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鞄の中のお金

「皆んなに相談したいことがある」


朝起きると俺は昨日寝る時に考えた案を伝える事にする。


「1度ヴォルフの町に戻ってズィーに相談してみるのはどうかな?やっぱり情報収集はシーフのほうが得意だろうし、後はレフィクルの事も相談してみたいと思うんだ」


さてどうくるか。


「良いと思いますよ。マスター」

「戻るなの?」

「別にいいけど…」


まぁレイチェルは俺がウェラに会うの嫌なんだろうな。

チョットはウェラに会うのも理由かもしれないが、本当に今回のレフィクルの事は相談したい。


「じゃあ、済まないけど1度ヴォルフの町に戻ろう」

「ヴォルフまでは人が多いから安全です。気軽に行けますね」


前回なんか全く魔物と遭遇しなかったもんな。最も旧とは言え帝都を繋ぐ街道が、危険だったらたまったもんじゃない。


仕事で忙しくて会えなかったら困るから、念の為ヴォルフに使い魔飛ばしておくか。


鞄からツバメを取り出し、キリシュ達の元へ3日後其方に相談があって向かう旨を伝えさせる為に飛ばしておいた。




荷物というほどのものも大してない為、早速出発する事にする。


「じゃあ、忘れ物とかないね?」

「あるわけないじゃない。荷物の大半がサハラの鞄の中なんだもの」

「それもそうですね。こいつはダミーですし」

「なの!」



んー、なんか俺って旧だけどレドナクセラ帝国領から出られないなぁ。

いや待て、そもそも前の時だって創造神に会ったからこうなったんじゃないか?

よし決めた。もう神殿には近寄らない。


やはり旧帝都とヴォルフの街道は人の往来が多く、初日の野営地点には露店まで今回は出ていて、美味しい夕飯を食べて過ごす。ツバメはその日の夜には戻ってきた。


さすがに2日目の野営地点になると、同じ旅人っていうんだろうか?と仲良く喋ったりもしたが、さすがに露店はなかったため、あまり美味しくない携帯食を口にし、3日目、何事もなくヴォルフの町の入り口までたどり着くとキリシュ達が出迎えてくれていた。


「サハラさん!一体急に相談があるなんてどうしたんですか?うわ」


ドスッと俺に体当たりするような勢いでエラウェラリエルが抱きついてくる。


「ハハハ、良かったなウェラ。

サハラ、ウェラの奴お前達が町を離れてから、そりゃもうションボリしちゃって大変だったんだぜ」

「見てるこっちまで気が滅入ったわよ」

「そうなんだ。あはは」


うん、可愛いな。レイチェルの痛い視線は無視するとしよう。


「それで、相談って何ですか?」

「それは宿屋に行ってから話すよ」




宿屋に向かい部屋を確保した俺たちは、キリシュ達に隠す必要も無いだろうと、セッターとセーラムの話した内容を話した。


「〜というわけなんだ」


話し終えた俺はキリシュ達を見渡すとキリシュ達は黙って考え込んでいる。


こんな話を聞かされたら当然そうなる。何しろレフィクルを倒せなかったら大洪水だもんな。しかもタイムリミットは2〜3年しかない。それまでにレフィクルというか、国を相手にするだけの人数揃えるなん不可能に近い。



「つまりレフィクルを倒すしか俺達が生き残る術は無いってことだな?」


沈黙を破ってズィーが言った。


一応、どデカイ船を作って正にノアの箱舟って方法もあるけどな。ただそれだとバレないように船を作って助けたい人を全て乗せて、大洪水が収まるまでの食料と大洪水後の食料が得られるようになるまでの食料が必要になる。はっきり言って現実的じゃない。

かと言って、レフィクルとその軍を相手にするだけの兵力を集めるのも、これまた現実的じゃない。


「【鍛冶の神スミス&トニー】様が籠手を打たれているとは感動じゃぁ」


ボルゾイはそこなのか⁉︎

ん?キリシュとセレンがこそこそとなんか喋って、る?


「もう少しお金を貯めてから言おうと思っていたんだけど…僕と」


チラッとセレンをキリシュが見るとセレンが頷く。


「私、セレンは冒険者を辞めて、その…」


普段クールなセレンが照れて顔真っ赤だ。


「「結婚するつもりだったんだ(です)」」


おおー息あってるな。


「2人とも、今更、みんな、知ってた」


うんうんと頷くズィーとボルゾイとエラウェラリエル。レイチェルとセーラムまで頷いているのには驚かされた。


「「え!」」

「バレバレだって。こそこそしないで、もっとサハラウェラぐらい堂々とくっついてろよ」


そこ!俺に話を振らないように!

レイチェルは睨むな。ウェラくっつき過ぎ、胸当たってる。嬉しいけど。


そう、今俺の隣はエラウェラリエルが陣取り、張り付いている。反対側にはセーラムがチョコンと座っていて、俺の正面に監視するようにレイチェルが座っている。

あ、セッターはレイチェルの隣にしっかりいる。


「まぁ、何はともあれおめでとうと言いたいところなんだけど…」


俺は咳払いをした後で話題を変えるために必死になる。


「そうなんです。このままだと結婚しても2〜3年後には大洪水が起きるのなら、そんな場合じゃなくなりますね」

「そうね」


ウェラが俺を見ながら呟くように言った。



「じゃあ決まりだな。いつまでも惚気聞いてても仕方が無い。

サハラ、軍資金はどれだけある?

済まないが少し分けてもらいたい。時間が限られてるのに資金を稼いでる暇はないからな」

「軍資金ならこの鞄に余るほどあるよ」

「どれぐらいだ?」

「たぶん、この部屋で出したら俺達が生き埋めになるぐらい」


流石に不味かったかな?全員が固まってる。


「ま、まぁそのぐらいあるって事か?ちょっと出してみてくれ」


うん、と俺は鞄から出すのも面倒だし、ひっくり返してみせる。


ジャラジャラと止まることなく金銀財宝が床に溢れて、あっという間にベッドぐらいの山が出来た。


おっと、これ以上出したら流石にしまうの大変だな。

そこで鞄をひっくり返すのをやめた。




「「「「「「「「「何じゃこりゃあああああ!!」」」」」」」」」


そうなるよね。


その後皆んなでせっせとしまうのを手伝ってもらうが、結構な時間を要した。



「サハラのお金に無頓着で使い方が荒い理由が、よ〜くわかったわ」

「マスター、金持ちだったんですね」

「なんか必死に仕事してる僕らが馬鹿みたいですね」


うんうんと頷く一同。




まあねぇ、コレでもルースミアの財宝の1000分の1ぐらいなんだよな。





先週からこっぴどい風邪をひいてしまい、全く続きが書けてません。ごめんなさい。


次回更新は来週の日曜か月曜辺りを予定しています。


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