表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王子様のロマン(シナリオ版)  作者: 運転手
1年 2学期
25/28

10月4週目

10月の2週目と3週目は省略しました。

ボブ子

「いってきまーす」

セミ子

「いってきまーす」


 セミ子と別れて、自転車にまたがる。今日も一日がんばるぞ。





 [・・・ロードします・・・]





 お昼休みだ。どうしようかな。


選択1⇒教室

選択2⇒屋上

選択3⇒職員室



・職員室

 そういえば先生に用事があるんだった。職員室に行こう。


伊藤忠良

「あれ? どうしたの、五津木さん」

ボブ子

「実はこのプリントのことでお話が――あれ、先生。きれいなお花ですね」


 先生の机には綺麗な花が飾られていた。


伊藤忠良

「カトレアだよ。この花はとても派手で目を引くでしょう? 気分も明るくなるよね」

ボブ子

「本当ですね! あ、そうだ。それで用事なんですけど――」


 先生とお花に癒された。

 午後の授業も頑張るぞ。





 [・・・ロードします・・・]





 帰りのホームルームの時間になった。


伊藤忠良

「来週から宿泊旅行ですね。もう皆さんは準備できていますか? 集合時間には遅れないようにね。それじゃあ、さようなら」


 そういえば、来週はもう宿泊旅行か。日曜日に旅行に必要な物でも買いに行かなきゃね。

 さて、放課後だけど……。



選択1⇒「部活」

選択2⇒「校内散策」



●「校内散策」

 図書館にでも行こうかな。

 図書館へ行ってみると、いつものように本を読んでいる人――八十君がいた。近づくと、こちらに気付いた八十君がぺこりと頭を下げた。

 

練絹八十

「こんにちは、五津木さん」

ボブ子

「こんにちは、八十君。今日は何を読んでいるの?」

練絹八十

「『幸福の王子』です。王子様の像は、自分の持っている財をツバメに運ばせたんですよね。でも、このツバメは王子様から何も受け取っていないような気がします。それでもいいのですか?」

ボブ子

「うーん。ツバメは何も受け取っていないようで、報酬を受け取っていた……っていうのが一般的な解釈だと思う」

練絹八十

「報酬、ですか? それを王子はツバメに渡したんですか?」

ボブ子

「王子様が意図的に渡せたのかはわからないけど。報酬っていうのは、目に見えないもので……たぶん、愛とか信頼とかのはずだよ」


 私も詳しいことを知っている訳じゃないけど、でも普通はこういう感動話はそういう展開だ。よくスピーカーから、愛が一番大切だとも歌われているし。

 この王子様のようにお金を引き換えにしてまで愛を得ようとはなかなか思えないけど。あれ、この王子様は無償で金を与えたんだっけ? ツバメが労働力と引き換えに愛を得たんだっけ? それとも愛を得たから、代償を払ったのかな?


練絹八十

「また、愛ですか。よく童話に出てきますね。とても曖昧な表現です」

ボブ子

「確かにそれが何かって説明できないよね。ツバメにとっては、何が愛だったんだろう」


 ただ傍にいられることとか、話ができるっていうこと? そんな単純な行為の奥に、愛とかいうものが隠されているのかな?

 しきりに首をかしげてページをめくっていた八十君は、ぴたりと手を止めて顔を上げた。


練絹八十

「声を聞くだけでいいと、そう思えることが愛なのでしょうか? ……確かに、もう一度聞くためなら、私はツバメのように働ける気がします」


 八十君はすっかり何かに納得してしまった様子。さっきまで私以上に、理解できてない様子だったのに。

 何を、思ったんだろう? 気になるなぁ。





 [・・・ロードします・・・]





 家に帰って人心地がついたら、小腹が空いちゃったな。お菓子でも持ってセミ子のところにでも行こうかな。


セミ子

「あ、お姉ちゃん。おかえりなさい」

ボブ子

「ただいま。おやつにしよう」

セミ子

「そうしよう! ……そういえば、お姉ちゃん」

ボブ子

「なに?」

セミ子

「来週から宿泊旅行でしょ? 準備したのってお母さんが聞いてた」


 言われなくても、ちゃんと自分で準備しようと思っていたし……。やる気だったところに口を出されるとムッとしちゃうことがあるよね。


ボブ子

「ちゃんと買い物しにいくもの、この週末に」

セミ子

「前は前日の晩になって必要なものが足りないってわかって、お母さんがママチャリで爆走して買いにいってたもんね」

ボブ子

「そんな前のこと、わざわざ言わなくていいの!」


 言い訳できないけど素直に聞きたくない私は、わざとらしく不機嫌になっておやつを口に放り込んだ。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ