世界樹のエルフ
エルフの名前長いですよね。
でも大丈夫です。重要人物はサハラとレイチェルとセッターとセーラムとマルスとキャスだけです。他の人はなんとなくで問題無いと思います。たぶん!
シュシュシュシュシュシュッ!ドカカカカカカカッ!
森に入って5分もしないだろう頃に突然矢の歓迎を受けた。
1本の矢だけセレヴェリヴェンの頬をかすめ、薄っすらと血がにじんでいる。
おいおい、威嚇じゃないだろこれ。
「皆さんそのままでいて下さい。私なら大丈夫です」
だが当のセレヴェリヴェンは落ち着いたままだ。
少しすると1人のエルフが姿を見せ、俺たちを一人一人見つめてくる。
しかしエルフは美形揃いとは言われているが本当にその通りだ。
「よくも姿を見せられたものだな、セレヴェリヴェ…」
1番後ろにいたセーラムを目にすると言葉が止まり、目を見開いて凝視する。
セーラムはセーラムで俺の後ろにコソコソ隠れようとするのは相変わらずといったところか。
「オルラーヌシエル様?…イヤ、似ているが違う」
「それはママの名前なの」
「やはりそうでしたか」
いや、話が全然見えない。お前ら勝手に納得しあうなよ。
とりあえずセーラムのおかげで敵意はなくなり、10名ほどの隠れていたエルフ達も近寄ってくる。
「セレヴェリヴェン、貴様は後回しだ。
一緒の連中は仲間か?まぁいい。我らと一緒に来てもらおう」
選択の余地もなく決められていったけどいいのかとマルスを見てみると、行くしかないだろう?と一言だけ言うと、エルフ達の後をついて行く。
レイチェル、セッター、セレヴェリヴェンがマルスに続き、セーラムは俺が続くとしがみつくようについてくる。
「セーラム大丈夫、別にとって食われるわけじゃなさそうだよ」
「違うの。なんか怖いの」
「怖い?何がさ」
「あたしはあたしだよね?ずっとパパと居られるよね?」
「もちろんだよ」
こういう時は安心させるためにこう言っておけばいいだろう。しかし何をそんなに怯えてるんだ?敵じゃないだろうに。
しばらくついて行くと今まで見てきた何よりも幻想的で美しいとしか言えないような場所に出た。
森に溶け込むように建物があり、川が流れ、少し先を見れば滝があって流れ落ちている。
どの建物を見ても風景を阻害するようなものは無く、そこに存在するのが当たり前というか自然そのもののようだ。
建物の中でも1番大きな場所に入り、景色の美しいテラスのような場所まで行くとそこで待つように言うと俺たちだけが残された。
「さてと、説明して貰おうかセレヴェリヴェン」
マルスが問い詰め、セレヴェリヴェンもここにきてやっと重い口を開くように説明をし始める。
それによると、セーラムの母親は子を宿した後から体調を崩し、母子ともに危険があったそうだ。
これはエルフは大半が【自然均衡の神スネイヴィルス】を信仰していて、あまり僧侶や神官になる者もいない上に回復魔法に乏しいドルイドしかいない為らしい。
そこでセレヴェリヴェンと3名の護衛をつけて、セーラムの母親であるオルラーヌシエルを連れて人の多い町へ行く事にしたそうだ。
ところが町に着いたところで逸れてしまい、必死に探したが見つからなかったそうだ。
もちろんこのままではエルフの森にも帰れるはずも無く、またオルラーヌシエルはハイエルフの為詳しく話すわけにもいかず、ただひたすらあても無く探し回ったそうだ。
諦めかけていた頃にレドナクセラ帝国でオークの進軍があり、その後追い打ちをかけるようにガウシアン王国が大陸を制圧したため探し回るのがさらに困難になったそうだ。
そこまで話すとセーラムを見つめ、話すのをやめてしまった。
「もうこの先はやめましょう」
どういう事だ?セーラムを見て続きをやめたようにも思う。それにセレヴェリヴェンは他に護衛でついてきた3人の事も話していない。
考えられるとしたら何かがあったといったところだろう。
「いや、お前には話さなければならない責務がある」
そこへ先ほどとは違うエルフがやってきた。
威風堂々としたまるで王のように見えるが年齢はエルフのため分からないか。
「…はい、それでは場所を変えさせて下さいませんか?」
「ふむ、よかろう。
そちらの方々はもうしばらく待っていただこう」
とセレヴェリヴェンと今来たばかりのエルフは別の場所に移動してしまった。
「何か意味深だったわね。まるで聞かせたくない話のように見えたわ」
レイチェルがそう言うと頷くだけで、誰も返事はしなかった。
「しっかし暇だなぁ。いつまで待たせるんだ?」
そう、かれこれもう1時間はあれから待たされた俺たちは飽きてきていた。
いくら景色が綺麗とはいえ、そろそろ暇になり、用意されていたお茶とお菓子もすっかり空になっている。
「すっかり待たせてしまったな。ついでにここに来た理由も聞かせてもらっていたら、遅くなってしまった。
私はここ世界樹の森の王、ヴェジタリアン」
先ほどのエルフ、ヴェジタリアンがセレヴェリヴェンと戻ってくる。
「なら話は早いな。それじゃあ、俺らについてくれるのか?」
「それはもちろんだ、と言いたいところだが我々は世界樹を護らねばならない為、ここを離れるわけにはいかない」
無駄足になったな。ここはさっさと本来の目的である霊峰竜角山に向かったほうがいいだろう。
とは思うが、リーダーはマルスだから俺は黙っているしかないな。マルスどうするんだ?
「じゃあどれだけ出せる?」
「500…いや、1000。これがギリギリだ」
「十分だ」
あれ?なんだ来てくれるのか?1000って1000人ってことだよな。
でも、たったの1000人で十分なのか?
「それで…貴方が【自然均衡の神スネイヴィルス】の代行者ですね」
マルスではなく俺を見て言ってきた。
なんで分かるんだよ、ってセレヴェリヴェンが言ったのか。
「ええそうです。ご助力感謝します」
「次期神となられる方にそう言われるとは光栄です。また我らの仲間を保護までしていただき感謝のしようがありません」
「我らの仲間?」
俺は即座にセーラムを見る。
セーラムは俺に張り付きすっかり怯えきっている。
「そこにいるセーラムはこの森のエルフで数少ないハイエルフのオルラーヌシエルの子。
セーラムにはここに残って貰います」




