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死して屍、生き返りて鉄  作者: Rufe
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第2話 現状確認

闇の中に落ちていくような眠りから目覚めた私が見た景色は覗き込む二人の人物の顔であった。

そう認識したとき小さな違和感を感じた。

理由は簡単、視野が広がっているからだ。

「お、起きたぞ!だ、大丈夫安心しろ~」

「今日から私達が、貴方の新しいママとパパでちゅよ~」

うん、気持ち悪い。最高級に最上級に究極的に気持ち悪ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!!!!!!

だが自分の意志とは関係なくこの体は泣き叫んでいた。

まるでそう、赤ん坊の鳴き声のようななきごえであった。

本当に・・・・・落ち着く瞬間が全く存在しない・・・・・。

一つの疑問も解けていないのに、新しい疑問が倍々方式で増えていく。

いい加減にして欲しい・・・自分はまだ一つも解明できていないと言うのに・・・・私は名探偵ではない一般人にはこの問題量は許容量をゆうに超えている。

ため息が出ないことがもどかしい、今なら一時間ずっと出し続ける自信がある。

だがこの疑問が解けるのは数ヶ月後になるのであった・・・・・

それまでの間私は、突然鳴り出す目覚まし時計の様な音と、それをなだめようとかいがいしく世話する謎の二人組の気色悪い赤ちゃん言葉によって精神をゴリゴリと削り続けていた。

そんな地獄と言われても信じられる様な日々の理由が分かったのは突然であった。

視線が急に動き出したのだった。仰向けから半回転して進みだしたのだ。この動きは、俗に言う這い這いであった。

そのまま、私が信じたくない姿を映しだした物俗に言う「鏡」に興味を持ったかのように視線は進んでいく。

そこに映し出された真実は、私の知りたかった答えを無情にも映し出してくれた。

奇麗な藍色の左眼と黒色のまるでそう日本人の眼の色ような右眼、そして似つかわしくない骸骨のような意匠の指輪を左指に嵌めた赤ん坊の無邪気な顔が写っていた。

こんなふざけた物を見たのに、私の心の中は冷たい冬の風の様に冷静であった・・・それも当然だ、ある程度の予測は立てていた。

それでもその予測の中でも一番最悪なもの、そう赤ん坊の体の一部になるという予測が当たってしまったのが唯一の想定外の出来事だ。

私はこれから起こるであろう地獄の日々をどう切り抜けるか、今から無くなってしまった胃が痛み始めるような気がし始めた。



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