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始原の魔術師〜時を旅する者〜  作者: 小さな枝切れ
第5章 霊峰竜角山攻略
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霊峰のゴールドドラゴン

「手強かったなぁ」

「あれで手加減されていたんですからね」


なんか気が抜けている気がする。

まぁそれは俺も同じか。だけど魔力無効がこれほど俺にとって脅威になるとは思わなかったな…

これは本格的に始原の魔術をなんとか使いこなさないと、この先俺、戦えなくなるんじゃないか?だけどどうやって…



そんな事を考えているといつの間にかエラウェラリエルが隣に来ていて俺の腕に手を絡めてきた。


「大丈夫、貴方は十分強いです。足りない部分は私達が補います。だから…」

「分かってるよ、ウェラ」


まったく…相変わらずウェラは勘が鋭いな。

でも正直なところ俺の強みって始原の魔術取ったら何が残ってるんだ?杖術があってもそろそろマルスに勝てるかどうか怪しく思うし、騎士魔法を使いこなしているセッターにだって正直負けそうな気がする。

賢人の腕輪の力はあと1つ残っているが、それで強くなったとしても所詮アイテムに頼っているだけで、今回みたいなアイボールのように魔力無効を使う奴と対峙したら無力に等しい。

騎士魔法は自力で扱えるようになっているかまだ試していないけど、早めに習得しておけば学習はしていくんだったよな…


っ!考え込んでいたらエラウェラリエルに腕をつねられた。


「ハハ、ごめん」




永遠と思える通路を進んでいくと見覚えのある広間に出る。


「ここは…

いや違う。そんなはずはない」

「サハラさん?」


そこは金銀財宝こそないが、ルースミアと初めて会った場所に酷似していた。そして、


「よく、ここまでたどり着きましたね」


そこには赤ではなく金色に輝く鱗を持つルースミアと同程度の大きさのドラゴンがいた。


「で、デケェ…」

「ほえー」


俺はルースミアのドラゴンの姿を見ている為そこまでの驚きはなかったが、セッターもエラウェラリエルもその大きさに驚きを隠せない。ただレイチェルだけは1度だけルースミアのドラゴンの姿を見ている事もあってそこまで驚いている感じは見られなかった。むしろルースミアを思い出しているかのように守護のローブを掴んでいた。


ゴールドドラゴンは1人ずつゆっくりと見つめていく。


「妖精剣アルダを持つ者に7つ星の剣を持つ者、それにハイエルフ…ですか。騒然たるメンバーが私に何の用でしょうね?」


ゴールドドラゴンもまたルースミアと同じように会話を楽しむようだ。


「マスター…」


全員が俺を見つめてくる。頷き一歩前に出る。

ゴールドドラゴンはマルスかセッター辺りが話しかけてくるとでも思っていたのか、意外そうに俺を見つめてくる。



「霊峰竜角山のゴールドドラゴン、貴女の助力が欲しい」

「随分といきなりですね。ですが私が何故人に力を貸さなければいけないのでしょう?」

「俺は、【自然均衡の神】の代行者サハラと言います」

「…サ、ハラ…」


何か言おうとしたようだが、途中で言葉を飲んだような為、俺は助力を求める理由、レフィクルの事、神々がやろうとしている事を話した。

ゴールドドラゴンは話を折ることなく聞いている。


「人と人の神の争いに私達まで巻き添えとは全くもって身勝手な話ですね。

お断りします…と言いたいところですが…」


俺をジッと見つめ、溜息をつくようなそぶりを見せた後


「私には断れないようですね」

「え?それはどう言う事ですか?」

「…もしサハラと言う名の者が助力を求めて来たら絶対に手を貸すようにと…」

「…あははははは」


俺は引きつりながら笑いながら仲間を見回すと不思議そうに見てくる。その中で俺と同じように引きつった笑いを浮かべているのがレイチェルだ。


「…その様子では間違いはなさそうですね」

「えぇ、心中お察し申し上げます」


ルースミアの手回しのおかげで本来なら断られたであろう頼みがすんなりと進むかに思われた。


「断りはしません。ですが1つ条件があります」

「条件?」

「っ!いえ、お願いがあります。それに必要なことなのです」


ルースミアァ…

なんか見ていて憐れに感じてしまう。


「えっと…なんでしょう?」

「オルを一緒に連れて行ってあげて下さい」

「確かさっきアイボールの所で…」

「はい…」


ゴールドドラゴンが言うには、オルとは霊峰の金竜の子供で、そろそろ巣立ちなのだそうだ。だが通常のドラゴンとは違い、ゴールドドラゴンの幼竜ともなるとバレれば血眼になって人に襲われると言う。まだそこまで力の無い幼竜は手軽に捕らえられ、そして全身全て余すことなく大金になるからだそうだ。


「ひどい!」


それを聞いたセーラムがプンスカと怒り出したがそれは放っておく。


「なので貴方にオルをお任せしたいのです」

「良いよ。あたしが守ってあげる!」

「おいセーラム、勝手に決めるな」

「もしパパが…サハラが断るなら私が引き受けるもん!」


セーラムがなんだか急成長していっているようだ。パパちょっと寂しい。

じゃなくて、ゴールドドラゴンは俺にお願いしてるんだけどな。


「コイツがそう言ってるんですけど、構わないでしょうか?」

「貴方が常にそばにいるのでしょう?それなら問題は無いです」

「ん…えぇ…そうですね」

「………サハラ…少しよろしいですか?」

「え?はい…」


ゴールドドラゴンが頭を下げてくる。乗れということだと思い、皆んなには少し待っててもらうことにする。


うん、嫌な記憶が蘇ってくる。まさかな…


「それでは参ります」

「えーっと…絶対安全飛行でお願いします…」

「ふふふ、それでは!」


翼を羽ばたかせたと思った瞬間、ドシュン!といった感じで垂直飛行をする。


「落ちる落ちる落ちるー!

無理無理、無理だー!」


ルースミアと同じだ!コイツも同じだー!



いつも読んでくれてありがとう。


今回2話だけでゴメンなさい。それとアイボールとの戦闘が中途半端になってしまいました。知っている方なら分かると思いますが、本当に強敵でサックリ倒せたら怒られそうと言うか(^^;

TRPGでもそうですが、アーケードゲームでもそこそこ強くされていた中ボスでした。しゃがみながら必死に攻撃して倒したのはいい思い出です。


さて今回の最初にも書きましたが、今後は更新できる時に更新させるようにします。

今後ともよろしくお願いします。


それでは

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