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騎士魔法発祥の地

「ウェラ隠れてないで出てきたらどうだ?」


へ?と振り返ればエラウェラリエルが隠れ覗いていた。


「長い時間独占して悪かったなウェラ」


ズィーが片手を上げ去っていった。



「ズィーと一体何の話をしていたの?」

「んー、ウェラとの熱い関係についてかな?」


瞬間的に顔がボッと紅くなりそれを隠すように俺の胸元に顔を埋めてきた。

話はどうやら聞こえてはいなかったみたいだ。


そのまま夕方までエラウェラリエルと過ごした後宿屋へと戻った。




翌朝早速旧帝都に向けて全員で出発したが、俺たちはこれで3度通る事になるが、初めて通るキリシュ達は街道の余りの人の多さに驚き、何の危険もなく旧帝都まで到着すると拍子抜けした表情をしていた。


宿屋を決めた後、ズィーはシーフギルドに向かった。俺たちは時間も時間のため部屋で待機して、ズィーには悪いが先に食事を済まそうとしたタイミングで帰ってきた。


「とりあえず食事を済ませた後話そう」




食事を済ませ部屋に集まるとやはり潜入してみない事には分からないそうだ。

と言うのもシーフギルドにも両方の繋がりがあって、敵味方ハッキリしない危険な事象なだけに口を破る事が出来ない。その為そういう時用のサインで返されたそうだ。


「つまりシーフギルドにはレフィクルとレジスタンスの両方に繋がりがあるっちゅうことかの?」

「誰がどっちの人間か分からないと下手なことは言えないわね」

「そういう事だ。だから、やっぱり俺が潜入してくる」


あてはついているらしい為、潜入自体は簡単にいくらしく、長くても3ヶ月の間に戻るようにするという事になり、その間俺たちは旧帝都を拠点として冒険者ギルドの仕事の依頼なんかをしながら待つ事にした。

1週間以上戻らないような場合は冒険者ギルドで確認するから問題ないと言う事で決まると、早速ズィーは明日には旧帝都を出る事になり、俺らは明朝ズィーを送った後冒険者ギルドに向かう事で決まった。


「じゃあ、明日からはしばらくの間パーティリーダーはサハラさんにお願いしますね」

「俺⁉︎」


当たり前のように全員が頷いた。





翌朝見送ろうと起きた頃には既にズィーの姿はなく宿を既に出た後だった。

早いなぁと感心しながら他の皆んなが起きるのを待っている間に俺は魔法の本を取り出し記憶しようとしたところでふと思った。


ただでさえ3回しか使えないのだから、今日行く場所が決まってからの方が効率がいいな。


しばらくすると皆んなも起きてくると、手早く朝食を済ませ冒険者ギルドに向かい仕事を探してみる事になった。



「マスター、これ…」


セッターが俺に見せてきた依頼は『遺跡探索』で、よくよく見れば騎士魔法発祥の地ともいうべき場所で、その昔レドナクセラ帝国が最強を誇った騎士団を生み出すきっかけとなった場所らしい。

遺跡探索とはなっているが、実際には既に探索はほぼ済んでいて今では新人冒険者達の修練場のような場所とされている。


「やっぱり騎士を目指すセッターは気になるのか?」

「そうですね。それにマスターだって騎士魔法使うじゃないですか」

「まぁ良いんじゃないかの?場所も遠くないし儂等の実力がどの程度か見るにも良さそうじゃ」


セーラムはまだまだ駆け出し冒険者だし、俺だって言うほど経験がある訳でもない。加えてキリシュ達がどれだけ実際に戦力があるか分からない現状を考えたらうってつけだろう。


「じゃあここで全員の力を見てみる事にしよう」



遺跡探索の場所はここから半日ほどでたどり着け、デプスは意外にも10もあった。

最深部まで10日か。結構広いのかそれとも深いのか。


俺は全員にこの遺跡探索に行く事を告げ、準備を整えたら行く事にした。


「ウェラ、魔法は遺跡の場合はどんなのを選んだらいいかな?」

「そうね…範囲攻撃魔法は使えない事もあるし、罠なんかもあるといけないから凡庸性のある魔法が便利かしら。

セーラムさんもいるからある程度は任せられると思うわ」

「罠はズィーがいないから、その辺りはセーラムに頼めるかな?」

「任せてなの」


俺は接近戦をメインにして、魔法は魔法矢(マジックアロー)3回記憶する事にするか。




旧帝都を出て半日も歩けば遺跡にたどり着いた。

巨大な建物のようなものがあったと思われる跡地のようで、入り口近辺にはチラホラと他の冒険者の姿も見えた。


「時間的にもうしばらくしたら日が落ちるけど、ここで一晩明かすか、それともこのまま少し進んで休めそうなところで休むか。

どっちにする?」

「そうですね、僕等はダンジョンとか遺跡は経験がほとんどないからなぁ」

「そう言えばそうね。大半がデプス1だったわよね」

「うむ、冒険者たる者何日も潜り続けるような場所に入り込むのも重要な経験になるじゃろう」


キリシュ達も実際にはダンジョン経験薄いのか。俺たちは論外だから、浅いうちに経験しておく方が後々の為になるか。


「よし!何事も経験だ。

3列縦隊で前衛に俺とセッターとセーラム、中衛にレイチェルとウェラとボルゾイ、後衛をキリシュとセレンとウォーレンで進もう。

前衛と後衛は交代しながら進んで、もし戦闘になったら後衛は中衛を守るようにしてほしい」

「おう、中衛、守るの、任せろ」

「もちろんズィーがいないからバックアタックは後衛で注意してくれ」



初の遺跡だけどダンジョン攻略か、なんかワクワクしてくるな。

気分はウィザードリィってとこか?

俺の杖とレイチェルの盾、セレンの槍に明かりの魔法をボルゾイにかけて貰い、遺跡に颯爽と入り込んでいった。

そんな気分で入り込んだはいいが…


「冒険者多いな…」

「そうですね」


そう、遺跡に入り込んだはいいが中は冒険者達の修練場だけあって、結構な賑わいを見せていた。

しかもその相手にしているのが、ジャイアントラットやジャイアントスパイダーなんかの巨大な動物や昆虫がほとんどだった。


とりあえず他の冒険者の少ない方へとどんどん進んでいくことにした。


「サハラ…さん、結構奥地に来てますよ」


マッピングしているエラウェラリエルがレイチェルを気にしたのか控えめに尋ねてきた。


「うん、まず他の冒険者がいない所を目指してるからいいんだ。それよりマッピングしてる2人は今の所問題ない?」

「エルフとドワーフがマッピングしてるんじゃ方向感覚とかは問題ないぞ」


俺は一応マッピングをエラウェラリエルとボルゾイ2人に任せていた。

そうすることで食い違いが生じた時に素早い対処が出来ると思った為だ。



「マスター、来ましたよ」


正面から人影が見えてきた。




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