた手で教室の方に押してきた。


桂木啓太

「さ、戻ろう。約束、破っちゃ駄目だよ?」


 啓太先輩ってとっても心配性なんだなぁ。それに七不思議みたいなのを信じてるのも、ちょっと意外だったかも……。





 [・・・ロードします・・・]





 帰りのホームルームの時間になった。


伊藤忠良

「今日も一日お疲れさまでした。明日また会いましょう、さようなら」


 さて、放課後になったことだし……


選択1⇒「部活」

選択2⇒「校内散策」



●校内散策

中庭のベンチでゆっくりしようかな。今日は太陽が照って暖かいし、絶好の日和よね。

そう思って行ってみると、既に先客がいた。その先客は――まるまると大きく、つぶらなプラスチックの瞳を光らす、茶色のクマの着ぐるみ。クマ先輩だった。

 クマの膝の上には、中庭の住人である猫が丸まっている。


エンクマ

「なぁ、猫……。俺の所属している演劇部にさぁ、すっげー後輩が入ってきたんだよ」

ネコ

「にゃあ」

エンクマ

「すっげー演技もうまくて華やかでさぁ。いや、それはいいんだ。多少は嫉妬する気持ちがあるが、頼もしい後輩が来てくれて、俺はうれしい」

ネコ

「にゃあ」

エンクマ

「でもさぁ、なんか俺、無視されてるんだよね。嫌われてるの? 熊? 熊がいけないっていうのか?」

ネコ

「にゃあ……にゃにゃにゃにゃにゃあ」

エンクマ

「ああ、はいはい。愚痴を聞いたお駄賃の、購買の缶詰だぞぉ」


 猫と楽しそうに話すクマ先輩を邪魔する気にはなれず、私はそっとその場を後にした。




 [・・・ロードします・・・]






 家に帰って人心地ついたら、小腹が空いちゃったな。

 お菓子でも持ってセミ子のところにでも行こうかな。


セミ子

「あ、お姉ちゃん。おかえり」

ボブ子

「ただいま。おやつにしよう」

セミ子

「うん。ところでお姉ちゃん、今日の学校はどうだった?」

ボブ子

「可もなく不可もなくかな」

セミ子

「なぁんだ。……そういえば来週から雨が降るらしいよ」


 セミ子に言われて、もうすぐ梅雨の時期なのかとため息をついた。あんまり雨は好きじゃない。

 それはセミ子も同じで、私たち姉妹はどちらもくせっ毛だから梅雨の時期の朝は大変なのだ。

 来週が憂鬱だなぁ。

隠しキャラのフラグを立てました。

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